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地を這う「シャコタン」ビートルも集結! 日本最大級の「VWミーティング」は敷居も低かった

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地を這う「シャコタン」ビートルも集結! 日本最大級の「VWミーティング」は敷居も低かった

約300台の「クラシック・フォルクスワーゲン」が全国から集結

 クラシック・フォルクスワーゲンの専門誌「ストリートVWs」(内外出版)が、毎年主催しているイベント「ストリートVWsジャンボリー」は今年で15回目。11月21日(日)に千葉県千葉市の「フェスティバルウォーク蘇我」で開催された。今や日本最大級のクラシックVWミーティングということで、全国からおよそ300台のVWが駆けつけた。

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「クラシックカー」の基本にして王道、敷居はとても低い

「フォルクスワーゲン・タイプ1」、通称「ビートル」は戦前のドイツで「国民車」としてポルシェ博士が設計し、戦後ドイツが復興する原動力となった歴史的なクルマだ。基本的な設計はそのままに1978年までドイツで生産され、さらにメキシコでは2003年まで製造されていた。

 つまり1938年の正式発表から数えてなんと65年にわたって作り続けられた超ロングセラーで、総生産台数は2100万台を超える歴史的ベストセラーでもあるのだ。

 それゆえかつての日本でも、おそらく一番よく見かける「外車」としてなじみ深い存在だったし、今でも乗っている人たちがたくさんいる。

 さらにビートルから派生した「タイプ2」、通称「バス」も今なお人気が高く、CMや映像の小道具として見かけることも多い。

 シンプルな構造なので機械の信頼性が高く、故障した場合に修理するのも今どきの複雑なクルマに比べればカンタン。アフターパーツも大量に流通しているため、クラシックカーとしては維持コストがかなり低く抑えられるのも、ファンが多い理由のひとつだ。

 近年の世界的な旧車ブームにともなってクラシックVWの相場も上昇傾向ではあるものの、購入後にフォローしてくれる専門ショップの多さ、パーツの多さ、そして相談できる仲間の多さから、クラシックカー趣味の入門として最適なことに変わりはない。

自分だけのスタイルを追求する「カスタム」は可能性が無限大

 いまはSNSなどで気軽に声をかけあうことができる時代。全国各地で、数台~数十台の規模のプチ・ミーティングも開催されていて、VWの仲間を見つけて交流するのもまた楽しい。

 今回の「ストリートVWsジャンボリー」のようなビッグイベントでは、全国から集まったオーナー同士で情報交換できるのはもちろんだが、普段はなかなか見られない「コダワリ」の詰まったクルマをまとめて見られるのも醍醐味といえる。

 愛車が製造された当時のオリジナルのスタイルを綺麗にキープしたり、「レストア」する方向で楽しむ人もいれば、豊富なアクセサリーで自分流に演出する人もいる。さらにホイールやタイヤを変えたり、車高そのものを変えたりして、自分の理想のスタイルへ「カスタム」する人もいる。

 とくにこういったイベントで展示して「カッコよさ」をアピールするために作りこまれたクルマは「ショーカー」と呼ばれ、会場の花形となる。

 この日「ベスト・オブ・ショー」を受賞した愛知県のTakaさんは、希少な1953年式のビートル、通称「ツヴィッター」を徹底してカスタムしてきた。しかもTakaさんは2019年の「ストリートVWsジャンボリー」では、これと同じボディカラーの1955年式ビートルで、やはり「ベスト・オブ・ショー」をゲットしている。

 パッと見は同じ「ビートル」だが、製造年が2年違うだけでも、細かい部分は少しずつ異なる。おのれの理想をさらに突きつめようと、細部に至るまで手抜かりのないストイックなカスタム道には脱帽するほかない。

クラブや仲間で情報交換し、グッズを集めるのもまた楽し

 VWのオーナー同士、地域や趣味の方向性などで「オーナークラブ」に入っている人もまた多い。SNSよりも少しだけ濃度の高いコミュニケーションができるため、困ったときに相談できるし、メンバーたちで一緒にツーリングやイベント参加を楽しむことができるのだ。

 そして大きなイベントでは「スワップミート」という、オーナー同士の個人売買も見逃せない要素だ。VWのパーツやアクセサリーはもちろん、マニュアルやミニカー、古雑誌からキーホルダーまで、多彩なフリマが展開されるから、カーマニアでなくても見て回って飽きることはないはず。

 ところで洋菓子の「モロゾフ」が毎年、バレンタインデーの時期に合わせて「ビートル」型のチョコレートを企画販売しているのをご存じだろうか? フォルクスワーゲン社との公式コラボで、毎年新しいデザインと企画を出してきている。

