アウディ車は2020年度に約170万台を販売
困難なビジネスイヤーであった2020年においても、アウディは持続可能でネットワーク化されたプレミアムモビリティのプロバイダーに変革すべく精力的に推進している。そのタイミングで新型コロナウイルスのパンデミックの影響が直撃し、上半期は販売台数と売上高が大幅に減少したが、第4四半期を含む下半期の好調によって2020年の売上高は約500億ユーロを記録した。
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特別項目計上前の営業利益は27億ユーロ、同じく特別項目計上前の売上高営業利益率5.5%を達成した背景には、フォルクスワーゲングループのシナジー効果に加え「アウディトランスフォーメーションプラン(ATP)とAudi.Zukunftが重要な財務的貢献を果たした」と発表。ネットキャッシュフローは46億ユーロという数字で依然としてアウディの強みになっているとし、継続的なコスト及び投資の規律と、約15億ユーロにのぼるフォルクスワーゲングループ内の株式の売却が後押しした。
アウディAGのマルクス・ドゥスマンCEOは、この会計結果に対し次のように述べている。
「アウディは、昨年の課題に断固として立ち向かい、危機からより強く立ち上がるために必要なことをすべて行いました。コロナ・パンデミックの世界的な影響は、我々のビジネスに決定的な影響を与えました。世界のすべての地域で自動車の需要が落ち込んだ後、年の後半にはまず中国で、次に欧州と米国で、市場に安定性が戻ってきました。第4四半期には、記録的な販売台数を達成して1年を締めくくることができ、当社の歴史上最も成功した四半期となりました」
「2020年度の特別項目計上前の売上高営業利益率は5.5%となりました。この成果は、コロナ・パンデミックの際の責任ある危機管理と、何よりも強力なチーム力の賜物です。私はアウディの従業員の変化への意欲と柔軟性を喜ばしく思います」
2020年のアウディブランド車の総納車台数は、169万2773台(2019年:184万5573台)を記録。前年比で約8%の落ち込みは、世界市場全体における約15%の落ち込みよりも大幅に低く、困難なスタートでありながらも市場は大幅に回復した。2020年第4四半期に50万5583台の販売台数を達成したアウディは(2019年第4四半期:48万8471台)、会社史上最も成功した四半期で会計年度を締めくくったことになる。このように2020年に向けて最終的に大きな盛り上がりを見せた理由は、全社を挙げた積極的なコロナ危機管理と、中核市場の顕著な回復にあり、さらにデジタル販売やサービスの拡大を通じてコロナ・パンデミックの課題に柔軟に対応した結果と見られる。
電動化への推進をより強化
2020年には、トップレンジモデルとSUVモデルが特に好調な販売を続け、特にQ3とA6の販売台数は前年に比べてそれぞれ18.1%、11.8%増加している。フルEVであるe-tronは、e-tron スポーツバックと合わせてドイツのプレミアムメーカーが世界で最も多く販売した電気自動車となり、需要は前年に比べて約80%増加。e-tronシリーズはアウディが掲げるCO2排出量の目標達成に大きく貢献している。また、アウディスポーツの2020年の事業年度は、販売台数が前年比16.1%増となり、過去最高の結果を達成した。
アウディは、e-ロードマップを積極的に推進し、2021年にはフルEVのモデル数を倍増させ、PHEVの攻勢も強化していくと発表。その戦略的アプローチは今後5年間の投資計画にも表れており、予測される総投資額350億ユーロのうちほぼ半分が将来技術に投入され、そのうち約150億ユーロがエレクトロモビリティとハイブリッド化のためだけに使われる予定だ。
2025年までにフルEVを20車種投入予定
2021年には、新たに導入されるモデルの半数以上を初めて電動化するとし、2月のアウディ初のオールエレクトリックモデルであるe-tron GTのワールドプレミアを皮切りに、2021年半ばにはQ4 e-tronとQ4 e-tron スポーツバックがすでにスタートラインに立っている。これらのモデルにより、アウディのカスタマーは人気のコンパクトカーセグメントで初めてアウディの電気自動車が入手可能になる。
さらに、アウディはPHEV(プラグインハイブリッド)のラインナップを強化しており、今年は内燃機関のシリーズの半分にPHEVモデルを加える予定だ。さらに2025年までに20モデル以上のオールエレクトリック車の市場投入を計画中で、PHEVポートフォリオの大幅な拡大を推進していく。
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