F1マイアミGP、今後もナイトレース開催の計画はなし。一方でスプリントレース実施には前向き？

　2022年に初開催され、今季2回目のイベントを成功させたF1マイアミGP。このグランプリは今やF1カレンダーに定着した感があるが、ナイトレースとして開催することについては興味を持っておらず、その一方でF1スプリントを開催することについては前向きな姿勢だ。

　F1マイアミGPは、NFL（ナショナル・フットボール・リーグ）のマイアミ・ドルフィンズの本拠地であるハードロックスタジアムの周囲に張り巡らされた特別コースを舞台に、2022年に初開催。今年で2年目を迎え、いずれもレッドブルのマックス・フェルスタッペンが勝利をしている。

　今シーズンはラスベガスでもF1が開催予定であり、アメリカで年間3レースを開催することになる。同国でのF1人気沸騰を具現化した形だ。

　このラスベガスGPは、ナイトレースとして現地土曜日夜に開催される。しかしマイアミGPとしては、ラスベガスのようなナイトレース開催には興味を持っていないようだ。

　マイアミGPのマネージング・パートナーであるトム・ガーフィンケルによれば、マイアミGPをナイトレースとして開催することについては、F1側と議論が行なわれたという。実際に、ナイトレースを開催するほかのプロモーターにコンタクトを取ったようだ。

　ただその計画は、現時点では棚上げされているという。

「多くのプロモーターが、非常に協力してくれた。シンガポールやラスベガスだ。そして、我々にナイトレースをやらないか？　それに意味はあるか？　そういう話になった」

　マイアミGPノプレジデントであるテイラー・エップはそう語った。

「しかし、我々はそのことについてあまり深く分析しなかった。ある時点で、なぜそれをしなければいけないかということになったからだ。正当な理由が確実にあると判断できなければいけなかった」

「2024年にナイトレースを開催する可能性は非常に低い。でも、評価は続けていくよ。我々は常にファンの経験を向上させて方法を検討している。F1側が、これが我々にとって本当に効果的であると言うところまで至ったならば、放送という観点で言えば理に適っている。もちろん検討してみるよ」

　一方で、F1スプリントを開催する可能性については前向きであるようだ。実際、来季のF1スプリント開催候補地のひとつが、マイアミだと考えられる。

「我々は常に、スプリントレースに興味を持っている」

　そうエップ氏は語る。

「しかし、予選についても、我々は非常に価値のあるものだと思っている。我々は予選で見られる価値についても、大いに重要視しているんだ」

「伝統的な形式の予選について、素晴らしいフィードバックをもたらしてくれたファンがたくさんいる。しかし我々は、F1をサポートするためにここにいるので、スプリントレースを開催する機会があればそれを歓迎する。でも、それはF1をサポートするためだ。我々が積極的に推進しているモノではない」

　なおマイアミGPは、陸地に作られたダミーの海の上にボートを浮かべる”ダミーアリーナ＆ビーチ”も特徴のひとつだ。

　これについては、2024年にも継続の予定。ただ、ある時点で内容を刷新する必要があるだろうとも彼は認めている。

「遅かれ早かれ、物事を進化させなければいけない。しかしそれは、我々がこれを完全に捨てるというわけではない」

　そうエップ氏は言う。

「このビーチが突然なくなるというわけではない。でも、ある時点でビーチが別のモノに進化したり、別のアクティビティが含まれる可能性があるということを意味する」

「でもそれらの決定は、来場者の声とその空間で人々が得られている”経験”に基づいて行なわれるんだ。したがって『これはいいね！』というフィードバックが安定して得られている限り、ビーチは残っていくだろう」