「スタートでガシャンとやっているのを、後ろから観戦しようかなくらいの感じで思ってます」
6月15~16日に行われる決勝を残すのみとなったWEC世界耐久選手権第4戦『第92回ル・マン24時間レース』に参戦する、トヨタGAZOO Racingのチーム代表兼7号車GR010ハイブリッドのドライバーである小林可夢偉は、決勝前のZoomインタビューセッションで日本メディア向けに抱負を語った。
アタック失敗の可夢偉を立ち直らせた1本の電話「気負わず、思いっきりやってくれ」/ル・マン24時間
■「誰が実際に速いの?」23台のハイパーカーが争う決勝はどうなる
しかし可夢偉の口調からは、後ろ向きな印象はまったく伝わってこない。それは、これまで行われた4度のフリープラクティスと予選で感じた手応えと、これまで8度のル・マン24時間レースを戦ってきたからこその勝手知ったる心構えなのだろう。
予選では、可夢偉自身が担当したアタックで「ちょっとハンドルを切るタイミングが早すぎて、縁石に乗り上げて」しまいスピン。その結果7号車は、赤旗の原因を作ったとして全ラップタイムが抹消となり、決勝はハイパーカークラスの最後尾となる23番手からスタートすることになったが、可夢偉自身は落ち着いて今年の決勝レースを見据えている。
戦闘力の基盤となるクルマのパフォーマンスについては、「調子は悪くないと思っていて、(決勝も)戦えると思っています」と手応えを口にする可夢偉。
「予選も、あのアタックはタイヤの美味しいときではなかったのですが、それでもトラフィックさえなければまだまだコンマ5秒くらいは上げられたはずなので、充分いいところは狙えていたと思います」と、一発の速さでも陰りはなかったと感じている様子だ。
そのポテンシャルは、計23台が最高峰クラスにエントリーするという、トヨタがTS030ハイブリッドでル・マン挑戦を再開した2012年シーズン以来もっとも熾烈な戦いとなるであろう今年の決勝レースで、充分な武器になると見ている。
「これだけ競争が拮抗していると、『誰が実際に速いの?』っていうのがまったく読めないんです」
「ポルシェも速いとは思うんですけど、あれ、キャデラックも速かったの?何だったらアルピーヌも速いの?みたいな感じで、“ノーマーク勢”も速くなっている」
「なので今年のル・マンは、チームと『こういう時はどうする』というコミュニケーションを本当に密に取りながら走り切るというのが、決勝を戦う最低限の条件だと思います」
「そこにパフォーマンスがないと、もちろん『優勝』という文字は見えてこない。いろんな意味で今年はハードルが高そうなル・マンだなと思いますが、ちゃんとレースを組み立てて、そこにパフォーマンスがあるクルマさえあれば、正直全然戦えると思っています」
クルマへの自信を語る可夢偉代表からは、『まだ何も始まっていない』と言わんばかりの冷静さも感じられる。それは、走行セッションのない金曜日だからこその悠々たる落ち着きなのかもしれないが、7号車が勝つためには必要不可欠な要素でもあると言える。最後尾からの勝利を目論むなかで、可夢偉は次のように締めくくった。
「23台もいると、(最終的に)リードラップには10台くらいしか残らないですよね。クルマにちゃんとペースがあって何も失敗しなければ、僕たちが抜かないといけない台数は限られてくるはずです」
「あと、今週は路面コンディションがあまり良くないので、かなりチャレンジングなレースになると思います。逆にこういう時って、『ここで自分が魅せてやろう』と考えるとんでもないドライバーがたくさんいるはず。」
「そういうところまでうまくコントロールしながら戦うとなると、今年は本当にいろんなことが起こりそうです」
「前からスタートすると、(ポジションを)守っていかないといけないという危機感がありますが、後ろにいると、じっくり様子を見て行こうかなぐらいの感じなので余裕は出ますよ。まあ気楽に、後ろから観戦しようかなと。」
■「バチバチ感が去年よりも強い」と平川
一方、11番手から決勝を戦う8号車に乗る平川亮は、「優勝しか目指していない」と自身3度目のル・マン24時間レースへの意気込みを語る。
「チームの誰しもが去年(2位)のリベンジを果たすべくやってきているので、優勝以外リベンジとは言えないですね」
雨予報もあるなど、日差しが少ない天候が予想されている決勝については、どのチームが速いのかは「予想がつかない」としつつも、自陣営の走らせるマシンの走行ペースには自信があるという。
「天候の関係もあって決勝は寒そうなので、僕らはソフトタイヤを使うのがメインになってくるかなと思います」
「ただ寒いコンディションは、僕らトヨタには良いのではないかと予想しています」
「夜も、普通のコンディションになれば僕らは悪くないですね。FP4を見ている限りでも、正直言うとかなり良いです。ただ、雨になってくると生き残ることが大事になるので、どれくらい攻めるのかが勝負ですね」
多種多様なメーカーのマシンが接戦を繰り広げた予選を見ても、どのチームがペースで優位かというところがはっきりとは見えない今年のル・マン24時間。そこで戦況を左右する要素として、平川はチーム力を挙げる。
「レースで大事になるのはタイヤ交換ですね。とくに今年は、テストデーやフリープラクティスを見ていても、かなりペナルティが多いです。少しでもマシンの停止位置がストップエリアを超えていると、ペナルティを課せられている印象です」
「どれだけ正確に、早くできるかというところが大事になってきます。あとは戦略という意味ではピットに入るタイミングはもちろん、雨ならスリックとレインを変えていく選択が大事になりそうです」
昨年の第6戦富士6時間の現場では、「今のハイパーカークラスは、実はタイヤ交換でかなりの差がついています」と語り、そこがTGRの武器になっていると口にしていた平川。また、今年の第2戦イモラでは雨を味方につけた僚友7号車が勝利を飾るなど、チームとしても変化するコンディションへの対応には良い戦果があり、決勝への自信の源にもなり得るだろう。
「今年は、去年よりも勝ちたいと願っているライバルが多いので、プラクティスでコースを走っていても、バチバチ感が去年よりも強いです」
「そこで負けないように、ここまで長くやってきたチーム力で結果を出していきたいですね」
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