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【意外な共通点】シルビアやソアラ 国産ネオクラシック人気車 1980~90年代 国内市場の大変化が背景

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【意外な共通点】シルビアやソアラ 国産ネオクラシック人気車 1980~90年代 国内市場の大変化が背景

今注目されている「ネオクラ」とは?

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

【画像】輸入ネオクラもじわりと値上がり中【メルセデスの傑作】 全112枚

「ネオクラ」とは、ネオクラシックカーの略称だ。

一般的にネオ(Neo)は新しい傾向を示す時に使われるから、ネオクラも比較的年式の新しいクラシックカーを示す。2020年現在、1980年代から1990年代に生産された車両が該当する。

中高年齢層としては「1980年代から1990年代でクラシックカー?」と思うが、現在30歳から40歳のユーザーから見れば、生まれた頃に生産されたクルマだ。

ただし1960年生まれの人が30歳を迎えた1990年頃、1960年式の初代ブルーバードや初代セドリックは、立派なクラシックカーだった。

同じ30年前のクルマなのに、現時点で1990年に製造されたNSXやR32型8代目スカイラインを見ても、本格的なクラシックカーとは思えない。

ネオクラという新しいカテゴリーに分類されるのは、クルマの進化が時代に応じて変化したからだ。

1970年代までは、クルマのデザインや走りの技術が急速に進化したから、30年を経過すれば立派なクラシックカーになった。

それが1990年以降になると、カーデザインや動力性能は伸び悩みを見せ、特に2000年以降は変化が乏しい。

その代わり安全装備と運転支援機能は大幅に進化して、ハイブリッドを筆頭に燃費も向上するなど進化の焦点が変わってきた。

耐久性、大きく変化 平均寿命伸びた

また1970年代までのクルマは、錆を含めて耐久性が低かった。屋根のない駐車場に10年以上保管すると、塗装が色褪せて、内装のはく離も生じた。

クルマの平均寿命に相当する平均使用年数も、1970年代後半は約7年半だった。

それが1980年代に入ると平均使用年数が9年に伸びて、2000年には10年に達した。2010年は12年に伸びて、今は13年を超えている。

このように1980年代から1990年代に製造されたネオクラシックカーは、それ以前の車両に比べて耐久性が高く、1車種当たりの生産台数も全般的に増えた。

したがって今でも中古車の流通量が確保されており、価格を含めて手に入れやすい。

その一方で1990年代中盤までに生産された日本車には、エンジン排気量が2Lを下まわる5ナンバー車が豊富にそろう。

1989年の自動車税制改訂まで、3ナンバー車の自動車税は、5ナンバー車の2倍以上に達したからだ。

今のクーペは、軽自動車以外すべて3ナンバー車で車種数も減ったが、25年以上前なら5ナンバーサイズのクーペも豊富に選べた。

今とは性格の違うクルマがそろうことも、ネオクラが注目される理由だ。

ネオクラとして人気の車種 共通点が

日本車のネオクラ。人気車種には、1980年代から1990年代に製造された2/ドア3ドアクーペや上級セダンが多い。

1970年代は厳しい排出ガス規制によって日本車は出力低下を余儀なくされ、この痛手から脱したのが1980年代になる。

そこから1990年代の中盤までが、日本車の最も多く売れた輝ける時代だ。

この時代に生産されたネオクラの注目車は、主に以下の通りだ。

・トヨタAE86型カローラレビン&スプリンタートレノ(1983年)
・トヨタ初代スープラ(1986年)
・日産2代目レパード(1986年)
・日産Y31型セドリック&グロリア(1987年)
・日産S13型5代目シルビア(1988年)
・日産初代シーマ(1988年)
・トヨタ初代セルシオ(1989年)
・日産R32型8代目スカイライン&同GT-R(1989年)
・日産Z32型4代目フェアレディZ(1989年)
・ホンダ初代NSX(1990年)
・マツダ3代目RX-7(1991年)
・トヨタ2代目スープラ(1993年)
・ホンダ6代目シビック・タイプR(1997年)
・トヨタ・アルテッツァ(1998年)など。

上記車種の全般的な特徴として、今のクルマに比べるとホイールベース(前輪と後輪の間隔)が短く、ボディがホイールから前後に張り出したオーバーハングは長い。

現行スープラは回頭性を向上させる目的でホイールベースを2470mmに抑えたから、全長の4380mmに占める割合は56%だ。

この比率は初代スープラ(全長:4620mm・ホイールベース:2595mm)、2代目スープラ(4520mm・2550mm)とピッタリ合致する。

つまりネオクラのボディサイズには、トレッド(左右のホイールの間隔)はまったく異なるものの、走りの機敏なスポーティカーに通じる必然性があった。

今と違い国内市場を大切に考えた時代

今のネオクラは、いずれの車種も新車として売られた時代から相応に高い人気を得ていた。

極端にマイナーだった車種は記憶に残りにくく、ネオクラとしても人気を集めにくい。

そしてネオクラには3ナンバー車も見られるが、1980年代に製造された車両は5ナンバー車が中心だ。

メーカー別に見ると、日産が目立つことも特徴だろう。

シルビアやスカイラインから、セドリック&グロリア、シーマまで、カッコ良くて走りの楽しいクルマが多かった。

見方を変えると、ネオクラが人気を高めた背景には、今の日本車メーカーに対する不満もあるだろう。

今のネオクラが開発された時代は、日本車の約50%が日本国内で売られていた。

走行性能や内外装は、海外のクルマに負けないように進化させる一方で、ボディのサイズやデザインは、日本のユーザーに受け入れられることを考えて開発されていた。

その結果、海外/国内指向が適度なバランスで調和して、記憶に残る優れた商品を生み出した。

ところが今の大半の日本車メーカーは、世界生産台数の80%以上を海外で売る。

日本は20%以下の市場として軽く扱われ、日本車が日本のユーザーから離れてしまった。この反動がネオクラ人気ともいえるだろう。

本当は悲しむべきトレンドなのかも知れない。

中古車価格、比較的求めやすいことも

ネオクラは、本格的なクラシックカーに比べると、中古車価格が比較的求めやすいことも特徴だ。

2代目スープラのノーマルエンジンを搭載したSZなら、1990年代の後半に製造された車両が150~250万円で販売される。買い得とはいえないが、極端な高値でもない。

S13型5代目シルビアは、1990年前後に製造された車両が140~180万円だ。

アルテッツァはセダンとあって流通台数も多く、シングルカムのAS200であれば走行距離が5万km以下で50万円前後の車両も見つけられる。

チューニングされた中古車は、疲労していることも考えられるから避けた方が無難だが、動力性能の大人しいAT車なら無理をしないで使われている可能性も高い。

いずれにしても20~30年前に製造されたので、車両によって状態が大きく異なるから、自分で確認する必要がある。

中古車選びでは、安心できる店舗で保証の付帯した車両を選ぶことが大切だが、ネオクラはこの傾向が特に強い。

慎重に、楽しみながら選んでいただきたい。

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みんなのコメント

5件
  • 燃費に目をつぶれば、クルマは80年代〜90年代初頭までが一番良い。
  • >今のクーペは、軽自動車以外すべて3ナンバー車で車種数も減ったが

    「軽自動車以外」って書く必要ある?
    最後はAZ1/キャラかな。かなり昔だ。
    スバル・ハナコは生産直前で止められたみたいだし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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