日本一マニアック(?)なエグザンティア
text:Takuo Yoshida(吉田拓生)photo:Koichi Shinohara(篠原晃一)ここを訪ねる人は勇気や好奇心が旺盛な人に違いない。
【画像】懐かしい? 取材したエグザンティアのディテール 全42枚
茨城県下妻市にあるモダンサプライガレージの筑波ファクトリーは、一見廃車になってしまったシトロエン車のジャンクヤードのように見える。
だがひとたびエンジンに火が入ると、地面に這いつくばっていた車体がムクムクと起き上がり(車高が高まり)はじめ、生気をみなぎらせるのだ。
モダンサプライがストックしているエグザンティアは実走可能なものから、部品取りまでけっこうな数が存在する。中でも今回のお目当てである1995年式、シルバーのSXは最も魅力的な1台といえる。
日本に正規輸入されたエグザンティアは全てATモデルだが、この個体は過去のマニアックなオーナーの希望により5速マニュアル・トランスミッションに換装されているのである。
オドメーターに刻まれた23万kmという走行距離も、この個体がシトロエン・マニアを惹きつける強い魅力の持ち主であることを裏付けている。
さっそくキーを捻り、エンジンを掛けると、すぐさまベタベタだった車高が変化しはじめる。
「血圧」が上がるまでの間、少しだけ待つのはハイドロ・シトロエンのたしなみである。メーター脇のチェックランプが消えたことを確認して、走り出してみる。
シートとサスが極上の走り演出
シトロエンのクルマは例えスポーティモデルであっても上質な乗り心地が特徴となっている。
その要はハイドロだが、それ以外にフカフカとしていて良く沈み込むシートもシトロエンの味作りに貢献している。
ダッシュパネルの造形は平凡だし、メーターも普通の文字盤タイプ。エアバッグ付きのステアリングも、もはやシトロエン伝統の1本スポークではない。
そういった逐一の個性は希薄なのだが、布張りのシートは他のネオヒストリックと比べても突出して柔らかい。
クラッチをミートすると、柔らかいシートに腰かけたまま平滑なスケートリンクに滑り出したような不思議な感覚に包まれる。路面は軽くうねっているが、その上を走るエグザンティアはまっ平らな氷の上を滑走しているようにフラットな姿勢を崩さない。
ちょっとの段差はなかったことにしてくれるし、大きな段差は長いサスペンションストロークをめいっぱい使って滑らかに収束させる。
電子制御のエアサスがゴロゴロしている昨今だが、シートの感触を含めたタッチの柔らかさにおいては今なお20世紀のハイドロ・シトロエンに軍配が上がるような気がする。
このうえなく柔らかいのだが、車体の軽いので、少しもダルではないのである。
時間を超越したキャラクター
エグザンティアをしばらくドライブしていると、新車当時の記憶がよみがえってきた。
当時驚かされたのは、ハイドロの平滑な乗り心地がスピードを選ばないことだった。それこそスピードメーターの針が振り切りそうな領域でも、平滑さはそのまま矢のように直進する。
決してパワフルではないが、一旦スピードに乗ると巡航がとても楽チン。エグザンティアのこのキャラクターは、歴代のハイドロ・シトロエンに共通している。
今回のエグザンティアSXの特徴である5速マニュアルのギアボックスも、ハイドロのキャラクターに合っている。1速ずつエンジン回転を引っ張るより、次々とシフトアップさせることで、アシの感触にマッチしたゆったりした優しい加速感が楽しめる。
ハイドロ・シトロエンをドライブしたことがない人にとって、エグザンティアは平凡なDセグメント・セダンにしか映らないだろう。
だがその乗り心地がこの上ないものであることは、かのロールス・ロイスがシトロエンに頭を下げ、特許技術を使用する許可をもらっていたという事実が証明している。
日進月歩の自動車界だが、それでもなお新しいから良い、古いからダメと一概に言えないところに、ネオヒストリック車の魅力、存在意義があるのかもしれない。
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