現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【グランドツアラーとしての高い資質】トヨタGRスープラ(2)長期テスト

ここから本文です

【グランドツアラーとしての高い資質】トヨタGRスープラ(2)長期テスト

掲載 更新 5
【グランドツアラーとしての高い資質】トヨタGRスープラ(2)長期テスト

積算2037km 意外なほど柔らかい乗り心地

text:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】GRスープラ 次期Zプロトと比較 全90枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


トヨタGRスープラに乗って、1か月ほどが経つ。ロングノーズのシルエットを持つスープラだが、徹底したスポーツカーというより、グランドツアラー寄りの性格にあることが見えてきた。

かなりアグレッシブなボディデザインにも関わらず、乗り心地は驚くほど柔らかい。日常的に乗るクルマとしては、うれしい喜びに思える。

積算3669km アウトバーンをスープラで走る

スープラで長距離ドライブできる日を待っていた。そして先月、初めての機会がやってきた。

AUTOCARの英国編集部へ、BMWから連絡があった。新しい128tiプロトタイプへの試乗の打診。断るはずがない。

BMWのR&D本部は、ドイツ・ニュルブルクにある。フランクフルトまで飛行機で向かい、バスで移動するか、自ら直列6気筒ターボを回して向かうか、移動方法が選べる。

新型コロナウイルスの影響で、国を超えた移動には制限がある。ドイツへの往来は、英国政府の制限から外れていた。もちろん、制限されればクルマでの移動自体できなくなる。

心配したものの、無事にスープラでドイツへ向かえた。走行距離は、一気に1600kmほど増えた。その多くは、アウトバーンで刻んだもの。257km/hのスピードリミッターに当たっても、まだスープラには余裕があるようだった。

GRスープラは、長距離を驚くほど高速に走れる。絶対的なスピードという意味ではなく、スープラの場合、高速時のマナーがとても優れているのだ。

ロングなギア比に太い低速トルク

絞られたフロントノーズと有機的なカーブを描くボディは空力的にも良いようで、風切り音は小さい。サスペンションのラバーブッシュは優しく、ミシュラン・パイロット・スーパースポーツというタイヤも当たりがマイルド。

8速まで切られたギア比も、比較的ロング。レブリミットまで回せば、理論的に空気抵抗などがなければ426km/hまで出る計算。130km/hでのクルージングは、2000rpmを少し超える程度。

それでいて、優れたパフォーマンスがすぐそばにある。BMW製の直列6気筒ターボは、50.7kg-mという太いトルクを、わずか1600rpmから生み出す。

加えてスープラは、重いわけではない。先日計測する機会があったのだが、燃料タンクに25%ほどガソリンが入った状態で、1497kgしかなかった。

小さなクーペボディとしては、軽い方ではないだろう。しかし、これだけ太いトルクがあれば、問題になる重さではない。高速クルージングは、とても容易い。

動的性能に合わせるように、シートの彫りは深く、ステアリングホイールの肉付きは良い。少し操舵感は人工的だけれど。

2シーターの車内は、比較的タイト。フロントウインドウは横長に切り取られたようだが、視界は良い。サイドウインドウはスリムで、安心感がある。一部のドライバーは、長距離ドライブの相棒として気にいる雰囲気だと思う。

BMW M440iのような、開放的なコクピットを好むドライバーもいるだろう。グリルのデザインは別として。

M2やケイマンを超えるグランドツアラー

大きなリアハッチをひらけば、290Lと充分な容量の荷室が姿を表す。運転席側から荷物の出し入れもできる。これは想像以上に便利。ちなみに、ボディサイズの大きいフェラーリ812は、320Lの容量がある。

フェラーリ812との比較は、不釣り合いに思えるかもしれない。エンジンのシリンダー数は半分で、馬力は42%だけ。しかし、現実的な速さに不足はなく、歩道から集める視線の量は同じくらい多い。乗り心地はしなやかで、用意する金額は812の21%で済む。

スープラも運転を存分に楽しめるし、スタイリングのエレガントさでは、筆者は引けを取らないとさえ思う。見事なグランドツアラーの1台だ。

約5万ポンド(675万円)というスープラの英国価格は、中古のポルシェ911も買える値段。車内空間もより広いし、着座位置も低い。車内はスープラより少しうるさいが、困るほどではない。それも魅力的ではある。

免疫テストの結果次第だが、今度はイタリアへ向かう予定。フェラーリ812との比較ではなく、休日のドライブ旅行として。

こんな旅なら、BMW M2コンペティションが今までは良い選択肢だった。ポルシェ・ケイマンなら、よりベター。しかしトヨタGRスープラは、それ以上にイイ。でも、2.0LのジャガーFタイプの方が、もっと良いかもしれないが。

テストデータ

気に入っているトコロ

直列6気筒エンジン:S58型と呼ばれる、新しいM3へ搭載されるエンジンも体験した。だが、このシングルターボのB58型の方が、トップエンドでのサウンドはより気持ちいい。

気に入らないトコロ

タッチモニター:BMW Z4からそのまま移設されていればよかった。自動調整となる画面の照度の設定がおかしい。時々読めなくなる。

テスト車について

モデル名:トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
新車価格:5万4340ポンド(739万円)
テスト車の価格:5万4960ポンド(747万円)

テストの記録

燃費:11.5km/L
故障:なし
出費:なし

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
AUTOSPORT web
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
レスポンス
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
【特許画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
AutoBild Japan
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
アルファロメオ『33ストラダーレ』新型、「ベスト・イン・クラシック2024」の最高賞を受賞
レスポンス
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
新車77万円! ホンダ革新的「コンパクトカー」に「安くて広くて最高!」の高評価! 全長3.7mで「フィット」より小さい“街乗り最強”モデルとは! デザイン&乗り心地も大満足
くるまのニュース
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
トヨタ新型「最小級SUV」登場か!? 「ヤリスクロス」より小さい“静音モデル”に「カッコいい!」と反響アリ! 「bZ1X」かもしれない新型車に期待大!
くるまのニュース
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
エバンスが0.7秒リードの接戦。トヨタ2台がパンク、ヌービルに“ノーパワー”トラブル/ラリージャパン デイ2午前
AUTOSPORT web
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ええええぇついに最後か!? 鮮明なボディカラーに思わず見とれる!!!!!!!!! 爆速2Lターボのホットハッチ[AMG A45 S]の魅力度がマシマシ
ベストカーWeb
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
なんちゃってセレブ、ヒョンデ新型「アイオニック5N」の「ファーストエディション」を激オススメ! 限定50台のうち22台が「マガリガワ クラブ」に集合!
Auto Messe Web
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
くるまのニュース
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
いやあ、クソ暑かったよ! ラスベガスF1初開催を知るエディ・チーバーに訊く。悪名高き“駐車場コース”でのレースは「悪い思い出ではない」
motorsport.com 日本版
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
レスポンス
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
ベストカーWeb
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
AUTOSPORT web
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
AUTOSPORT web
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
くるまのニュース
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
VAGUE

みんなのコメント

5件
  • やっぱBMWはスゴイんだわw
    エンジンと足回りそれとタイヤの良さが分かる記事だね
    このスープラでトヨタは新しい基準が見えてるとイイけどね
  • スープラと言うBMWですね、日本で作るよりは性能は上となり面白い物ですが、なんせトヨタバッチが付くのでね。
    BMWバッチが着けばもっと売れていそうです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索
スープラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.5789.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

94.81488.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村