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【10年ひと昔の国産車 30】インプレッサ WRX STI スペックCは軽量化をはじめ走りに徹したモデルだった

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【10年ひと昔の国産車 30】インプレッサ WRX STI スペックCは軽量化をはじめ走りに徹したモデルだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「インプレッサ WRX STI スペックC」だ。

スバル インプレッサ WRX STI スペックC(2009年)
インプレッサSTIシリーズに、ファン待望の「スペックC」が復活した。今回試乗したのはツインリンクもてぎの南コース。スペックCだけでなく、ベース車のSTIも持ち出して比較してみることにした。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

スペックCにもエンジン制御を3つのモードで変えられる「Si ドライブ」が備わるが、もちろん「S#」で試す。コースに進入しアクセルを全開にすると、エンジンは軽やかに反応してトップエンドの8000rpmまで吹け上っていく。そのあっけなさは、逆に凄さを感じないほどだ。

この後STIに乗り換えたら、あれほどスムーズに感じたエンジンが、スペックCに比べるとちょっと鈍く感じられたほど。ちなみに最高出力308ps/最大トルク43kgmのスペックは同じだが、アクセルのツキが良いぶんスペックCの方がパワフルに感じられる。また、STIにはないインタークーラー ウオータースプレーが装備され、常に冷却された空気が吸気されるので、スペックCはエンジンのタレが圧倒的に少ない。

さらに、薄板ガラス、遮音材の排除、バッテリーの小型化、フロントフードのアルミ化などで50kgほど軽量化されている。これにより、とくにコーナーの切り返しなどでノーズがスッと向きを変えてくれて収束が早い。そして軽量化はブレーキの持久力に大きな効果をもたらし、連続したハードな走行でもSTIに比べると安定した効きを示す時間がはるかに長かった。

サスペンションとタイヤの違いは、コーナリングで際立った違いを見せる。STIもけっこう軽い身のこなしで、インプレッサの伝統を受け継いだ回頭性の良さを誇っているが、スペックCはさらに余計な動きを封じ込めた感じで、締め上げられたダンパーとSタイヤ並みのポテンザRE070で強固なグリップを見せる。STIは同じ245/40R18サイズのポテンザRE050Aを装着するが、RE070のグリップ力にはかなわない。このままでちょっとしたモータースポーツイベントなら十分に戦えそうだ。

走行フィールでは、とくにフロントまわりの剛性が上がっているのに加えて、ダンパーの伸び側がグンと上げられている感じでロールも小さい。そしてバネ/ダンパーの組み合わせの妙でステアリング転舵時のフロントの入りがいい。また前後のロールバランスは、サーキット走行によりマッチしている。とくにコーナーでリアの安定性が高く、旋回性能が高いのが印象的だ。

乗り心地は、これだけ締め上げられたサスペンションとSタイヤ並みのタイヤで快適なわけはないが、それでも予想以上に許容範囲に収まっていた。もともとSTIもタイヤの硬さを感じるほどなので、むしろ潔い硬さがスペックCらしくて良い。とはいえノイズはかなり大きく、ロードノイズ、パターンノイズ、風切り音、メカノイズ、あらゆる音が平均してSTIよりは大きくなって室内に入ってくるのはやむを得ないところ。

今回のテストでは、1周約1分弱のコースで1秒の差があった。これはけっこう大きな差だ。実際にステアリングを握れば、数字以上にそれを体感させられるだろう。

■インプレッサ WRX STI スペックC 主要諸元
●全長×全幅×全高:4415×1795×1475mm
●ホイールベース:2625mm
●車両重量:1450kg
●エンジン種類:水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:227kW<308ps>/6400rpm
●最大トルク:422Nm<43.0kgm>/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●10・15モード燃費:10.4km/L
●タイヤ:245/40R18
●当時の車両価格<税込み>:368万5500円

[ アルバム : インプレッサ WRX STI スペックC はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

6件
  • 勝つためのデザインなのに無知な信者が叩きまくった悲劇のマシン。
  • VABにもスペックCがあれば良かったのに最後まで出ないで生産終了になってしまった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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