現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 話題のトヨタ「クラウンスポーツ」ショートサーキットでプロト初乗りインプレッション。PHEVは1クラス上のパワフルさ!!

ここから本文です

話題のトヨタ「クラウンスポーツ」ショートサーキットでプロト初乗りインプレッション。PHEVは1クラス上のパワフルさ!!

掲載 36
話題のトヨタ「クラウンスポーツ」ショートサーキットでプロト初乗りインプレッション。PHEVは1クラス上のパワフルさ!!



2023年4月12日に追加情報が公開された「クラウンスポーツ」/「クラウンセダン」/「クラウンエステート」。中でも「クラウンスポーツ」はHEVとPHEVをラインナップし、それぞれ2023年秋と冬に発売することも公表された。今回、富士スピードウェイのショートサーキットで「クラウンスポーツ」のPHEVに試乗できる機会に恵まれた。すでに発売されている「クラウンクロスオーバー」と違いはあるのか!? 第一報をお届けしよう!

群馬県前橋市に新たなレジャースポットが!バス釣りが楽しめる管理釣り場『BRGD POND(ブリゲードポンド)』が4月29日にオープン

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/原 文昭/トヨタ自動車(株)

「遊び足りない大人のために」そんな言葉がぴったりな走りとスポーティなスタイリング&パッケージング

「ラージカローラスポーツ」というのが初見の印象だ。腐すつもりは微塵もない。そこに旧来の高級車の価値感の柵から抜け出そうとするクラウンの気概を感じたのである。

市販開始はHEV(ハイブリッド)モデルが2023年秋、PHEV(プラグインハイブリッド)モデルが2023年冬を予定しており、現時点では公表されたスペックは車体外寸に限定される。なお、HEV/PHEVともには高効率で定評のあるスプリット式を採用。駆動方式は全車E-Fourを用いた4WDとなる。クラウンクロスオーバーに搭載された2.4Lターボデュアルブーストハイブリッドシステムは含まれていない。

公表された車体外寸で全高/全長比等を計算し、カローラスポーツと比較してみたが比率的には全長が長め、全幅が狭めだが、全幅/全高比はほぼ同じ。ちなみに全高は「クラウンクロスオーバー」よりも20mm高く、全長は220mm、ホイールベースは80mm短い。数値的にはずんぐりとしたプロポーションといえるが、本質は余分なものを削り落として身軽になったダイナミズム、つまり弾むような躍動感だ。トヨタではこのパッケージングを「新しいカタチのスポーツSUV」と表現している。

外観の要点となるのはフロントマスクとリヤフェンダー周り。フロントマスクの特徴だが、ヘッドランプがない。実際はあるのだが、「これですか?」と問いたくなるほど。フォグランプに艤装したヘッドランプという体であり、造形的にも存在を隠したいという意図が感じられる。ちなみにヘッドランプがあるべきところの極細ランプはデイライト兼フラッシャー(ウインカー/ハザード)だ。

リヤフェンダーは説明するまでもなく、その張り出し感が特徴。盛り上がる上腕二頭筋とても表現したくなる。装着タイヤの幅広化もあり、全幅も「クロスオーバー」より40mm拡大しているが、視角的ボリューム感はそれ以上だ。後席辺りから後方ベルトラインのキャビン水平形を絞り、合わせてリヤエンドとフェンダーに連続性を持たせボリューム感を演出している。

全長とホイールベースの短縮は居住性と荷室容量に影響が大きく、後席レッグスペースは「クラウンクロスオーバー」より狭まった。大柄な男性の4名乗車に十分なスペースと居心地を得ているが、クラウンシリーズ相対では前席優先と言える。

荷室奥行きも「クラウンクロスオーバー」より狭いとは思われるが、目視ではそう大きな違いは感じられなかった。加えて3BOX車体の「クロスオーバー」の荷室は閉鎖されたトランクルーム。高さが制限されるので荷室奧に積み込むの時の作業姿勢がかなり厳しい。その点5ドアハッチバックの「クラウンスポーツ」は楽なもの。積載の実践力では「クラウンクロスオーバー」以上だ。

