現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【DS4】なぜDSオートモービルのクルマは個性的なのか

ここから本文です

【DS4】なぜDSオートモービルのクルマは個性的なのか

掲載 更新 6
【DS4】なぜDSオートモービルのクルマは個性的なのか

車の歴史 [2023.11.18 UP]


【DS4】なぜDSオートモービルのクルマは個性的なのか
文●九島辰也 写真●DSオートモビル

DSオートモビル「DS4/DS7」ブランドの世界観を表現した特別モデル発売

 このところ立て続けにフランス車に乗りました。インポーターの広報車です。いろいろなメディアが今フランス車に注目しているのか、もしくは単なる偶然かわかりませんが、とても濃い一週間になりました。ちょっと得した気分です。
 ステアリングを握ったのは、DS7、DS4、プジョー2008、ルノーアルカナです。DS7とアルカナは何度か走らせていますが、DS4、プジョー2008の最新モデルは初めて。その進化に驚きました。特にDS4のインターフェイスはユニークですね。フランス独自のロジックがてんこ盛りです。
 フランス車の魅了はその独自のロジックにあります。デザイン、ハンドリング、乗り心地は、という解説に、「フランス車ならではの……」という枕詞がつきます。もちろん、それぞれの国に個性はありますが、フランス車はより味が濃いといったところでしょう。
 デザインの特徴は有機的、動的となります。プジョーに代表される「猫っぽい」ところが印象的です。戦後のフランス車はコンパクトハッチバックに代表されますが、「可愛らしさ」が際立ちます。リアエンドのシルエットなどはそんな感じです。


DSオートモービル DS4
 変わり種はシトロエンで、その派生となるDSオートモービルはそれを色濃く受け継ぎます。デザイン全体が前衛的で、スイッチ類はかなり大胆にデザインされています。今回乗ったDS4はその最たるもので、窓の開け閉めひとつとっても、カッコよくデザインされているものの使い勝手はあまりいいとは言えません。もちろん、彼らが目指したのはそこです。90年代以降利便性ばかり追求されてきましたからとても新鮮です。


DSオートモービル DS4
 DSオートモービルのクルマが個性的な理由は誕生の背景にあります。このブランドの礎となるのは1955年にオートショーで発表され話題となったシトロエン DSだからです。まるで宇宙船のようなスタイリングは観る者を魅了しました。すぐにヨーロッパ中のディーラーに「いつ発売されるのか?」と問い合わせが殺到したそうです。


1955年のパリサロンに展示されたDS
 よってDSオートモービルが繰り出すクルマのデザインはそのテイストが注がれます。具体的にどうという意味ではなく、その前衛的なセンス、つまり、アヴァンギャルドというワードが表現されます。デザイナーはそれをデザイン言語化し、線を描きます。
 それと同時に、このブランドの誕生は「高級フランス車の復活」の意味も含んでいることを付け加えましょう。前述したように近年のフランス車はコンパクトハッチバックを中心とした大衆車がメインとなっていますが、かつてはいくつも高級車ブランドがありました。メジャーだったのはドライエ、ファセル、ブガッティなど。フランス貴族の愛車です。1955年に誕生したDSもロングホイールベースをフランス大統領車にするなど高級なイメージを持っていたことがあります。その意味では近年では数少ない高級車だったことは明らかです。

 フランス流ハンドリングはプジョーに乗ると体感できます。小さなボディが小気味よく動きます。足まわりとパワステのセッティングが絶妙なのでしょう。重すぎることなく、定まります。それに手のひらのフィーリングもグッド。路面と接地するタイヤの動きがフィードバックされるような感覚を得ます。なんなんでしょうこれ。ハンドリングフェッチにはたまりません。
 そして他に類を見ないのが乗り心地。かつてフランス車は「雲の絨毯」と形容されていました。サスペンションのチューニングが独特で伸び側のストロークを長く取ります。ちょっとやそっとの凸凹はダンパーとバネで吸収してしまう手法です。よってキャビンは常にフラット。実体験ですが、昔のフランス車は助手席でメモを取ることが出来ました。当時の日本車はほぼ無理だったのに……。
 そこを特徴とする背景にはフランスには石畳の道が多いことが関係します。「道がクルマを育てる」なんてフレーズがありますが、まさにそのいい例です。ドイツにはアウトバーンがありますから、ああなります。


プジョー 2008
 今回の4つのモデルはどれもかつてのフランス車に近い乗り心地でした。特にプジョーはそれを強く感じました。というのも、彼らは一時期ドイツ車を目指したので、“らしさ”がスポイルされたんです。207や307あたりかな。VWゴルフをベンチマークにして開発していました。でも、今は自分達のスタンスに立ち返っています。「フランス車はフランス車らしく」といった結論ですね。
 ということで、今回は現在のフランス車について徒然なるままに書きました。最近のフランス車に乗られていない方はぜひその唯我独尊ぶりをご堪能ください。