 会場でお披露目された2022年のバレンタインデー向け新商品は「トラベルビートル」と題して、リヤに旅行カバンを背負ったビートルのミニカーが付いてくる趣向。クルマ好きの人や、お子さん向けにも良さそうだ。

超シャコタンの「スラムド」ビートルに乗る22歳

 取材時22歳の杉山 陸さんは、親御さんが「シトロエン2CV」や「ボルボ240」に乗っていたこともあり、自然と小さなころから旧車好きに。18歳でフォルクスワーゲンの「タイプ3バリアント」(ステーションワゴン)に乗り始めて、2020年の秋、地元のVWオーナーから1960年式ビートルを譲り受けた。

 エアサスなどを使わず「生足」で車高を限界まで下げた「スラムド」スタイルのカスタムが施された個体だ。杉山さんはそのまま大事に乗り継ぎつつ、今回のイベントのためにホイールを変更。初代「ポルシェ911」が純正で履いていた「フックス(Fuchs)」社製ホイールを復刻したもので、クラシックVWのカスタムでは定番の逸品だ。

「カスタムの幅が広いので自然とVWに乗るようになりました。電装はあえて6Vのままで、ETCはUSBモバイルバッテリーから給電しているんです。足元に“ココマット”を入れてクリーンな雰囲気にしているので、インテリアはこのままオリジナルでいきたいです」

ビートル乗りのYouTuberさん、しかも新婚ホヤホヤ

 クラシックなキャンプサイトを会場内で再現していた1963年式ビートル。この日は広い会場ですれ違いでご本人に会えなかったが、オーナーは「みやぱちーの」という名前でYouTuber活動をしている29歳の青年だ。

 2020年6月にずっと夢だったビートルのオーナーになり、カノジョの「おいぱちーの」さんと一緒にYouTubeでワーゲンライフを発信。そして今年の春にめでたくご結婚され、新婚旅行ももちろんビートルで。その様子もYouTubeで見ることができる。

水冷VWの世界から空冷VWにデビュー

 新潟県の小野澤貴之さんは30歳。もともと、同じVWでももっと新しい「ボーラV6」を「スラムド」して遊んでいたが、壊れてばかりで苦労しているのを見かねた知人から「壊れにくくて安く直せる空冷VWで幸せに」と紹介され、地元のクラシックVWの集会に。そこでこの1964年式「タイプ3ノッチバック」(セダン型)を手放そうという人の話を聞いて、とんとん拍子にオーナーとなったばかりだ。

 かつてのオーナーの手によって油圧サスペンション(ハイドローリック)が組み込まれた「ローライダー」仕様で、車高を自在に下げることができる。さらにその次のオーナーの元で足まわりや内装が変更され「スラムド」仕様に。そうして小野澤さんの手元にやってきたという次第である。

「ホイールを変えて遊んでいきたいですね。ボーラとタイプ3と、新旧VWで楽しみたいです」

ベテランVWオーナーの足車は通称「マルニ」

 埼玉県の宮原美砂さんはご夫婦で長年VWライフを楽しんでいて、自宅は「バス」を収容できるようにガレージハウスを建てたほどのVW愛好家だ。

 こちらの1971年式ビートルは「1302」というモデル。それまでずっとビートルのフロントサスペンションは「トーションビーム」という方式だったのだが、この「1302」では現代的な「ストラット」サスペンションを採用して走行性能をアップデートしているのだ。

 オリジナルのペイントを綺麗に残し、アクセサリーのチョイスにも経験とセンスが反映された宮原さんのビートルには、日本を代表するクラシックVWショップ「フラット4」から賞が贈られた。

「いろんなVWを所有してきましたが、今はこのビートルと、1956年式バスの2台態勢で夫婦で楽しんでいます」

 ノーマルのまま乗っても、カスタムしても、楽しみ方はさまざま。クラシックカーとしての「趣味性」もありながら、ビギナーでもベテランでも安心して乗れるのは、歴史に残る「実用車」であるフォルクスワーゲンならではだ。

 写真を撮っているだけでも楽しいので、お近くで大小のVWイベントがあったら、気軽に見に行ってみてはいかがだろうか。

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みんなのコメント

8件
  • 低いのはライターの知能
  • >敷居も低かった

    ↑↑↑
    物書きの端くれならデタラメな言葉使いは
    止めて欲しいです。

    本当は『敷居が高い』
    意味は、不義理や面目のないことがあって、
    その人の家へ行きにくい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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