2BOX系のスポーティならば走りはヤンチャなホットハッチ系を予想してしまうが、しなやかさを備えた強靭が頼もしく、軽やかな気分のファントゥドライブをもたらしている。

今回試乗したのはPHEV。搭載されるパワートレーンはレクサスNXの450h+と同じもしくはベースとしたものと予想され、同じPHEVでもハリアー/RAV4に対してエンジン/電動系ともにパワーアップ。実際に全開加速性能は1クラス上。ありがちな表現だが「車重を忘れさせる」力強さ。中庸域のコントロール性もよく、じわりと戻すようなペダル操作にも狙ったとおりに付いてくる。繊細だが神経質ではないタイプだ。

同じ傾向はブレーキ操作感も同様。ドンと踏み込んだ時の制動の立ち上がりや制動を抜きながらの回頭でのコントロールが良好。繊細な操作をするほどに扱いやすい。

ただ、走りのハイライトは加減速性能ではない。フットワークである。富士スピードウェイのショートサーキットでは乗り心地のチェックはできず、コーナリング時の脚捌きが主体になるが、そのストローク制御は大人味と評するに相応だった。

「クラウンスポーツ」のサス形式は「クロスオーバー」と基本的には共通だが、全車に電子制御ダンパーのAVSと後輪操舵システムのDRSを標準装着。スペックでは「クラウンクロスオーバー」のRS相応だが、全面見直しと改良が加えられているとのこと。しかも狙いは「クラウンスポーツ」のキャラ付けというより、クラウンが、あるいはトヨタが求める走りの追求である。

操舵開始から間を置かずに回頭と旋回力を立ち上げ始める。初期ロールは抵抗感もなく入るがいたずらにロール速度が速まることはない。それは急激な切り返しや増し切りでも同じ。もっと言うなら空走高速からの急なターンイン、登坂を伴うタイトターンで追い舵を与えた時も同様だ。

厳密には加減速等の負荷変動は起きているのだが4輪の接地バランスが崩れることもなく、変動があっても穏やか。AVSによる接地荷重の制御やDRSの前後輪の旋回力のバランス取りが利いているのだろうが、不安を引き起こすような振る舞いもなく、極めて安定したコントロール性を示した。

強いて難点を挙げるなら切れ味や小気味よさには欠く。往なしと据わりのよさや繋ぎの巧さの裏返しなのだが、オーバーアクション気味の運転を好むドライバーには適さないだろう。

「クラウンスポーツ」を一言で纏めるなら「遊び足りない大人のために」という感じだ。ステータス性よりも若々しい自由さを求めたパッケージングやスタイル。雑味少なく信頼感の高い走り。ヤンチャするほど子供ではないが、心はまだまだ「はつらつ」としている。そんなドライバーのためのクラウンなのだ。

■クラウンスポーツ(プロトタイプ)主要諸元
・全長:4,710mm
・全幅:1,880mm
・全高:1,560mm
・ホイールベース:2,770mm
・タイヤサイズ:21インチ
・乗車定員:5名
・パワートレーン:HEV(ハイブリッド)/PHEV(プラグインハイブリッド)
・駆動方式:4WD

