偉大な英国車を振り返る
予定通り進めば、2019年中には英国はEUからの離脱を果たす。ブレクジットのぜひはさておき、2016年の国民投票以来、その交渉は難航している。このままでは英国が持つ輝かしい歴史は忘れ去られ、世界的な笑い者になってしまうのではないだろうか。利己的で心の狭い政治家たちに、これ以上英国を貶めさせてはいけない、とAUTOCAR英国編集部は考える。
珠玉の中古車14選 EU加盟国から輸入するなら今(ただし英国在住者限定)
英国はアストン マーティン、ランドローバー、ロールス・ロイスなどの生まれ故郷であり、ロータス・エリーゼの接着アルミニウム・シャシーやTVRサーブラウのAJP V8エンジンなどを生み出した国なのである。英国が自動車業界に果たした大きな貢献を振り返り、中古車市場からおすすめの英国車20車種を価格帯別にご紹介しよう。
500ポンド(7万円)~2000ポンド(28万円)
ミニ・クーパー
初代BMWミニは年々良く見えるようになってきた。これは最近のモデルが腫れあがるように大型化し、だんだんとバランスが悪くなっていることも一因だ。ローバー時代と同じカウリー工場で生産されたR53型はミニらしいハンドリングが魅力だ。
新車同様の走りとはいえないが、1000ポンド(14万円)以下でも購入可能だ。ただしその場合ダンパーの交換は考えた方が良い。個体数は十分にあるため、エンジン音の異常に気づいたら他を探そう。クーラントのキャップ周囲にマヨネーズ状のものがついていたら、ヘッドガスケットに問題があるかもしれない。
500ポンド(7万円)~2000ポンド(28万円)その2
ジャガーSタイプV8
1998年のバーミンガム・モーターショーでジャガーSタイプが発表された時、最も驚いたのは同時に登場したローバー75よりもさらにレトロであったことだ。最近のジャガーのデザインははるかにモダンであり、当時の選択は間違いであったと気付いたようだ。とはいえ、Sタイプの走りは良好で、V8モデルでも2000ポンド(28万円)以下で手に入る。
ローバー75
ローバー75をノスタルジックすぎるとして切り捨てるのは簡単だ。クロームを多用したエクステリアやキャビンのウッドパネルなど、クリケットが20オーバーではなく5日間の試合であった時代を思い起こさせる。しかし、75をこき下ろすのはエグゼクティブサルーンに対する冒涜である。当時、多くの評論家がより高価なジャガーSタイプよりも高評価を与えたのだ。
初期の75はオックスフォードシャーのカウリーで生産されていたが、2000年にはバーミンガムのロングブリッジに移転されている。現在、V6モデルであれば1000ポンド(14万円)以下で購入可能だ。V6はスムーズでパワフルなだけでなく、きちんとメンテナンスされていれば4気筒よりも耐久性があるのだ。
MG ZS180
ある時、ロングブリッジの廃れたミーティングルームで、ひとりのエンジニアが180psのV6エンジンをローバー45のエンジンベイに収めることを思いついたのだろう。その結果出来上がったのがこの優秀な小型ファミリーカーだ。ハッチバックおよびサルーンが用意されるが、どちらも快音を響かせ高い運動性能を見せる。
日産プリメーラGT
プリメーラGTのメーカーは英国企業ではないじゃないかと思うひともいるだろう。確かに日産製のこのクルマは今回の特集に適さないかもしれない。しかし製造はサンダーランドで行われており、血筋はともかくとして英国生まれであることは確かだ。シャシーはニュルブルクリンクで開発され、活発な2.0ℓエンジンのおかげでおおくのひとの想像以上の走りを見せる。
2000ポンド(28万円)~5000ポンド(70万円)
ジャガーXK8
2007年により美しくモダンなXKが登場すると、XK8は忘れ去られてしまったようだ。間接的な後継車であるFタイプの登場後であれば尚更だ。295psの4.0ℓV8を搭載し、レザーもふんだんに使用されている。しっかりとした個体であれば、今でも十分に快適な高速クルーズが可能だ。
