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本命クリーンディーゼル上陸。世界の定番、最新VWゴルフのリアル実用度をユーザー視点で検証

掲載 更新 13
本命クリーンディーゼル上陸。世界の定番、最新VWゴルフのリアル実用度をユーザー視点で検証

本命ディーゼル登場! 燃費も力強さも満足

 最新の8th・VWゴルフ(ゴルフ8)の日本上陸から半年たらずで加わったTDIは、機能性と経済性が バランスした本命モデル。発売を待っていた人は多いに違いない。
 2リッター直4ディーゼルターボのスペックは150ps/360Nm。1.5リッター直4ターボを積むeTSIと最高出力が同じで最大トルクは110Nmも大きい。WLTCモード燃費は20.0km/リッター。eTSIの17.3km/リッターを2割近く上回る。

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 新しいTDIの特徴はクリーン性能。ツインドージングと呼ぶ最新のテクノロジーが採用された。これは2つに分けて直列に配置したSCR触媒コンバーターからアドブルーを注入することで窒素酸化物(NOx)を大幅に削減する機構である。加えて最新の排気浄化システムと各部の最適化を図り、窒素酸化物の排出量が従来比で最大80%削減された。

 ドライバビリティも大きく改善。従来のTDIエンジンよりもレスポンスが大幅に向上し、低い回転域から最大トルクと最高出力を発生するチューニングが施された。
 ガソリンのeTSIに採用された48Vマイルドハイブリッドが望外によかったので、モーター未装着のTDIは、ちょっぴり残念に感じた。しかしドライブして考えは変わった。
 最新TDIは、マイルドハイブリッドではなくても十分なドパフォーマンスが確保されている。これなら、コストをかけないほうが賢明に違いない。

 TDIの車両重量は1460kg。eTSIの1リッター車より150kg、同1.5リッター車比では 100kg重い。車検証によると前軸重が910kg、後軸重が550kgとややフロントヘビーとなっている。
 試乗開始後すぐに、ディーゼルとは思えないほど静かで滑らかな走りに驚いた。旧型ゴルフ7のTDIは、いかにもディーゼルっぽい音と振動が感じられた。それを思うと、隔世の感がある。車内で感じる音や振動は、ガソリンのeTSIと大差がない。
 欧州では「ディーゼルはもう過去の技術」扱いになったのかと思っていた。しかし、こうして完成度の高い最新のディーゼルに触れると、まだまだ可能性があるように感じる。

すべてにチャレンジング! 高い完成度で未来に向かう

 ゴルフ8はハンドリングもいい。動きが素直で一体感があり、トラクションも十分に確保されている。イメージしたラインを正確にトレースできる。フロントの重さを意識させられるシーンもない。おそらくこれには巧みなブレーキ制御が活用されているはず。各輪を個別に適宜制御して、走行ラインを整えていると思われる。
 TDIは、eTSIのR―ラインで感じられた乗り心地の硬さも払拭されていた。リアサスペンションが全車4リンク式という点はTDIの特徴のひとつ。その効果で、燃料タンク容量は51リッターが確保された。

 スタイリングはエアロ志向。一見してゴルフとわかるが、従来とは少々異質。フロント回りがガラリと変わり、これまでよりも低くワイドになって、BEVのIDシリーズに通じるフラットなデザインでまとめられている。
 ボディサイズは全長×全幅×全高4295×1790×1475mm。旧型比で30mm長く、10mm狭く、5mm低くされたのも空力のため。Cd値は従来の0.30から0.275へと1割近く向上したという。わずか10mmとはいえ全幅が1800mmを切ったことも、日本では大いに歓迎されるに違いない。

 インテリアは新鮮な印象。一気にデジタル化された。眼前に並ぶ大きなディスプレイは表示内容も斬新で、タッチの仕方でいろいろな機能を操作できる。ただし、いささか先を行き過ぎた印象もある。デジタルネイティブならすぐに慣れるのかもしれないが、相応の習熟が必要である。即座には使いこなせない。
 コンパクトなDSGのセレクターは好印象。誤操作の心配はない。インテリアはセンターディスプレイをドライバー側に傾けたり、加飾パネルやアンビエントライトを充実させるなど、きめ細かい配慮が行われている。デザイン面でもこれまでにないアイデアにチャレンジした成果が見て取れる。

 パッケージングは模範的。ボディサイズを有効に使い切り、大人5名がゆったり乗れる室内空間と十分な広さの荷室を確保した。シートが大型サイズで、見た目以上に座り心地に優れているのはゴルフの伝統。運転席の左足まわりの余裕が増したことや、このクラスながら3ゾーンフルオートエアコンが主要グレードに標準装備されたのも歓迎だ。
 ラゲッジルームは、これまでと同じように使いやすい。

 ACCの「トラベルアシスト」はセンサーが充実しており、きめ細かく車線を維持してくれるので助かる。タッチセンサーが静電容量式になったため、ステアリングを握っているのに警告が発せられる現象は解消された。
 ゴルフ8はすべてが新しく、チャレンジングだ。「ベンチマーク」と呼ばれるクルマが、ここまで革新的とは想像を超えていた。

通知表/VWゴルフTDIアクティブ・アドバンス 価格:7DCT 398万9000円

総合評価:74点

Final Comment

すべてが最新の世界標準
そつなくチャレンジングな実用HB

 全体的に高めの評価となったのは、それだけそつのない仕上がりだからである。とくに走りに関しては、「さすがの完成度」を感じた。一方、低めの評価となった項目には、それなりの理由がある。たとえば、インフォテインメント系の使い勝手はいまひとつ。慣れないと使いにくい。また、VWの右ハンドル車はおしなべてそうだが、アクセルペダルが左に寄っていてブレーキペダルとの段差が大きい。公表値に対して実燃費がよかった点には驚いた。

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みんなのコメント

13件
  • >大人5名がゆったり乗れる室内空間

    後席に大人3人がゆったりは無理があると思うんですが
  • VW、それもゴルフを持ち上げとけば
    クルマ通って顔は出来る
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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