発売秒読みと噂されるクラウンスポーツ。公開された写真などから購入を決断している人も多いと思うが、ちょっと待った。このカテゴリーにはトヨタの巨人ハリアーがいるのだ。そこで購入動機別に、どっちが正解かを考えてみた。クルマ選びの参考にするべし!
文/渡辺陽一郎、写真/池之平昌信、トヨタ
クラウンスポーツ一択という人はちょっと待て! それならハリアーでよくないか?
■注目が高まるクラウンスポーツだがハリアーもいい!
2023年中に投入されるトヨタ クラウンスポーツ。クラウンクロスオーバーに続く「クラウンシリーズ」第2弾だ
2021年のクラウンの売れ行きは、1990年の10分の1まで減少していた。もはや役目は終えたと判断して、かつてのマークII(廃止時にはマークX)、コロナ(廃止時はプレミオ)のように廃止する方法もあったが、クラウンは初代モデルを1955年に発売した伝統あるトヨタ車だ。廃止はできない。
そこでクラウンは、先代型のセダンのみのバリエーション構成から、3種類のSUVとセダンをそろえる「クラウンシリーズ」へ発展した。
SUVであれば人気が高く海外でも販売できる。その一方で堅実な法人の乗り替え需要も継承すべくセダンも用意した。クラウンを存続するため、ワイドなバリエーション展開となっている。
そして2022年に、まずはクラウンクロスオーバーを発売した。SUVスタイルながら、居住空間から独立したトランクスペースを備えるセダンボディだ。
純粋なセダンからリヤゲートを備えたSUVに切り替わると、ユーザーの戸惑いも大きい。そこでクラウンシリーズの第1弾は、SUVとセダンの中間的なクラウンクロスオーバーになった。
そして純粋なSUVになる第2弾のクラウンスポーツが、2023年中に投入される。販売店に今後の見通しを尋ねると以下のように返答された。
「クラウンスポーツは、2023年10月初旬から中旬に価格が分かり、予約受注を開始するだろう。もう1車種のクラウンエステートは、2024年に入ってから、クラウンスポーツの受注が落ち着いた頃に受注を開始すると思う」。
ちなみにクラウンセダンは「クラウンスポーツと同時期に予約受注を開始する」とのことだ。
そこでクラウンスポーツに向けた関心が高まっているが、トヨタには上級SUVとして、人気の高いハリアーもある。ここではユーザーニーズに応じたクラウンスポーツとハリアーの選び方を考えたい。
■カッコ良さを重視……ならばクラウンスポーツ
前後方向の張り出しが抑えられ、塊感が強調されるトヨタ クラウンスポーツ
全長からホイールベースを差し引いたオーバーハング(ボディがホイールから前後に張り出した部分)の数値は、クラウンスポーツが1940mm、ハリアーは2050mmだ。
つまりクラウンスポーツはボディの前後方向の張り出しが抑えられて塊感が伴う。フロントマスクのデザインも新鮮で、ボディの側面はボリューム感が強い。車名が示す通りスポーティなカッコ良さを重視している。
内装もインパネを立体的なデザインに仕上げて囲まれ感があり、外観と同様、スポーティな雰囲気に仕上げる。
■上質感や豪華さを重視……ならばハリアー
2022年9月にPHEVモデルが追加されたトヨタ ハリアー
ハリアーの外観は、SUVというより背の高いワゴンの雰囲気だ。少し鋭角的なフロントマスクは、迫力や存在感よりも上質感を重視する。クラウンスポーツよりもオーバーハングが長く、塊感が乏しい代わりに、伸びやかな美しさが感じられる。
内装も同様だ。ハリアーは合成皮革を積極的に使って、価格の割に豪華に見せている。クラウンスポーツとハリアーは、ほぼ同じサイズのSUVだが、内外装のデザインは対称的だ。
■高速道路や峠道をスポーティに走りたい……ならばクラウンスポーツ
クラウンスポーツは全幅が1880mmで、ハリアーよりも25mmワイドだ。ホイールベースも2770mmだから、2690mmのハリアーに比べて80mm長い。そのために高速道路における走行安定性は、クラウンスポーツが優れていると考えられる。
峠道の下りカーブを曲がる時の後輪を中心とした接地性、安定性も、ボディがワイドでホイールベースの長いクラウンスポーツが上まわるだろう。走りの良さで選ぶならクラウンスポーツだ。
■価格の割安感を重視……ならばハリアー
ノーマルエンジンの2WD・S(写真・312万8000円)を用意するなど、価格の安いグレードを充実させているトヨタ ハリアー
クラウンスポーツの詳細は不明だが、パワーユニットはハイブリッドとプラグインハイブリッドのみで、駆動方式も4WDだけだ。
そうなると価格は高めになる。既に販売されているクラウンクロスオーバーも、全車がハイブリッド/4WD/後輪操舵を標準装着して、価格は最も安いXでも435万円だ。売れ筋の価格帯は470~600万円に達する。クラウンスポーツも、同程度か、それ以上の価格になると予想される。
その点でハリアーには、直列4気筒2.5Lのハイブリッドに加えて、2Lのノーマルエンジンも用意される。駆動方式も前輪駆動の2WDと4WDを設定した。従ってハリアーで一番価格の安いノーマルエンジンの2WD・Sは312万8000円だ。
ノーマルエンジンの2WDなら、中級のSが352万9000円、上級のZでも403万8000円に収まる。売れ筋の価格帯が500万円台と思われるクラウンスポーツに比べると、ハリアーは価格の安いグレードを充実させている。
そうなると街中の移動が多く、スポーティな運転感覚を求めないユーザーにはハリアーが買い得だ。
ハリアーの販売状況を見ても、約半数はノーマルエンジンが占めており、上質な内外装と割安な価格がセールスポイントになっている。クラウンスポーツが発売されても、ハリアーはノーエンジン車を中心に堅調に売れ続ける。
■数年後の売却額を重視……ならばクラウンスポーツ
リセールバリューならクラウンスポーツが有利。新車が高価なため中古車を求めるユーザーも多くなり、それだけ売却する時の金額も高くなるというわけだ
リセールバリュー、つまり数年後の売却額で選ぶならクラウンスポーツが有利だ。前述のように価格が高いから、中古車を求めるユーザーも増える。設計も現行ハリアーに比べて新しく、外観も派手だから中古車市場で人気を高める。この影響で、数年後に売却する時の金額も高まるわけだ。
3~5年間使って高値で売却するならクラウンスポーツ、売却額が安くなるまで、つまり7年以上長く乗るならハリアーという選び方も成り立つ。
■納車を急ぐ……ならばハリアー
販売店では「クラウンスポーツの受注方法は現時点では分からないが、予約受注が始まったら真っ先に申し込んでくれ、と希望している馴染みのお客様が多い」という。この状況を考えると、クラウンスポーツが予約受注を開始すれば、納期を早々に長引かせる可能性も高い。
従って短期間で納車したいならハリアーを推奨する。販売店によると「ハリアーの納期は7~8か月」とのことで、上級車種としては平均的な納期になる。
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