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大クラッシュから2カ月。山野哲也とOHLINS Roadster NATSが富士24時間出走へ「『もう大丈夫だ』と確信を持てた」

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大クラッシュから2カ月。山野哲也とOHLINS Roadster NATSが富士24時間出走へ「『もう大丈夫だ』と確信を持てた」

 3月に鈴鹿サーキットで行われた2023年スーパー耐久シリーズ第1戦決勝レース終盤に大クラッシュを喫したOHLINS Roadster NATSの山野哲也。あれから約2カ月に渡って治療が続けられてきたが、5月26~27日に富士スピードウェイで行われる第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』の決勝レース出走への目処がついた。

 5時間耐久レースで争われた第1戦鈴鹿では、レース終盤にDIXCELアラゴスタNOPROデミオと激しいトップ争いを演じていた最中、130Rを過ぎたところで接触し、山野が駆るOHLINS Roadster NATSはバランスを崩して日立Astemoシケイン手前のイン側にあるガードレールに激突した。

iCraft スーパー耐久2023 富士24時間レースでの参戦体制について

 クラッシュ後に山野は病院に搬送。全身打撲と肋骨骨折の診断を受け、脳にも“気になるところ”があったとのことで、事故翌日に再度MRI検査と精密検査が実施され、幸い異常はみられなかった。退院後は地元近くにある総合守谷第一病院で経過観察を行っていた。

 その後山野は、4月には全日本ジムカーナ選手権にも復帰し、第2戦広島大会で復帰戦優勝を飾る活躍をみせた。骨折していた肋骨も順調に回復していたのだが、目まいの症状だけが消えておらず、大事をとって今回の富士24時間レースでは決勝での走行義務が発生しない“Fドライバー”として登録されていた。

 山野本人も「レースウイーク中に何度か試しに走行してみて(決勝でスティントを担当するか)決めたい」と話していたが、木曜日の専有走行と金曜日の公式予選を終え、体調面でほぼ問題ないことが確認され、決勝では3スティントを担当する予定でいることを明らかにした。

「火曜日に(サーキットに)来てから、時間としては10分くらいの走行から始めて、昨日(木曜日)は45分の走行に臨んで、走り終えたときに目まいが出ていないので、猪爪監督に『走ってもいいですか?』と言い、許可をもらいました」と山野。ゴールデンウイークが明けたころの段階では目まいの症状が酷かった様子だが、そこから富士24時間出走に間に合わせるため、さまざまな可能性を探って回復に努めたという。

「(退院後も)病院に行ってMRIなどでスキャンをしていろいろと調べたり、体を治すために整骨院にも行ったりして、いろいろな部位を治していきましたけど、目まいだけが変化なく残っていました。これは『首や脳からきている目まいではないな』と思い、耳鼻科に先週行ったのですが、そこで『良性発作性頭位めまい症』という診断を受けました」

 通常ならば、安静にして治していくというのが一般的な例のようだが、それだと富士24時間出走には到底間に合わない。そこで山野は「どうすれば治るかということで、自分も家に帰ってからインターネットでたくさん調べました。それで7割くらいの人が治ったという治し方を見つけました。(富士24時間まで)時間がないので、とにかくそれを試したのですが、すごく良くなりました」とのこと。その治療法のおかげか、今週に入ってから目まいの症状が軽減された。

「めまいの症状が出ていた期間が2カ月くらいあったので、船酔いの後みたいな感じで(症状が)なくなったとはいえ、目が回っているように感じてしまっていました。そこは気になっていました。実際に火曜日と水曜日に乗ったときも、クルマに乗ったときは良いけれど、降りた後が少しフワフワしてしまっている感じでした。でも、木曜日に45分くらい走行し、マシンを降りた後に何も起きなかったので『もう大丈夫だ』と確信を持つことができました」

■車両は新たに製作。ギリギリの状態で富士24時間に間に合わせる
 一方、マシンの方も富士24時間に間に合わせるため、急ピッチで修復作業が進められた。第1戦鈴鹿でのクラッシュにより、車両は全損の状態で使用できるパーツはなかったとのこと。そのため、車体やパーツを取り寄せ、一から新しく製作することになった。

 おもにチームスタッフを中心に、日本自動車大学校(NATS)の生徒も協力して作業が進められた。徹夜になることはなかったというが、ゴールデンウイークも返上し、ほぼ休みのないスケジュールで組み立てられたマシンはレースウイーク前の日曜日に完成。火曜日に富士スピードウェイでのシェイクダウン走行にこぎつけた。

 まさに、すべてがギリギリという状態で富士24時間参戦に間に合わせたOHLINS Roadster NATS。山野は「富士24時間に勝つという、チームのなかで果てしなく高い目標があったので、チームもクルマ作りを頑張ってくれましたし、僕自身も身体の回復にすべてを注ぐことができました。金曜日の予選を終えられて、少し安心しているところです」と安堵の表情をみせた。

 なお、療養期間中も多くのファンから温かいメッセージが届いたことに深く感謝している山野は、最後に「本当にファンのみなさんから無償の愛とメッセージを多くいただきました。本当にありがとうございます。第2戦富士のピットに、車両とともに全ドライバーが戻ってくることができました。感謝しかないです」とコメント。

「こうして走れることが分かったので、少しでもみなさんの期待に応えられるよう、4月から新しく入ったNATSのメカニックとともに全力で頑張りますので、ぜひ応援してください!」と意気込みを披露した。

 ST-5クラス5番手で予選を終えたOHLINS Roadster NATS。マシンは組み上がったばかりでまだ走り込めていないが、大きなトラブルもここまで出ていないとのことで、決勝レースでの力強い走りに期待がかかりそうだ。

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みんなのコメント

1件
  • 復帰おめでとうございます!
    富士での活躍を期待しています!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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