こんな記事も読まれています

えっ、あそこで折り返し?! 京急電鉄が引上線・待避線ツアーを企画
えっ、あそこで折り返し?! 京急電鉄が引上線・待避線ツアーを企画
レスポンス
鶴・桜・月夜に吉祥文様! アライ「RX-7X ツバサ」が2024年2月発売予定、最高峰フルフェイスに大胆な新グラフィックが登場だ!!
鶴・桜・月夜に吉祥文様! アライ「RX-7X ツバサ」が2024年2月発売予定、最高峰フルフェイスに大胆な新グラフィックが登場だ!!
モーサイ
国内タクシー会社の1割超が直近10年で「人手半減」の事態に
国内タクシー会社の1割超が直近10年で「人手半減」の事態に
@DIME
違反してしまった…! 「口頭注意」と「切符を切られる」2つのケースが存在! 何が違う? 取締りの実情とは
違反してしまった…! 「口頭注意」と「切符を切られる」2つのケースが存在! 何が違う? 取締りの実情とは
くるまのニュース
ホンダ「グロム」 外観を刷新した新型モデルをタイで発表
ホンダ「グロム」 外観を刷新した新型モデルをタイで発表
バイクのニュース
エンジン冷却をより効果的に! スポーツクーラントとラジエーターキャップの絶妙コンビネーション~カスタムHOW TO~
エンジン冷却をより効果的に! スポーツクーラントとラジエーターキャップの絶妙コンビネーション~カスタムHOW TO~
レスポンス
ホンダ、フィットなど14車種53万台に改善対策…電動サーボブレーキシステムに不具合
ホンダ、フィットなど14車種53万台に改善対策…電動サーボブレーキシステムに不具合
レスポンス
世界初、フル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」2023年12月8日より発売開始
世界初、フル電動ラフテレーンクレーン「EVOLT eGR-250N」2023年12月8日より発売開始
カー・アンド・ドライバー
トヨタ ヤリスクロス GRスポーツ【3分で読める国産車解説/2023年版】
トヨタ ヤリスクロス GRスポーツ【3分で読める国産車解説/2023年版】
Webモーターマガジン
WRCランキング2位のエルフィン・エバンスが負傷。FIA表彰式欠席の理由をSNSで明かす
WRCランキング2位のエルフィン・エバンスが負傷。FIA表彰式欠席の理由をSNSで明かす
AUTOSPORT web
SHOEIが12月21日発売「ネオテック3」のサイズラインナップを拡大、一部サイズは来春発売予定
SHOEIが12月21日発売「ネオテック3」のサイズラインナップを拡大、一部サイズは来春発売予定
WEBヤングマシン
トヨタ新型「ステーションワゴン」発表! 鮮烈“オシャグリーンカラー”登場に反響も! 新「カローラ ハッチバック&ツーリングスポーツ&セダン」欧州に登場
トヨタ新型「ステーションワゴン」発表! 鮮烈“オシャグリーンカラー”登場に反響も! 新「カローラ ハッチバック&ツーリングスポーツ&セダン」欧州に登場
くるまのニュース
ホンダが2024年のCESで新型のグローバルEVシリーズを公開
ホンダが2024年のCESで新型のグローバルEVシリーズを公開
@DIME
新型スイフトにMT車あり!でも欧州チューニングの「RS」や1Lターボの「RSt」はなぜないの?
新型スイフトにMT車あり!でも欧州チューニングの「RS」や1Lターボの「RSt」はなぜないの?
ベストカーWeb
マニアだけが知っている! セドリックパトカー4つの魅了ポイント
マニアだけが知っている! セドリックパトカー4つの魅了ポイント
ベストカーWeb
ホンダ「ADV160」【1分で読める アドベンチャーバイク紹介】
ホンダ「ADV160」【1分で読める アドベンチャーバイク紹介】
webオートバイ
高級車の定番といえば「七宝焼エンブレム」! やはり「日本の伝統」だけに永久に不滅なのか!?
高級車の定番といえば「七宝焼エンブレム」! やはり「日本の伝統」だけに永久に不滅なのか!?
ベストカーWeb
純白の車内が個性的! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
純白の車内が個性的! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

6件
  • 個人的には外装はシトロエンとあべこべな感じ。
    プレミアムアバンギャルドとして売るなら、シトロエンのデザインをDSで
    冷静に見るとプジョーよりも地味なDSデザインは大衆車たるシトロエンに見える。
    内装は高額ドイツ車もびっくりの凄いデザインで立派
  • アクが強かった頃の元ハイドロニューマチック乗りに言わせると、「プジョーと変わらない」。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

425.4563.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.0478.8万円

中古車を検索
DS4の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

425.4563.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.0478.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村