最近では、20年落ちで走行距離も多い個体なら3000ポンド(42万円)程度で手に入る。4000ポンド(56万円)も出せば2000年以降のV8モデルにも手がとどくだろう。もし乗り心地に違和感があれば、サスペンションのブッシュを疑おう。またサイドシルやホイールアーチ内側の錆びにも注意。V8ゆえランニングコストは高い。
ホンダ・シビック・タイプR
このクルマも日本のメーカーによるものだが、スウィンドンの工場で生産されたEP3型は英国車と呼んで差し支えない。そしてこれほど素晴らしいホットハッチがバーゲン価格で手に入るのに、英国メーカー製でないというだけで無視してしまうのはもったいない。
2000ポンド(28万円)程度以下でも入手可能ではあるが、3000ポンド(42万円)程度の個体が望ましい。200psの素晴らしいエンジンと、最高のギアシフトが手に入ると思えば安いものだろう。ただし、よほど詳しくない限り改造車に手を出すのは控えた方がいい。ホイールのアライメントや、サスペンションのブッシュを確認しよう。
2000ポンド(28万円)~5000ポンド(70万円)その2
ローバー・ミニ
初代ミニは英国のクルマ作り史上最も象徴的なモデルといえるかもしれない。41年にもわたって販売されたこのクルマには、数えきれないほどのバリエーションが存在する。覚えておくべきことは、程度良好な個体はクラシックとしての価値が高く、値落ちはしないということだ。1990年代後半のモデルでは、最高出力は63psに達していた。
ランドローバー・ディスカバリー3
最新のランドローバー・ディスカバリーのリアエンドを見ていると、2004年に登場したディスカバリー3がいかに魅力的であったかを再認識させられる。質実剛健でがっちりした作りだが、モダンさも持ち合わせているのだ。中古車市場から選ぶ際にはよく吟味し、こまめなメンテナンスを心がけよう。
ヴォグゾール・アストラVXR
アストラVXRを英国車と認めるかどうかは、意見の別れるところだろう。もちろんヴォグゾールは英国メーカーだが、そのオーナーは英国企業ではない。そしてアストラの一部はチェシャーで生産されているが、VXRはドイツ製だ。240psのホットハッチであり、程度の良い個体でも3000ポンド(42万円)で手に入る。
5000ポンド(70万円)~1万5000ポンド(210万円)
レンジローバー
L322型レンジローバーは1万ポンド(140万円)以下で買えるクルマとしては最も万能な1台だろう。問題は、状態の良くない個体では修理代の請求書の山ができるであろうことと、そのランニングコストだ。見紛うことなきレンジローバーらしいルックスと素晴らしいキャビンを持ち、オンロードでもオフロードでも活躍する。
初期型で走行距離の多い個体では4000ポンド(56万円)程度で入手可能だが、まともに使えるようにするために車両価格以上の費用がかかることを覚悟しよう。L322型は信頼性が低いといわれているが、手がかかるのもレンジローバーを所有する楽しみのひとつと考えるひとも多い。
ジャガーXFR
2000年代半ばごろ、ジャガーの経営陣はブランドを急激に若返らせようと考えていた。Sタイプのキャビンは公爵の絵画室のような仕立てであったが、その後継として2007年に登場したXFはウェスト・エンドのウオッカ・バーを思い起こさせるコクピットとなった。丸いエアコンの吹き出し口や、センターコンソールからせり出すロータリー式シフトダイヤルなど、それまでのジャガーからは想像もつかないものであった。
エクステリアもモダンになったが、楕円形のグリルやクローム製ハイライトの多用などはジャガーらしさが残る。スーパーサルーンのXFRは510psのスーパーチャージャー付きV8エンジンが搭載され、スピード、レスポンス、そしてラグジュアリーさを兼ね備えていた。初期のモデルでは1万4000ポンド(197万円)から手に入る。
5000ポンド(70万円)~1万5000ポンド(210万円)その2
