現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 重いEV 3基のモーターで「軽量感」演出 アルピーヌが独自技術を披露

ここから本文です

重いEV 3基のモーターで「軽量感」演出 アルピーヌが独自技術を披露

掲載 3
重いEV 3基のモーターで「軽量感」演出 アルピーヌが独自技術を披露

複雑なモーター制御で「軽さ」を生む

フランスのアルピーヌは、電気自動車(EV)に革新的な出力管理ソフトウェアを採用し、バッテリーの重量増加を相殺する「軽快感」を実現することで、スポーツカーらしいハンドリングを目指す。

【画像】初の電動SUV、スポーティなハンドリング実現へ!【アルピーヌ「A390_β」コンセプトを写真で見る】 全13枚

同社の唯一の現行モデルは車重1100kgのA110だが、これは量産車としては最も軽量な部類に入り、その俊敏な走りで高い評価を得ている。しかし、2030年までに発売を計画している7車種のEVは、必然的にはるかに重くなるため、ハンドリング性能をブランドの中心に据えている同社にとっては難しい課題となっている。

参考までに、コンパクトEVのA290(年内発売予定)でさえ車重は約1500kgある。新型SUVのA390の重量は未公表だが、プラットフォームを共有する同クラスの日産アリアは2000~2300kgである。

しかし、14日に開幕した『パリ・モーターショー2024』で、アルピーヌのフィリップ・クリーフ最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、EVパワートレインを微調整し、A110の精神に則った軽量車の「挙動」を実現するつもりだと述べた。

「実現するのは、実際の軽さではなく、知覚される軽さです」

これを実現する上で重要なのが、パリ・モーターショーで発表されたコンセプトカー「A390_β」で採用された、フロントアクスルに2基のモーター、リアに1基のモーターを搭載するパワートレイン配置だ。

トルクベクタリング技術を使用して3基のモーターへのパワー配分を複雑に変化させることで、「非常に迅速なレスポンスを実現できます。まるで軽量車のような挙動です」とクリーフCEOは語った。

A390については「軽量車ではありませんが、そう感じられます。非常にクイックで、自然で、一体感があります」とした。

「プロのドライバーがテストし、彼らが望むシステムを入れた状態で走らせたところ、良いものであることがわかりました」

それでも、アルピーヌは「クルマの絶対的な重量」に取り組んでいることから、ルノーや日産の同等モデルよりも軽くなることが期待されている。

A390は、6か月後の公式発表に向けた最終テスト段階にあり、今後登場するEVの挙動の方向性を決定づけることになる。

昨年アルピーヌのCEOに就任する前、クリーフ氏はフェラーリ458やアルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオといった名高いスポーツカーのエンジニアとして知られていた。

そうした経験が5人乗りの電動SUVの開発に役立つかという質問に対し、クリーフCEOは「はい、違いはありますが、クルマを運転する際に得られる喜びは変わりません。スポーツカーを扱う際には、自分の入力に対してできるだけ早く、できるだけ確実にフィードバックを得る必要があります」と答えた。

「ステアリング、加速、ブレーキ、トランスミッションは高速かつ正確である必要があり、EVにはそれを実現する他の技術もありますが、ある程度の自由度もあります」

アルピーヌを純粋なスポーツカーメーカーではなく、「スポーツ専門」ブランドと表現したクリーフCEOは、2030年までに年間10万台の販売を目指すという計画と、同ブランドを「ポルシェとアウディの中間」に位置づけたいという野心を繰り返し強調した。

