4月23日、WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアの競技がスタートした。初日のデイ1はSS1~8が行われ、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がトヨタ勢を従え僅差でトップに立っている。
22日に行われたシェイクダウン、セレモニアルスタートに続きWRC初開催となる東欧クロアチアでのラリーが翌23日に開始された。今季初めてのフルターマック(舗装路)ラリーである今戦、その初日は4つのステージを午前と午後に各1回ずつ走行するスケジュールが組まれている。
そのなかで一際速さを見せたのはヒュンダイのヌービルだった。ベルギー人はSS1とSS2でトップタイムを連続で奪うと、午前のループ最後のステージSS4でも最速タイムを刻み、この時点で総合2番手につけていたエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)を7.3秒リードする。
これに応戦したのが王者セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)だ。引退を1年先送りして今シーズンを戦うフランス人ドライバーはSS1でタイヤのパンクに見舞われるも、ダメージを最小限に抑えてピンチを切り抜ける。
その後オジエはSS3で僚友エバンスとトップタイムを分け合った後、午後のループのSS6~8で3連続ステージウインを達成。キャリア通算600回目のステージ優勝を飾ると同時にSS8でチームメイトを逆転し、初日をヌービルに次ぐ総合2番手で終えた。なお、その差は7.7秒だ。
トップと8秒差、オジエとはわずか0.3秒差の総合3番手につけたエバンスはこの日、SS3でのベストタイムを含め一貫して好ペースを維持。すべてのSSで4番手以内に入る抜群の安定感で、虎視眈々の姿勢をみせた。
3台目のトヨタ・ヤリスWRCを駆るカッレ・ロバンペラはSS1でまさかのクラッシュ。史上最年少ポイントリーダーとして今戦に臨んだ彼のマシンは、スタートからわずか5.4km地点の右コーナーでコースを外れ、崖下の木に寄りかかって停止した。
幸いクルーは無事だったものの車両はロールケージが変形するほどのダメージを負っており、ラリー続行は不可能に。この時点でリタイアが決定した。
「それは本当に滑りやすい最後の下り坂のセクションだった。コーナーの入り口ですでにクルマのコントロールを失ってしまっていた僕は、適切なラインを走ることができず、そのまま直進した」と20歳のロバンペラ。
「少々スピードが出すぎていたこととアンダーステアが強かったこと、それがこの結果につながった。僕のミスだよ」
■新井大輝のWRC復帰戦は無念のリタイア
前戦の覇者オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は午前中のループにピレリのハードタイヤを選択して挑んだが、これが不発に終わる。午後のSS5でベストタイムをマークして挽回に転じるも、初日を終えた段階では総合4番手ながら首位とは31.9秒の差をつけられた。
チームメイトのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合5番手、Mスポーツのエイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)はWRカーデビュー戦で総合6番手につけている。以下、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、ピエール・ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、パンクや2度のスピン、ミスコースなどで順位を落とした勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が総合9番手となった。
今戦、WRC3クラスに出場しWRC復帰を果たした新井大輝(フォード・フィエスタ・ラリー2)はSS6でコースオフ。リタイアを喫している。
24日(土)に行われる第3戦クロアチアのデイ2は、引き続きサービスパークの南西エリアを舞台に、午前と午後に4本ずつ計8本のSSで争われる。その合計距離は121.92kmと今大会最長だ。
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carviewは再配信しなくていいです。