『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、12カ月定期点検で判明したトラブルにかんするお話。
冷却水が漏れていました
12カ月定期点検を受けるべく、わが360モデナをフェラーリ横浜サービス・センターに持ち込んだ。
前話:Vol.61 純正サスペンションを紛失!?
まずは担当者が目視で傷をチェックしていく。そのあと、作業中に傷がつくのを防ぐため、ドアハンドルなどに保護テープを丁寧に取り付けていく。
12カ月定期点検の費用は9万6800円。内容はエンジンまわりやベルト類などのチェック、フェラーリ専用テスターによる各システム点検、ホイールボルトの締め付けなどが含まれる。
「ちょっと高いなぁ……」と、最初は思ったものの、複雑なアンダーパネルの脱着を見て、妥当な金額なように思えてきた。
外したアンダーパネルには青緑色の塊が。「冷却水が漏れていますね」と、高橋忠久工場長が話す。
「トラブルですか?」
「はい。オイルシールの劣化が原因かもしれません」
がーん! 去年100万円掛けてきっちり整備したから、機関系は絶好調とばかり思っていただけに、トラブルは予想外だった。とはいえ、20年前のクルマだけに、オイル・シールなどの消耗品の劣化がもたらす冷却水漏れがあっても、それはそれで不思議はない。
ただし、漏れている量からすると深刻なトラブルではないそうだ。たしかに、工場まではフツーに走れたし、水温計の針も100℃付近をつねに示していた。
「多量の冷却水が漏れた場合、水温計が適温より大幅に上昇するので、すぐに気がつきますよ」とのこと。
「修理費用はどれほど要しますか?」
「“それほど”は掛からないと思います」
フェラーリの“それほど”というのは、はたして……嫌な汗が出てきた。もし数十万円かかったらどうしよう……。
ちょっと古いフェラーリを所有するのであれば、この種のトラブルに動じない度量の大きさがほしいところだが、小心者の筆者は、修理費が気になってそわそわしてばかりだ。「新しいフェラーリだったら、この不安から解放されるのかもしれない……」との思いもそんな心境から芽生え、新車や認定中古車を検討したのだ。
「いったんお見積もりを算出いたしますので、少々お待ちください」とのことで、ひとまずショールーム内で待つことに。
Vol.59 認定中古車で迷う(後編)
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35万円分を取捨選択
高橋さんが持ってきた“概算見積書”は2枚にわたっていた。上から下までびっしり文字と数字が……。「お見積金額」のところには35万1098円!
「ご安心ください、あくまで“概算見積書”ですので」と、高橋工場長。ここには、フェラーリ横浜サービス・センターがオススメする作業も入っているそうで、それらは今すぐに作業しなくても良いという。
というわけで、高橋工場長との相談開始。まずはエンジンオイルの交換について。エンジンオイル&フィルターの交換で約4万5000円する。オイル量が10リッターだからしょうがないだろう。
エンジンオイルは購入時、販売店のGSTで交換した。2019年3月のことだから約1年4カ月前である。購入後の走行距離は4000kmちょっと。オイルの状態を調べると、それほど汚れていないというので今回は交換しないことにした。
次に、8000円のエアコンガス補充だ。エアコンの冷えが甘いことを相談したところ、提案された。とはいえ、補充したからといって冷えがよくなるとは限らないという。それに今夏は、フェラーリ・クラシケを取得するべく、愛車をしばらく工場に預けるので、暑い日には乗らないはず。といいうことで、これもやめにした。
Vol.48 ちょっと古いフェラーリのランニングコスト
冷却水漏れの修理費は?
実施した整備は、まずブレーキフルードの交換だ。フェラーリでは1年ごとの交換を推奨しているという。価格は約2万円である。
冷却水漏れについては、原因を特定するのに時間を要するとのことで、今回は暫定の見積もりになった。金額は約8万円。
内訳は、まずオイルシールが約3000円。これを交換するには、サーモスタットの脱着が必要で、約2万6000円。さらに、破損が疑われているホースは、2本交換する必要があるそうで、合計で約3万9000円。そして、冷却水が約1万6000円だ。
くわえて、高橋工場長からは「せっかくサーモスタットを脱着するのであれば、新品に交換しませんか?」と、提案された。訊くと、去年の車検時に劣化が気になったという。あとで新品に交換すると、また脱着費用が発生するから勿体ないとのこと。「それならば……」というわけで、交換することに。費用は2万円ちょっとだ。
結果、12カ月定期点検に伴う整備・修理に要する暫定費用は約22万円。高いのか安いのかよくわからない。いずれにせよ、安心してフェラーリに乗るためには必要な金額だ。
とはいえ、冷却水漏れの原因が確定していないから、あくまで“暫定”である。はたして22万円で収まるのか、それとも超えるのか……。来週以降、報告する。
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