アルピーヌがドイツの2大ブランドと同等の認知度を獲得しているかとの質問に対しては「いいえ、まったく違います」と答えたが、製品ラインナップの拡大、ディーラー網、モータースポーツ活動がその足跡を築くのに役立つと述べた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
EVのBMW「3シリーズ」を発見! 2026年発売の "i3" テスト走行か 先鋭的なデザイン
AUTOCAR JAPAN
アルファ・ロメオ初のSUV、完成まで「13年」も彷徨った苦難の開発 歴史アーカイブ
アルファ・ロメオ初のSUV、完成まで「13年」も彷徨った苦難の開発 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー
AUTOCAR JAPAN
ディーゼル並みの低燃費! メルセデス・ベンツ次期型CLAに新1.5L 4気筒ガソリンエンジン「M252」搭載
ディーゼル並みの低燃費! メルセデス・ベンツ次期型CLAに新1.5L 4気筒ガソリンエンジン「M252」搭載
AUTOCAR JAPAN
「ホンダの時代が来た」 CEOが語るEVの未来 世界で存在感を示せるか
「ホンダの時代が来た」 CEOが語るEVの未来 世界で存在感を示せるか
AUTOCAR JAPAN
アバルトが「エンジン脱却」を宣言 フィアットベースのEV開発に専念 「所有コスト」は安い
アバルトが「エンジン脱却」を宣言 フィアットベースのEV開発に専念 「所有コスト」は安い
AUTOCAR JAPAN
むしろ「モンデオ」の後継車? フォード・カプリ AWDへ試乗 目標はファミリースポーツカー
むしろ「モンデオ」の後継車? フォード・カプリ AWDへ試乗 目標はファミリースポーツカー
AUTOCAR JAPAN
611psでサーキットへ最適化! メルセデスAMG GT 63「プロ」へ試乗 圧巻のパフォーマンス
611psでサーキットへ最適化! メルセデスAMG GT 63「プロ」へ試乗 圧巻のパフォーマンス
AUTOCAR JAPAN
ルノーとアルピーヌのダブルネームを持つアルカナ【新米編集長コラム#8】
ルノーとアルピーヌのダブルネームを持つアルカナ【新米編集長コラム#8】
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデの高性能ブランドNからWRCスタイルの高性能EV「RN24」が登場
ヒョンデの高性能ブランドNからWRCスタイルの高性能EV「RN24」が登場
@DIME
ジャガーが衝撃的「次世代モデル」初公開 見たことのない斬新デザインの大型セダン、2026年発売へ
ジャガーが衝撃的「次世代モデル」初公開 見たことのない斬新デザインの大型セダン、2026年発売へ
AUTOCAR JAPAN
量産型ハイパフォーマンスの最適解。V8+PHEVによる新しい風「フェラーリSF90/ポルシェ・パナメーラ/BMW M5/ランボルギーニ・テメラリオ/マクラーレンW1」
量産型ハイパフォーマンスの最適解。V8+PHEVによる新しい風「フェラーリSF90/ポルシェ・パナメーラ/BMW M5/ランボルギーニ・テメラリオ/マクラーレンW1」
LE VOLANT CARSMEET WEB
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
ニュルブルクリンクを7秒超短縮! 小変更 アウディRS3へ試乗 シャシー技術を大幅アプデ
AUTOCAR JAPAN
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
どんなイベントでも大注目? パンサー・ソロ 2(2) チャンスを逃した驚くほどの動的能力
AUTOCAR JAPAN
FFスポーツ実験は大成功! ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(1) タイプR誕生前夜
FFスポーツ実験は大成功! ホンダCR-X シビック 2台の「Si」(1) タイプR誕生前夜
AUTOCAR JAPAN
アウディ e-トロンGTの最強仕様 RS パフォーマンスへ試乗 0-100km/h 2.5秒! 925psでも差別化は難しい
アウディ e-トロンGTの最強仕様 RS パフォーマンスへ試乗 0-100km/h 2.5秒! 925psでも差別化は難しい
AUTOCAR JAPAN
「えっ…!」1800馬力で最高速445km/h! ポルシェ×リマックが手がけた“新生ブガッティ”のハイパーカー「トゥールビヨン」ってどんなクルマ?
「えっ…!」1800馬力で最高速445km/h! ポルシェ×リマックが手がけた“新生ブガッティ”のハイパーカー「トゥールビヨン」ってどんなクルマ?
VAGUE
ルノーが「革新的なインテリア」公開 デジタル&物理の融合 操作性向上と高級化を狙う
ルノーが「革新的なインテリア」公開 デジタル&物理の融合 操作性向上と高級化を狙う
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

3件
  • tondemo310
    重いのに軽いと錯覚。その先にあるのは「止まろうとしたら止まらない」です。そして、相手に与えるダメージが大きい。EQS SUVは2880kgありますから、265kw(360ps)と586Nmでバビューンと加速して、止まらない。バッテリー容量は396kwhでMX-30の35kwhの11倍超。
    優等民族の日本人は、小さく軽い純ガソリン車に乗りましょう。ヤリスガソリン1.5(MT):980kg 19.0㎞/L、MAZDA2 15Sスポルト(MT):1070kg 20.2㎞/L。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1040.01610.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

641.71358.0万円

中古車を検索
A110の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1040.01610.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

641.71358.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村