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エントリーは490万円から! 世界中が大注目の新型トヨタGRスープラがついに日本発売

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エントリーは490万円から! 世界中が大注目の新型トヨタGRスープラがついに日本発売

 2000GTから受け継ぐデザインテイストを採用

 トヨタは新型「スープラ」を全国のトヨタ車販売店を通じて発売した。価格(消費税込み)はエントリーモデルのSZが490万円、SZ-Rが590万円、RZが690万円。

なぜトヨタ新型スープラは市販車ではなくレース車両から発表したのか?

 東京・お台場のメガウェブで行われた発表会では、A70型、A80型の歴代スープラと新型が並んで展示され、歴史を感じさせるものとなった。

 スクリーン映像では、セバスチャン・ブエミやマイク・コンウェイ、フェルナンド・アロンソ、中嶋一貴などGAZOO Racingのドライバーたちのコメントが流れ、あくまで走りにこだわったクルマであることが伝わってくる。

 さらに新型スープラ誕生までのヒストリーとして、トヨタ自動車社長であり、テストドライバーのトップ・マスタードライバーの称号をもつモリゾウこと豊田章男さんと、ドライビングの師匠であった成瀬 弘さんとの思い出も語られた。

 モリゾウさんがニュルでドライビングを学んでいるとき、欧州メーカーはこれから登場するモデルで走行していたが、トヨタは当時すでに生産が終了していたA80型スープラで走行。ニュルで勝負できるクルマがそれしかなかった。それが新型誕生への強い思いになった、というものだ。

 また、この日に大きな2つの発表もなされた。ひとつは、停止していた予約受注がこの5月17日から再開されるというもの。もうひとつはヘリテイジパーツのプログラムを立ち上げ、A70、A80のパーツを再生産するという内容だ。これには、発表会のゲストとして会場に集まったA70、A80オーナーたちからも拍手が沸き起こった。

 それではスープラの詳細を紹介していこう。

 新型スープラはTOYOTA GAZOO Racing(トヨタガズーレーシング)が展開するスポーツカーシリーズ「GR」で初めてとなるグローバルモデルだ。レース参戦などを通じて蓄積した知見とノウハウを注ぎ、ユーザーに心から走りを楽しんでもらえるクルマとして誕生した。

 今回はBMW社との包括提携による初の商品となっており、オーストリアのマグナ・シュタイヤー社グラーツ工場に生産委託している。スープラは海路で運ばれ、トヨタ元町工場を経由して販売される。

 5代目となる新型車は、2002年に生産を終了してから17年ぶりの復活となる。初代からどの世代でも直列6気筒エンジンを積んだFR車だったことは共通しており、新型車もこれを継承している。

 加えてホイールベースやトレッド、重心高の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現した。ホイールベースは2シーターに割り切ることで86よりも100mm短い2470mmとなった。ホイールベースとトレッドの比率は1.55(RZ、SZ-R)で、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの数値を達成し、優れた回頭性に寄与している。

 重心高も徹底的にこだわり、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低く設定。コーナリング性能においても、前後重量バランスについて理想とされる50:50の配分を守っている。

 デザインはスポーツカーとしてのパッケージレイアウトを十分に生かすため、トヨタスポーツのフラッグシップモデルにふさわしいスタイルを提案。ショートホイールベースと大径タイヤにより、タイヤの存在を強調している。2シーターらしいタイトなキャビンとワイドトレッドからなる「スーパーワイドスタンス」を実現した。

 エンジンを内包するボディは、揚力の発生を抑えることに特化した形状に作り込まれている。前後の空力バランスと重量バランスともにスポーツカーとしての最適を追求するとともに、空気抵抗の低減につながるふたこぶ状のダブルバブルルーフを採用した。

 ほかにも、ヘッドライトの位置を車両内側に寄せることで、フェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインに。この手法は、2000GTや先代スープラなどから継承されているものだ。

 ボディ剛性も高めている。走りを最優先にするため太くストレートに通した骨格に加えて、アルミニウムと鉄を適材適所に用いた骨格構造や、異なる素材同士の接合強度を追求したことで、86の約2.5倍ものボディ剛性を実現した。これはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用したレクサスLFAも上まわる。

 伝統の直6ターボのほか軽快な直4ターボも設定

 パワートレインは歴代スープラにも採用されてきた直列6気筒エンジンの伝統を継承し、RZには3Lツインスクロールターボエンジンを搭載している。最大トルク500N・mを1600rpmという低回転で発生させ、アクセルペダルの操作に応じた思い通りの加速を体感できる。

 SZとSZ-Rに採用した直列4気筒エンジンには、チューニングの異なるふたつの2Lツインスクロールターボを設定した。SZ-Rでは最高出力258馬力を実現し、軽量な車体と相まって軽快なスポーツ走行を楽しめる。SZは197馬力を発揮し、街なかから高速道路まで爽快なドライビングを気軽に味わえるようにした。

