全店舗全車取り扱いがアルファード人気を加速させた
最近はクルマの価格が高まった影響もあり、軽自動車の販売比率が増えた。2021年1月&2月には、国内で売られた新車の39%が軽自動車であった。
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その一方で、高価格とされるトヨタ・アルファードとハリアーも好調だ。アルファードは2021年1月&2月ともに1カ月の登録台数が1万台を超えた。ハリアーも9000台前後に達する。アルファードの売れ筋価格帯は400~550万円、ハリアーも350~450万円だから、昨今の経済状態が厳しいことを考えると、突出した売れ行きだ。
そこでまずはアルファードがどのようなユーザーに売れているのかを販売店に尋ねた。「アルファードはさまざまなお客さまの間で人気が高い。もっとも多いのはトヨタ車からの乗り替えで、ミニバンではヴォクシー/ノア/エスクァイア、ミニバン以外ではクラウンなどのお客さまが目立つ。BMWなどの輸入車もある。最近はフロントマスクの存在感が強い現行アルファードを街中で頻繁に見かけるようになり、関心を持ったお客さまが多い」。
アルファードは、上級ミニバンを選ぶユーザーにとって、唯一無二の存在になっている。日産エルグランドは発売から10年以上を経過して設計が古く、ホンダ・オデッセイは全高が1700mm以下だから外観が貧弱に見えてしまう。
ちなみにアルファードには、姉妹車のヴェルファイアも用意される。2017年末までは、ヴェルファイアが多く売られていたが、今は状況が一変した。ヴェルファイアの登録台数は、アルファードのわずか10%程度。マイナーチェンジによるフロントマスクの変更で、アルファードの売れ行きがヴェルファイアを追い抜き、2020年にはトヨタの全店が全車を扱う体制に移行したから、販売格差が約10倍まで広がった。全店が全車を扱うと、人気車は好調に売れて、そうでない車種は大きく落ち込む。
以前、ヴェルファイアの専売店だったネッツトヨタ店からも「最近は新規のお客さまがアルファードを購入したり、ヴェルファイアから乗り替えるケースも生じている」という話が聞かれた。
400~500万円台で上質感を追求するとハリアーにたどり着く
次はハリアーについて販売店に尋ねた。「ハリアーは従来型も人気で、新型に乗り替えるお客さまが多い。クラウンからハリアーへの乗り替えも目立つ。マツダCX-5も含めて、さまざまなSUVのお客さまがハリアーに興味を持たれている。予想以上の人気だから納期も長い。ノーマルエンジンでも3~5カ月、ハイブリッドで納期の遅いグレードだと、3月に契約をいただいても納車されるのは11月だ」。
前述のとおりハリアーは、2021年1月&2月には、1カ月当たり9000台前後を登録した。2020年に登場したときの販売目標は1カ月当たり3100台だから、確かに予想以上の人気だ。全店が全車を扱う体制になった影響もあり、売れ行きを伸ばした。
そしてアルファードと同じくハリアーも、上質なSUVを求めるユーザーには唯一無二の存在だ。ハリアーの売れ筋価格帯は350~450万円に達するが、このなかで該当するSUVの主力車種は、ハリアー以外ではマツダCX-8、ホンダCR-V、レクサスではもっともコンパクトなUXになる。
CX-8は車内が広く内装の造りも丁寧だが、フロントマスクなどの外観はCX-5に近い。開発者は「CX-8はLサイズのボディを含めてコストが高い。フロントマスクはこれ以上豪華にできなかった」という。そのために巧みに高価格車の雰囲気を盛り上げるハリアーに比べると、CX-8は物足りない印象を受ける。
CR-Vは内外装ともに不満があり、インパネのステッチも模造品だ。コンパクトな先代ヴェゼルでも、本物の糸を使うステッチを採用したから、CR-Vはハリアーに比べると大幅に見劣りする。
以上のように400~500万円で購入可能なミニバンやSUVから、上質で魅力的な車種を探すと、選択肢は意外なほど少ない。いわば必然的に、アルファードとハリアーに絞られてしまう。そこにトヨタの全店/全車販売も加わって超絶的な売れ行きに至った。
ちなみにメルセデス・ベンツが今でも好調に売れる理由もそこにある。日本車の場合、400万円以下には魅力的な買い得車がそろうが、この価格帯を超えると選択肢が一気に減る。好調に売れる日本車の上限は実質的にアルファードとハリアーになってしまう。その結果、需要が集中して、1カ月当たり1万台前後を売る人気車になったのだ。
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みんなのコメント
無理してローンで買ってオラオラ言って煽っている人たちがとても多い気がします。
少なくとも社有車の黒いアルファード以外では、タオルを頭に巻き、火のついたタバコを窓から投げ捨てるヤンキーしか見たことがありません。