大きく変わった現行「911カレラ」の「カブリオレ」に小川フミオがあらためて試乗。911カレラの魅力を探る。
ベーシックさがイイ
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スポーツカー好きだったら一度は乗ってほしい! と、言い切れるほど、スポーツカーの原点にして、かつ、ひょっとしたらスポーツカー好きが最後に戻ってくるところ。それが、ポルシェ911だ。
911にはバリエーションが多く、上(と、いっていいかどうか……)には超がつくほどレーシー(レースカー的)なモデルがあるが、ベースのカレラがまたよい。
たしかに911ターボなど、性能と価格が上がれば、車体の剛性を含めた性能もぐんとアップ。なんで? と、思わず笑いが出るほどの差があるのは事実。
でも、911カレラ・カブリオレに乗ってみると、まずこのクルマを乗りこなしてから、「上へ行くならどうぞ」と、言いたくなる。
フェラーリでいうと、まず「ポルトフィーノ」から入ってごらん、というのと似ているかも(言っているのは私ですが)。
ここで紹介する911カレラ・カブリオレは、2981cc水平対向6気筒エンジンを後車軸より後ろに搭載しての後輪駆動。911としてはもっともベーシックなレイアウトを引き継いでいる。
最高出力は283kW(385ps)、最大トルクは450Nm。静止から100km/hまでの加速は4.4秒。これでどこが不満なの?というぐらい、数値的にもリッパなモデルだ。
2020年に導入されたモデルで、このとき、先代より出力が上がり、変速機も新開発の8段ツインクラッチ式(ポルシェではPDKと呼ぶ)が搭載された。
本当のスポーツカー実際のドライビングは、ホントにすばらしい。とりわけ、路面を手の平で撫でているようなステアリングフィールは、うっとりする。
ほかのメーカーも頑張っているけれど、これは911ならではの美点。911のベースモデルである911カレラでも、ほかのスポーツカーではなかなか手に入らないダイレクトな操舵感がちゃんと用意されている。
ちょっとしつこいけれど、このステアリングフィールを味わうには、速度は関係ない。
たとえ30km/hで走っていても、本当のスポーツカーって、こんなふうにドライバーとダイレクトにつながっている感覚をもつもんだ! と、嬉しくなるはず。
加速もすごい。エンジンは最高出力を6500rpmで発生するという、けっこうな高回転型だ。
運転者の正面にどんっと鎮座したエンジン回転計は「8(8000rpm)」から赤い。つまりそれ以上はまわしてはだめですよ、と、告げている。が、そこまでまわせるというのがすごい。
それがたんなるポーズでないのは、マニュアルモードでギアを固定して、アクセルペダルをやや強めに踏み込めば、わかる。シャーンッといっきに右の下まで針が回るほど、スムーズなエンジン回転が体験できるのだ。
速度が上がっていっても、パワーアシストがやや多めに感じられるステアリングフィールが落ち着きをなくすことはない。
軽く指でつまむように握っているだけで、なんの不安なく、突っ走っていける。いや、他の交通もあるので、突っ走るのはやめたほうがいい。気持だけにしておきましょう。
ステアリングホイールのスポーク部に設けられたロータリースイッチ式のドライブモードセレクターで、「スポーツプラス」を選んだときのダイレクト感は、とくにたまらない。
エンジン回転が3000rpmから上を維持され、シフトの速度はより速く、ダンパーが硬くなり、ステアリングレスポンスがよりよくなるという。
実際、ちょっとドキドキすぐぐらいシャープな操縦感覚が生まれる。「シャシーとドライブトレインのパフォーマンスを最大限に引き出すように設計されている」とか。これこそ、911である。
楽しみの多いクルマカブリオレは高速でオープンにしていても、風の巻き込みはごく少ない。キャップを被って、制限速度ぎりぎりで走っていても、キャップが風に飛ばされる心配はまったくなし。
私は、ポルシェのカブリオレに乗ったら、サイドウインドウは完全に下げてしまって、出来るだけフルオープンに近いかたちで乗るのが好きな派。そういうときは音楽は楽しめないけれど、とりあえずドライブが楽しめればよい。
911の歴史をさかのぼると、ソフトトップのフルオープンは、1983年に“930”と言われた当時の911にカブリオレが最初だ。出たときはカッコよかった。
911なんてクーペ専用のようなボディスタイルだと思っていたのに、実にうまくルーフを取り去っていた。幌をかけてもおろして、スタイリッシュなのだ。911の特徴を殺していない。
今回乗ったモデルは、ホワイトの車体に、ボルドーレッドのソフトトップの組合せ。きれいなコンビネーションだ。でも私だったら、あえてトップはブラック。
スパイダーに分類されるクルマでは幌はブラックがお約束。でもカブリオレは閉めっぱなしってことでもオーケーなので、幌も何色でもいい、っていうのが、いちおうの“常識”。
911の幌はたしかにクッションがたっぷり入っていて耐候性が高いところがよいが、それでも、ピュアスポーツカーととらえたい911のキャラクターを考慮すると、スパイダー的に黒にしておきたい。
いざというとき、電動格納式の幌を開けると、ボルドーレッドのきれいな内装があらわれる。というのは、どうだろう。このクルマにおいて、そこがひとつの見せ場になると思う。
911カレラ・カブリオレは楽しみの多いクルマなのだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
今ではiPhone同様価格が上昇傾向
それは違う!
フェラーリは、いきなりミッドシップマシンに行くべきです。ポルトフィーノは、フェラーリならではのヒリヒリしたピュアスポーツの経験を経た上で、その後余生を過ごすためのクルマです。
決して入門機ではありませんよ。いきなりポルトフィーノではフェラーリの世界を見誤ります。