こんな記事も読まれています

新型プリウス発売から1年半…待望の「GRプリウス」出るか? 出るならどんな実力か??
新型プリウス発売から1年半…待望の「GRプリウス」出るか? 出るならどんな実力か??
ベストカーWeb
KINTO、法人/個人事業主を対象としたサポートデスクを開設
KINTO、法人/個人事業主を対象としたサポートデスクを開設
月刊自家用車WEB
[15秒でわかる]日産『GT-R』、北米向けの生産終了…最終章の限定モデル
[15秒でわかる]日産『GT-R』、北米向けの生産終了…最終章の限定モデル
レスポンス
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
ホンダ「“2列6人乗り”ミニバン」がスゴイ! 「前列に3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! めちゃ“クセ強”な「エディックス」とは?
くるまのニュース
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
motorsport.com 日本版
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
シングルカムは性能がイマイチ……ってわけでもない! クルマのエンジン「DOHC」と「SOHC」は何がどう違う?
WEB CARTOP
ポルシェ最大の超高級電動SUV、デビューは2027年? コードネーム「K1」にせまる
ポルシェ最大の超高級電動SUV、デビューは2027年? コードネーム「K1」にせまる
レスポンス
運転免許をもつ[日本人の8.1%]が75歳以上の高齢ドライバーってマジ!? その世代に向けての警察庁の[策]も気になる!
運転免許をもつ[日本人の8.1%]が75歳以上の高齢ドライバーってマジ!? その世代に向けての警察庁の[策]も気になる!
ベストカーWeb
実現は5年後? F1王者ハミルトン、MotoGPチーム買収の噂に「何だってあり得る」とはぐらかしつつも興味認める
実現は5年後? F1王者ハミルトン、MotoGPチーム買収の噂に「何だってあり得る」とはぐらかしつつも興味認める
motorsport.com 日本版
日産「“新型”小さな高級SUV」発表! “真一文字テール”がカッコイイ! 「斬新ストライプ」×クラス超え「豪華内装」装備の「新キックス」登場
日産「“新型”小さな高級SUV」発表! “真一文字テール”がカッコイイ! 「斬新ストライプ」×クラス超え「豪華内装」装備の「新キックス」登場
くるまのニュース
今度こそ本当の夜明け。メルセデスF1、“ぬか喜び”の呪縛から解放へ……前戦で棚ぼた優勝もこれまでとは違う?
今度こそ本当の夜明け。メルセデスF1、“ぬか喜び”の呪縛から解放へ……前戦で棚ぼた優勝もこれまでとは違う?
motorsport.com 日本版
道路版つくばエクスプレス「都市軸道路」7月延伸! “茨城の横軸”へついに接続 「圏央道直結」も着々!?
道路版つくばエクスプレス「都市軸道路」7月延伸! “茨城の横軸”へついに接続 「圏央道直結」も着々!?
乗りものニュース
2024年1~6月期の外国メーカー車販売、EVが初の1万台超え シェアは9.5%
2024年1~6月期の外国メーカー車販売、EVが初の1万台超え シェアは9.5%
日刊自動車新聞
ラグジュアリーなクルマのある暮らしを愉しむWEBマガジン「AQ」が創刊!
ラグジュアリーなクルマのある暮らしを愉しむWEBマガジン「AQ」が創刊!
@DIME
1900馬力の加速は猛烈! “フェラーリのデザイン”でもおなじみ「ピニンファリーナ」が自ら手がけた「F1より速いスーパーカー」のスゴさとは?
1900馬力の加速は猛烈! “フェラーリのデザイン”でもおなじみ「ピニンファリーナ」が自ら手がけた「F1より速いスーパーカー」のスゴさとは?
VAGUE
トヨタ斬新「MR-S GR」投稿!? 大開口グリルが印象的なミッドシップマシンに! インスタに現れた実物車とは
トヨタ斬新「MR-S GR」投稿!? 大開口グリルが印象的なミッドシップマシンに! インスタに現れた実物車とは
くるまのニュース
フルカウルがカッコいい! 日常での扱いやすさを追求したスズキの軽二輪ロードスポーツ「GSX250R」に乗ってみました
フルカウルがカッコいい! 日常での扱いやすさを追求したスズキの軽二輪ロードスポーツ「GSX250R」に乗ってみました
バイクのニュース
スタンダードフルバケットシートをクラシカルに…ブリッドから「ZETA IV Classic」発売
スタンダードフルバケットシートをクラシカルに…ブリッドから「ZETA IV Classic」発売
レスポンス

みんなのコメント

36件
  • かっこいいデザインですね。
  • 金額が気になるが、クラウンクロスオーバーとの兼ね合いから500〜700万位かな?
    これくらいなら安いと思い買いたいが、後は納期。
    人気なのは確実だろうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村