SUVの人気はハンパではなく、世界の乗用車の半分がSUVというほど。各メーカーは流行に合わせてSUVを続々と発売し車種が溢れかえる今、本格派オフローダー3台をピックアップ!
※本稿は2023年5月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか、PHOTO/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2023年6月10日号
今や5割がSUV!! ランクルにジムニー……本格派の3台からひも解くSUVブームのワケ
■SUVは乗用車のメインストリームに……!!
SUVの高い車高は見渡しがよく爽快感があり、悪路を走る走破性は舗装路でももちろん発揮される
本音を言えば、悪路を走る趣味がない自分には、重くて重心が高くて空気抵抗が大きいSUVは「絶対買わない種類のクルマ」だった。
ところが最近のSUVは、重心の高さを感じさせない走りをする。重さと空気抵抗のデメリットも、速さへの欲求がさほどでもなければ、大きな問題じゃない。
速さが絶対善ではなくなった今、安全で力強いイメージのSUVは、男らしさやエリート感を演出する道具として、セダンやスポーツカーよりも優位に立っている、と感じる。
■セダンがそうだったように
いまや乗用車のメインカテゴリーとなったSUV。トヨタ ランドクルーザーなどは道なき道を走るオフローダーというイメージはもちろん、いまや高級車としての側面も持っている
おかげでSUVの販売台数は、今や世界の乗用車の半分を占め、ミニバンが強かった日本でも3割超え。SUVこそが、最も一般的な乗用車のスタイルになったわけだ!
SUVは乗用車のメインストリームだけに、モデル数は増えるいっぽうで、あらゆるサイズやキャラクターが揃ってきている。かつてセダンがそうだったように、現在のSUVはピンからキリまで選ぶことができる。
■人々の目が輝くSUV
ランクルよりも小振りな三菱 アウトランダーは取り回しもよく、押し出しの強い顔つきも人気だ
例えばランドクルーザー。キング・オブ・オフローダーの異名を持つSUVの帝王。ボディが四角いので取り回しは決して悪くない。走りはウルトラ重厚にして最上級に快適。見た目は戦車、室内は高級ラウンジなのだから無敵だ。ランクルに乗っているだけで人々の目は輝く。一種のスターである。
アウトランダーPHEVはランクルよりはぐっと小さく、全長は中型セダン程度。だが押し出しは強力そのもの。三菱のダイナミックシールドは、厚顔でこそ生きるアイコンだ。
その走りは超スムーズで、乗り味はジェントルかつ未来的だ。モーター主導ゆえに停止からの発進は極めて強力なので、日常的にマッチョ感を味わうこともできる。
■今後も増え続けるだろう
本格SUVでは最小級サイズとなるスズキ ジムニーシエラ。1.5Lエンジンと5MTの質素で無骨なフィーリングはかなり魅力!
そしてジムニーシエラ。最小級サイズだが、その存在感は最大限。シャシーはラダーフレーム、1.5Lエンジンは質素で無骨。5MTを駆使して走らせれば、ホンモノ感に打ち震える。スポーツカーで言えば、初代シビックタイプRみたいな感じか。それでいて快適性は必要十分に高い。素晴らしい。
EVはバッテリーを搭載するためSUVのカタチが定番という事情もあり、今後もSUV&クロスオーバーのモデル数は増え続けるだろう。いや、近い将来、SUV以外のクルマのほうが特殊な存在になる可能性が高い。SUVが世界を制するってわけだ!
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