BMWの正式名称は「バイエルン発動機製造会社」。そのエンブレムは回転するプロペラであり、航空機用エンジンの生産をルーツとする。上のドイツの名戦闘機「フォッケウルフFw190」には、BMW製の空冷二重星形14気筒が搭載されていた。
設立から50周年を迎えた今年まで、常に人々の憧れであり続けたBMW。そんなBMWに乗ってみないか! と自動車評論家 清水草一氏が熱く語るこのシリーズ、まず清水氏による「BMWの素晴らしさ」を聞いてくれ!
不動の「乗ってみたいクルマ」第1位! BMWに乗ってエリート気分になろうじゃないか!
※本稿は2022年6月のものです。
文/清水草一、写真/BMW、ベストカー編集部 ほか、撮影/池之平昌信、茂呂幸正
初出/ベストカー2022年7月26日号
■とにかく乗ってみてほしい!
BMWに乗れば、誰でもエリートになれる! いや少なくともエリート気分にはなれるっ!私はこれまで、数多くのマニアックなイタリア車やフランス車を足にし、カーマニア的な悦に入っていた。一般人が知らないようなマイナーなクルマに乗ることに、ヨロコビを感じていたのだ。
エンジンがイイ! シャシーがイイ! ステアリングのキレがイイ! ATがイイ! FRがイイ! FFはもっとイイ! 全人類の憧れ、それがBMWなのだ!
そんな私から見ると、BMWはあまりにもメジャー。そこらじゅうにいっぱい走っているし、マニアックな面白味がないと思い込んでいた。ところがどうだ! 実際にBMWに乗ってみたら、そこは天国だったのだ!
ハンドリングがいい。エンジンがいい。カッコもいい。そしてなにより、周囲の見る目が違う!「これがメジャーな世界ってヤツか……。これがエリート気分ってヤツなのかっ!」
こんなにエリート気分なのに、中古ならお値段もビックリするほどお安い。さあ、あなたも、BMWに乗ってエリート気分になろう!
これぞエリート気分! みんなにもぜひ堪能してもらいたい!
【BMWの素晴らしさ その01】とにかく「走り」がイイ!
BMWの走りがいいのは、ある意味当然だ。なにしろ「駆けぬける歓び」なのだから、走りが悪かったら困るぜ!
が、個人的には、BMWの走りを真に「うお~、イイ!!」と思うようになったのは、ここ10年くらいのことである。
写真は直6ターボを積むM440i。だがBMWのエンジンは、今や全部イイ!
それ以前は、本当にイイのは一部の限られたモデルだけ。ところがここ10年─つまり先代モデルあたりから、すべてのBMW車の走りがよくなったのだ!
まずエンジン。以前のBMWは「直6以上じゃないとダメ!」的なイメージだったが、ここ10年ですべてのエンジンがターボ化され、4気筒も3気筒も全部よくなった。
なかでもスバラシイのは、日本への導入が始まったディーゼルターボだ! もちろんガソリン直6ターボはテッパンだが、今やBMWはすべてのエンジンがイイ!
誰もが認める「エリートが乗るクルマ」それがBMW!
シャシーのよさは言わずもがなだが、これも現在の「しなやかスポーティ路線」が全モデルに行き渡ったのは、ここ10年ほど。乗り心地がいいのにしっかりスポーティなハンドリングは、BMWならではのスペシャル感を与えてくれる。
特にステアリングのキレ感はBMWの独壇場! 軽く切っただけでクイッと向きが変わるこの快感! BMWのステアリングは初期応答性が適度にクイックで、それでいて重厚感がある。これぞエリートのハンドリングだ!
ミッションもイイ。かつてBMWはATがアキレス腱と言われたが、現在のZF製8速トルコンATは信頼性が劇的に向上。スポーティでダイレクトなフィールは、MTへの郷愁をも断ち切ってくれる。もはやBMWはATでヨシ!
そして駆動方式。BMWといえばFRにトドメを刺すわけだが、今やBMWはFFのほうがハンドリングがいいのでは!? と感じる。FRはケツを滑らせない配慮が強まっているが、FFはパワーオンでケツが出る心配ナシ! そのぶんハンドリングは軽快かつクイック! 四駆も自然でイイけどネ!
