ドライバー2020年3月号(2020年1月20日発売号)からスタートした連載「(じつは)動物カメラマン 三好秀昌の『ニッポン探訪』」。日本全国を最新SUVで駆けまわり、かわいい動物や最高の絶景を撮影してしまおう!という企画です。第13回は、寒さが身に刺さるマイナス20℃の雪の中でも元気いっぱいに走りまわる『エゾクロテン』。撮影テクニックやクルマのインプレッション、その地域のグルメやお土産情報など、取材ウラ話をいろいろと紹介します。
寒さのなかで居眠りをしていると……
いやー、ヤバかった!
ただ妙に心地いいんですけどね、これが。
そのワケは……。
夜行性の動物を撮影するのにフィールドで暗くなるのを待ち、その登場をひたすら待ち続ける。
今回の狙いは北海道・大雪山の麓(ふもと)でエゾクロテンである。
そしてオイラは大雪に囲まれている。
前に探しに行ったときはアタリだった! どんどんゾロゾロと出てきた。家族なのか4~5匹、まとめて出てくれて、どれをカメラで追えばいいのか混乱するほどぜいたくなシチュエーションだった、のだ。
しかし、今はちらりと影は見えるのだが、なかなか姿を現さない。
時間は刻々と進み、もう夜中。
気温は氷点下20℃にも達していた!
森の百面相名人を追え!「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第12回~トラフズク」
それなりに着込んで、ポケットにカイロを仕込んでいても寒い。
顔などはピリピリしている。
しかしそんな雪の中でも人は眠気には勝てないと知った!!
ウトウト、ウトウト、居眠りしてしまうのだ。
それが妙に心地いい。
これで熟睡しちゃうと、カチカチ山じゃないカチカチになっちゃうのでシャレにならない!
あ~、あぶね~!!
ブルブルッと寒さを感じて目が覚めた。すると、目の前にお目当ての動物が来ていてオイラを見ていた!
目が合ったらびっくりしたように走り去っちゃったけど。
寝ていると「さあ出てこい! 写すぞ~」という殺気が消えるからいいのかね?
その後、ポツポツと姿を現してくれて、ほんの一瞬だけ2匹同時に登場した。
さてさて、やせ我慢はこれぐらいにして引き上げよう。
この寒さは妙に気持ちよくて(!?)、危険だ(笑)。
「撮影裏話&テクニック」
自作のレンズヒーターで結露を防ぐ
寒くても元気なクロテンと違い、人間やカメラは防寒対策をしないとこの気温ではやっていけない。また、氷点下の温度にさらしたカメラ機材を温かい室内に持ち込んでしまうと、レンズの中などに水滴が発生してクリアな写真が撮れなくなってしまう。いわゆる結露が発生するのだ。
マイナス20℃からクルマの中でヒーターをかけているところに持ち込んだら一発だ。
そこで自作のレンズヒーターを作った。機材をわずかでも温めておけば結露は防げる。
USB給電の過熱シートをフェルト地の袋に入れてレンズに巻く。さらに、性能低下を抑えるために、これまた袋に入れたモバイルバッテリーから給電するというシンプルなものだ。
結露対策としては完ぺきだったし、レンズまわりがほんのり温かいので、撮影していても手に優しいという相乗効果もあった!
[撮影データ]
機材:SONY α9/α7III
レンズ:FE 70-200mm F2.8 GM OSS
「今回のSUV……スズキ ジムニーシエラ」
ドイツの超高級モデルにも負けない世界最強の4WD
雪の中の性能を語る前に、オーバーフェンダーに雪が乗ったときのジムニーシエラの見え方の美しいこと!!
ちょっと似ていると言われるドイツの超高級4WDにも負けない存在感だった。
長距離移動での快適性、静粛性とエンジンのフレキシビリティという点において、軽自動車のジムニーと差別化されたシエラという存在だったが、これほどまでにフォルムが美しいということは再発見だ!
シエラは雪道を走っていてすばらしく安心感がある。前輪と後輪を直結したパートタイム4WDはタイトコーナーブレーキング現象があるなどデメリットもあるが、滑りやすい路面でそれはすべてトラクションを生み出す要素なのだ。わだちのない深い新雪でもグイグイ走れるのは本当に心強い。
このジムニーシリーズは間違いなく世界最強の4WDだ。それは軽さとタイヤの大きさが生み出すパフォーマンスだ。
そして、新型になって静粛性や振動といった快適性も大きく向上している。そういった意味で、以前のようなマニア向けから万人向けのクルマになっている。
■主要諸元
スズキ ジムニーシエラ JL
(4速AT/4WD)
全長×全幅×全高:3550mm×1645mm×1730mm
ホイールベース:2250mm
最低地上高:210mm
車両重量:1090kg
エンジン:直4DOHC
総排気量:1460cc
最高出力:75kW(102ps)/6000rpm
最大トルク:130Nm(13.3kgm)/4000rpm
燃料/タンク容量:レギュラー/40L
WLTCモード燃費:13.6km/L
タイヤサイズ:195/80R15
価格:189万2000円
「今回お世話になったスズキのディーラー」
今回、ジムニーシエラをお借りしたのは帯広のスズキアリーナ。冬はアイスバーン一色になるこの地域でジムニーの評判は上々とのこと。実際、帯広近辺ではたくさんのジムニーを見かける。
北海道帯広市大通南23-10
TEL:0155-25-0505
営業時間:9:00~17:30
定休日:火曜日、祝祭日
「危ない路面 冬の滑る路面ナンバーワンはこれです!!」
このテカり具合、光の反射、こういう見え方のアイスバーンは恐ろしいほどに滑る。コーナー手前のブレーキングポイントはさらに磨かれていてもっと滑るので、うーんと手前でだらだらとブレーキングするのが一番安全な走り方。
「地元グルメ 新得そば」
以前、WRCジャパンでも通った新得町はそばでも有名。
ポツンと国道沿いにある店はラリーの前後で寄った思い出がある。
コシがあってとってもウマい!!
「旧狩勝線ミュージアム」
日本3大車窓と呼ばれた根室本線の旧狩勝峠のミュージアムが国道38号沿いにある。
蒸気機関車とまったくここに縁がないはずのブルートレインが展示してあるが、この20系客車はなかなか貴重だ。大昔、ドライバー誌の取材を九州で終えたあとに、なぜかひとりブルートレイン「あさかぜ」に乗って先に帰京したのを思い出した。
旧狩勝線ミュージアム
〈文と写真〉
三好秀昌 Hideaki Miyoshi
●東京都生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。八重洲出版のカメラマンだったが、ラリーで頭角を現し、そのうち試乗記なども執筆することに。1995年、96年にはサファリラリー グループNで2年連続優勝。そのほか、国内外で数多くのラリーに参戦。写真家としては、ケニアでの豹の撮影など、動物をおもな題材としている
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みんなのコメント
迷うけど、結局最後はスズキなんだよね。