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東京の楽園はクルマに厳しい!? 整備士に誇りと憧れを……日産自動車大学校と自動車評論家がタッグを組んだ!!

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東京の楽園はクルマに厳しい!? 整備士に誇りと憧れを……日産自動車大学校と自動車評論家がタッグを組んだ!!

 東京都に属する八丈島。ダイビングや釣り、マリンスポーツなど観光名所としても人気の島だが、7000人以上の島民が暮らす島だ。ベストカーWebで八丈島を扱うからにはテーマは「島のクルマ」。ただそこには島ならではの過酷なクルマ事情が……。日産自動車大学校と自動車評論家がタッグを組んで八丈島のクルマたちに貢献するプロジェクトがスタートした。

文/写真:ベストカーWeb編集部

たった2世代で40年も生産された名車! 日本人よ!「サニートラック」を忘れるな!

■人口ひとりあたりの保有台数は「1台以上」

トロピカルな植生だがここは立派な東京都。もちろん警視庁管内で品川ナンバーだ

 八丈島は羽田空港から約1時間。担当も初めていったのだが、降りた瞬間「ここはハワイ島か?」と思いたくなるような絶景が広がる。シダ系の植物も茂る植生を見ていても東京都とは思えないほど(ここで『ジュラシックパーク』を撮影できたんじゃ!?)。

 そんな八丈島の移動手段はもっぱら自家用車だ。もちろんタクシーやバスもあるのだが、都心とは異なり完全に公共交通機関で生活するのは難しい。八丈島観光協会に取材したところ自動車の保有台数はなんと島民1人あたり「1台以上」という。

 1人1台のマイカーは当然のこと、仕事用に軽トラックや軽バンを持っているというのは一般的な八丈島のカーライフだ。そんな島民よりクルマのほうが多い八丈島、実はクルマにはなかなか厳しい環境になっている。

■「いくら手入れしてもどうせ錆びてしまうから」

島民の方の車両の一例。サビは整備工場などで簡易補修しながら乗り続けることが多いという。生活の相棒なのだ

 当たり前のことだが八丈島に限らず離島の周囲はぐるっと海。潮風や海水があたりサビやすく、特に漁業や水産関係の仕事に従事する人にとってはクルマは消耗品。新車を買うというよりは本土から 中古車を仕入れて、乗れるところまで乗るというのが「八丈スタイル」。

 島民の方に話を聞くと「どうせ錆びてしまうからねぇ」「移動距離が短いから距離がいった古い中古車で充分よ」との声が聞こえきた。なんたって八丈島をぐるっと周回する「八丈一周道路」でさえも総延長が約45kmだから、移動距離はさほど伸びない。

 かと言って整備が杜撰というわけではない。小さな島だが島内12カ所の整備工場があり、丁寧で地元に根付いた整備を提供している。ただ使用環境が厳しく車検などの定期点検だけではカバーできない故障もあるという。

 さらに近年増えている移住者の多くは、島内にディーラーがないこともありなかなか車両点検をする「馴染みの工場」が探せないなど、八丈島ならではの悩みも多いようだ。

■アップダウンが激しい島内道路

たった2年でここまでショルダーのトレッドが減ってしまう。余談だが製品のクオリティは高い大手メーカーのタイヤだ

 まず写真を見てほしい。2021年製造のタイヤなのだが、わずか2年ほどでここまでショルダーの溝が減ってしまった。当然前述のとおり走行距離はそんなに伸びていない。車検ごとにタイヤを変えてもこの状態なのだ。

 島の整備工場の方に話を聞くとセンター部のトレッドは比較的残っている車両が多いものの、ショルダーだけがとんどん削れる傾向にあるという。

 その要因のほとんどは島内の特殊な線形をした道路。箱根ターンパイクもびっくりなツイスティな道が続く。勾配は相当なもので、下りなどではかなりGをかけて走行しているドライバーが多かった。

八丈一周道路の線形。舗装は東京都だけあってきれいなのだが、島の地形に合わせた線形はかなりタフだ(AdobeStock_270751274)

 空気圧管理など日常点検を含めて、クルマの整備状況を少しでも安全に、確実なものにしたい。そこで八丈島に別邸を構えた自動車評論家の国沢光宏氏が声をあげた!!

 さらにさらに、整備士の養成をする日産自動車大学校とタッグを組み、学生たちを巻き込んだプロジェクトが始まろうとしている(もちろんベストカーも完全協力!!)。

■町役場や町議会議員、そして地元整備工場の協力

穴があくほどのサビも珍しくはない。もちろん気になるのだが、まずは「走る、止まる、曲がる」を確実にできるクルマが増える支援をしていきたい

 ザックリとプロジェクトの概要を説明すると、日産自動車大学校の1級自動車工学科(4年制)の学生たちが、実際に八丈島で島民の皆さんに対して日常車両点検を行う。

 学生たちは3年次時点ですでに2級整備士免許を保有しており、国家資格保有者として整備作業をすることができる。

 しかし実際のところは2級整備士の資格があっても、学校保有の実習車を使った学内の授業だけではコンディションにバラツキがなく、実践的な経験ができないという課題が学校側にもあった。

サーキットでの日産メカニックチャレンジでの学びとは少し違った学びが八丈島にはある!!

 学校側のニーズをヒアリングしていた国沢氏が八丈町議などに呼びかけ、島民の皆さんの車両を点検するイベントを実施するプロジェクトが立ち上がった。オイル残量、ブレーキフルード残量、タイヤ空気圧など日常点検項目をメインに実施する予定だ。

 あとここがミソになるのだが、部品交換が必要な際はカルテを作成し島内の整備工場を紹介する形をとる。定住されている島民にとっては安心した車両コンディションの維持になるし、移住者にとっては「馴染みの工場」を見つけるキッカケになる。

 地場の整備工場と島民の皆さんをつなぐ、島内の交通安全にもつながるイベントということで、整備工場からの許諾、自治体からの許諾も取り付けることができた。なんたって誰も損しない取り組みだ。

 もちろん百戦錬磨のディーラーメカニックを経験した教員もたくさん参加するから、安心感はディーラークオリティといっても過言ではない。今後教員によるテストイベントを実施し、2024年2月には学生たちによる八条島車両点検イベントを開催する予定だ。今後の続報を待たれたし!!

 最後になるが整備士不足は自動車業界のみならず社会的にも喫緊の課題。整備士の賃金を上げることにも注力しつつ、整備士が憧れの職業になってほしいと思う。メディアとしてできることを考えつつこのイベントを応援していきたい。

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みんなのコメント

4件
  • 整備士自体が底辺職に成り下がった
    整備工学校に莫大カネ払って卒業しても
    待っているのはブラック
  • 国沢か。
    数年で投げ出した自動車評論家養成学校の前科があるけどな。
    日産はこんなのと組むとは馬鹿なのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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