このように、先代モデル以降のBMW車は、全車もれなく走りがイイ! まさに駆け抜ける歓びのフルラインナップなのだ。
【BMWの素晴らしさ その02】「イメージ」が抜群にイイ!
BMWのイメージのよさは凄まじい。例えれば、スポーツ万能のエリート青年といったところか?
BMWくらいの名門になると「ケッ、気取りやがって」的な反応が出るものだが、BMWの場合、名門なのにそれがナイ! イメージとしては間違いなく「生まれながらのエリート」なのに、なぜか肯定的なイメージだらけなのだ。
それはやっぱり、永遠のナンバー2だからだろう。BMWは、ドイツ御三家のなかでメルセデスに次ぐナンバー2だからこそ、ナンバー1に対するアンチテーゼとして判官びいき的に応援したくなってしまう。
つまり、源義経だ! 若くして華々しい勝利を重ねながら、悲劇的最期を遂げた名将のイメージだ。ゆえに、どれだけエリートでも誰にも嫌われない。
それにBMWは旧型になっても、周囲からは変わらず一流品として見てもらえる。デザインクォリティの高さはもちろんあるが、決してそれだけではない魅力があるのだ。
4シリーズ等に採用された縦長巨大キドニーグリルには拒絶反応もあるが、いずれ誰もが「カッコイイ!」と言うようになるだろう(断言)
BMWは、クリス・バングルによる「鷹の目」5シリーズや「犬顔」7シリーズ、あるいは「カピバラ」2シリーズツアラー系など、物議をかもしたデザインも少なくなかった。だが、最終的にはすべて受け入れられている。近年のキドニーグリル巨大化も、一部マニアから嫌悪感を示されつつ、一般ユーザーは問題にしていない。
BMWはカッコ悪くても、BMWであるがゆえに許され、最終的には「カッコイイね!」となってしまうのだ! 凄いぜ、BMW!
【BMWの素晴らしさ その03】「信頼性」もアップした!
●新車から10年以内ならそれほど心配ナシ!
20年くらい前まではBMWの信頼性はかなり低く、修理代も高くついたが、現在は故障そのものが激減。10年落ち以内ならまず問題ナシだ
かつてBMWの中古車は、爆弾を抱えて走っているイメージだったが、現在は信頼性が向上し、日本の気候下でもトラブルは非常に少なくなった。もちろん国産車よりは故障するし、世界的に見て、それほど信頼性が高いわけではないけれど、クルマ好きなら許容できる範囲内! 生産から10年以内なら、まず大丈夫だ。
【BMWの素晴らしさ その04】「リーズナブルな中古車」まである!
●新車の軽よりずっと安く買えてしまう!
筆者の先代3シリーズ(320d)は3年落ちで新車価格のほぼ半額(235万円)だった。この値段でエリートの乗り物が買える。スバラシイ!
BMWは、つい数年前まで新車が大幅値引きで売られていたため、中古車相場が相対的に低い。特にセダン系は3年ごとに半額、半額になるくらいの勢いで、もの凄くお買い得だ。
新車は高くて手が出なくても、中古なら日本人の平均的所得で充分買える! なにしろ、ヘタすりゃ軽の新車より安いんだから!
■まとめ
清水氏によるスティーヴ・ジョブズも真っ青の完璧かつ感動すら覚えるプレゼンテーションBMWの素晴らしさが伝わったことと思う。明日、明後日にかけては「ギリギリ500万円台で買える新車」「100万から300万円台でエリートになれる中古車」について、さらにさらに熱く語ってもらう。ぜひご覧ください!
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みんなのコメント
私もBMWオーナーですが、自分をエリートと思ったことはないです。地方都市なので、小金持ち程度には見られてると思いますが。大都市なら、貧しくはない程度でしょう。
単に、見掛け倒しのトヨタ車より、走る止まる曲がるの基本がしっかりしているから、運転してて楽しいし、家族も乗り心地が良いと喜んでくれてます。
エアコンの効きや雨に対する処理などはクラウンなんかと比べると劣るので、走りを気にせず単に使い勝手だけをみたら、日本車の一定以上の車の方が便利で快適かもね。