ひと際目を引く個性派。軽量設計の純スポーツモデル
中国やアメリカという「大きなクルマを好む地域」が世界の2大自動車マーケットとなって久しいこともあってか、このところ多くのクルマのボディサイズが大型化している。
加えて最近目立つのが車両価格の上昇だ。排出ガス対策/燃費規制の厳格化や運転アシスト機能拡充への対応といった理由があるとはいえ、乗り出し価格が200万円に迫るKカーも珍しくない状況。こうした現実を目の当たりにすると、「新車は高くなった_」と感じるし、同感だというユーザーは、多いだろう。
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そうした中にあって、サイズ面でも価格面でもキラリと光る内容の持ち主が、スズキ・スイフトだ。中でもシリーズの頂点に位置し、イメージリーダーでもあるスイフトスポーツは、日本のコンパクトカー群の中にあって、ひと際目を引く個性派である。
運動性能の向上や海外市場での商品性も踏まえ、現行モデルの全幅は従来比で40mmワイドになった。それでも全長×全幅×全高3890×1735×1500mmのスリーサイズは、取り回し性抜群。ワインディングロードをはじめ、日本の道路環境にまさにジャストフィットする。MT/AT仕様ともに「1トン切り」を達成した軽量設計も特筆ポイントだ。
絶品のスポーツ心臓。走りの情熱が凝縮されている!
エンジンは1.4リッターターボ(140ps/230Nm)。ターボ化に関しては、一部には否定的な意見もあった。だが、実際にはいい意味で「ターボらしくない」フィーリングに仕上がっている。ステアリングを握れば、その魅力は即座に実感できる。
懸念されたターボラグはほとんどなく、排気量を従来の1.6リッターから1.4リッターにダウンしたにもかかわらず、低回転域でのトルク感も十分だ。
何しろ、MT仕様車は6速ギアで 40km/hを下回っている状態でも、アクセルペダルの踏み加えによって速度は徐々に上昇する。その際のエンジン回転数は、1000rpmを下回るほどにもかかわらず、だ。
同時に、高回転域にかけてのパワーの伸び感も満足レベル。いま以上に「スポーツ心臓」らしい味付けを求めるならば、残された課題は6300rpmに設定されたレッドラインを、あと500rpmほどは伸ばしてほしい、といったことくらいだろうか。
軽快感の強いハンドリング感覚は、まさに「軽さの勝利」という印象。コンパクトなボディと相まって、「クルマを着る」という表現がこれほど似合うモデルは珍しい。そのうえ価格は、200万円を切っている。
スイフトスポーツは、走りの情熱が凝縮されたビビッドな存在である。
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