 サスペンションはバネ下重量の低減と、高い組み付け剛性、精微な車両コントロールを追求して新設計された。フロントのサスペンションとサブフレームはアルミニウム製とすることで、前後重量配分のバランスに貢献。またRZ、SZ-Rにアダプティブバリアブルサスペンションシステムを装備。選択中の走行モードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバーの減衰力を連続的かつ最適に制御し、走りと乗り心地を高次元で両立している。

 ほかにも、VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で連続的に最適制御するアクティブディファレンシャルをRZ、SZ-Rに標準装備。これにより、旋回性能と安定性を高めた。

 多くのユーザーが実際に走行する環境を重視し、開発は一般道で徹底的に走り込みを行った。ドイツ・ニュルブルクリンクにおけるレーシングスピードでの走り込みはもちろん、欧州のカントリーロードやアウトバーン、北欧の氷雪路、アメリカのハイウェイ、日本のワインディングロードなど世界中のあらゆる道を走り、日常的な乗り方でもクルマを操る楽しさを感じてもらえるようチューニングを施したという。

 サポカーSワイドに対応するなど安全性にも抜かりはなし

 室内にもこだわりを見せる。ハイスピード時の見晴らし性や、車両の姿勢変化の掴みやすさを考慮した上下に薄く水平に軸の通ったインストルメントパネルの基本形状などに配慮。ドライバーの正面に集中配置されたスポーツドライブに必要な視認、操作系のエレメントをタイトに包括してドアトリム、コンソールのニーパッドまでつなげることで、ドライバーをコンパクトに包み込む新しいコックピット様式を採用した。

 メーターまわりにはタコメーターやシフトインジケーターなどスポーツ走行に必要な情報をセンターに集約し、小径のステアリング越しに自然にフォーカスできるよう工夫されたレイアウトで、8.8インチの高精細カラーモニターを用いている。また、腰部を中心に身体を保持するホールド性にこだわったハイバック構成のシートなどは、室内デザイナーの実体験に基づいたサーキット由来のこだわり形状だ。

 安全性能にも抜かりはない。新型スープラは「セーフティ・サポートカーS(ワイド)」を取得している。昼間の歩行者に加えて自転車の運転者を検知して衝突回避支援・被害低減を図る「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、隣車線の死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、前方車両の追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」、車線を逸脱しそうな際にステアリング操作をアシストする「レーンディパーチャーアラート」を全車に標準装備した。

 また、スープラ専用のコネクテッドサービス「Toyota Supra Connect」を提供するため、車載通信機DCMを全車に標準搭載した。専用のスマホアプリなどから車両の遠隔操作、確認ができる「リモートサービス」に加え、バッテリーの電圧低下を自動的にメールで知らせる「バッテリーガード」、運転中に端末に触れることなくiPhoneを操作できるApple CarPlayに対応する。

 さらに、新たなクルマの楽しみ方を提案する「TOYOYA GAZOO Racing Recorder」を5月末にリリース予定だ。ガズーレーシングの技術をフィードバックした車両情報記録装置で、アクセルやブレーキ、ステアリング、シフトポジションなどのドライバーの操作情報、車速、エンジン回転数、加速度など各種センサーの値や車両の位置と方位情報をSDカードへ記録するデータロガーとしての役割を果たす。

 SDカードへ記録した情報は専用アプリ「GAZOO Racing Data Viewer」で表示できる。最大ふたつの動画を表示でき、別売りのソニー製アクションカム(FDR-X3000/X3000R)の動画であれば、記録した情報と自動で時間同期し、再生することが可能。また、米・マイクロソフトが提供する地図サービス「Microsoft Bing Maps」上に走行軌跡を表示、再生することもできる。

 カラーバリエーションはボディ表面の質感や陰影にもこだわり、造形の持つ迫力を一層強調した色を採用。ボディカラーにはスポーティで鮮やかなライトニングイエローや、造形の持つ力強さを引き立たせるRZ専用の新色マットストームグレーメタリック(ともに有料色)を含む全8色から選択できる。

 インテリアはスポーティで上質な赤色でドライバーを囲い、新しいコクピット様式を強調するイグニッションレッドと素材のコントラストで引き締まった空間を演出するブラックの2色を設定した。

 なお、2019年度生産分の24台限定となるマットストームグレーメタリックのRZ商談申し込みを6月14日(金)までの約1カ月間、ウェブ限定で受け付ける。商談順は抽選によって決まり、結果は6月22日(土)~23日(日)にスープラが参戦する第47回ニュルブルクリンク24時間耐久レースの決勝当日に発表する。

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