ロータス・エリーゼ
初代ロータス・エリーゼは、今後クラシックとしての価値上昇が見込まれる一台だ。1996年に登場したS1エリーゼはロータスを救ったモデルであり、ドライバーズカーに必要なのはパワーではなく軽量さであると世に知らしめた。しっかりとメンテナンスされた個体を見つけるのもそう難しくはないだろう。
ケータハム・セブン・ロードスポーツ
英国の気候には全く適さないクルマであるにも関わらず、ケータハム・セブンは非常に高い残存価値を有している。実際、新車を購入して数年間楽しんだとしても、ほんのわずかな値落ちで売却できるだろう。古いモデルでも同様であり、1万5000ポンド(210万円)程度から購入できる。
ロールス・ロイス・シルバースピリット
英国だけでなく、世界全体を見渡して見てもロールス・ロイス以上にロマンチックな車名を与えるメーカーはないだろう。それほど人気のあるモデルではないが、1万5000ポンド(210万円)で購入できるのだ。これ以上値下がりする可能性は低いが、年間数千ポンド程度の支出は覚悟しよう。
1万5000ポンド(210万円)超
アストン マーティンV8ヴァンテージ
3万ポンド(420万円)の予算でアストン マーティンV8ヴァンテージを買うことの最大のリスクといえば、なぜ同じ予算でポルシェ911を買わなかったのかという質問の嵐を受けるだろう。その適切な答えは、「見ればわかる!」である。
最近のスポーツカーはスタイリングが過剰である。先代ヴァンテージの控えめかつエレガントなデザインは素晴らしい。細部にわたり完璧なプロポーションはこれからも通用するだろう。ヴァンテージの魅力は見た目だけでなく、ハンドリングや自然吸気のV8エンジンにも宿る。12年落ちのアストンなんて維持費が恐ろしいと思うかもしれないが、専門家によればきちんとメンテナンスを受けていれば、信頼性に問題はないとのことだ。
ベントレー・コンチネンタルGT
おおくのひとにとって、ベントレー・コンチネンタルGTは成金趣味に映るかもしれない。それを気にしないのであれば、GTは非常に速く高級なスーパークーペでありながら2万ポンド(280万円)以下でも購入可能だ。キャビンではフォルクスワーゲン・グループのパーツがすぐに目に入ってしまうかもしれないが、6.0ℓW12の魅力はそれを補って余りある。
きちんとしたメンテナンスを受けていれば、信頼性も非常に高い。エンジン、トランスミッション、サスペンションはタフだが、コネクターやモーター類、センサーや消耗品などは交換が必要になるかもしれない。初期のモデルはほぼ底値に達しており、2年か3年ほど乗るのにはもってこいだろう。
1万5000ポンド(210万円)超 その2
TVRサーブラウ
TVRは故障した時の修理代が高いといわれているが、それは事実である。実際、TVR自体はそれほど信頼性が低いわけではないのだが、専門家によるメンテナンスが必須である。サーブラウに搭載されるAJP V8はその良い例だ。程度の良い個体が見つかれば、所有してみる価値はある。
ロータス・エヴォーラ
ロータス・エヴォーラがほんとうに毎日使えるスポーツカーかという問いへの答えは、ひとそれぞれだろう。エキシージやエリーゼから乗り換えたひとにとっては驚くほど実用的だろうが、品質のばらつきや乗降性の悪さなどはポルシェ911に全く及ばない。初期の個体はまもなく10年落ちとなるが、その走りは今も健在だ。V6エンジンは故障知らずだが、クラッチの交換には3000ポンド(42万円)ほどかかる。
モーガン4/4
これほど英国的なクルマは他にないだろう。4/4という名称は4気筒かつ四輪であるという意味だ。1935年に初めてこの名称が使われた時には、モーガンは3輪車のみのラインナップであった。2000年ごろのモデルは3万ポンド(420万円)程度で入手可能だが、モーガンには年式など関係ない。
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