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【昭和の名車 134】三菱 ギャラン シグマはラグジュアリー性を打ち出した新時代のクルマ

掲載 更新 35
【昭和の名車 134】三菱 ギャラン シグマはラグジュアリー性を打ち出した新時代のクルマ

いよいよ新しい年、令和2年が始まった。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「三菱 ギャラン シグマ」だ。

三菱 ギャラン シグマ(A123A型):昭和51年(1976年)5月発売
1976年(昭和51年)5月に三菱自動車が市場投入したセダンが、ギャラン シグマだ。もともとギャランの名称は国際ラリーなどでの活躍で三菱の看板ブランドとなっていたが、どちらかというと走りの良さやタフさを象徴する方向だった。ただ、時代の変化を読んだ三菱は、このギャラン シグマでは路線を変更し、ソフトさや安全性、豪華さを打ち出した。昭和も50年代に入り、ハードなだけのクルマはニーズが限られるのも事実だった。シグマは従来のギャラン4ドアシリーズに変わるもので、トップグレードのGSRを含み13車種の豊富なバリエーションも特徴だ。ちなみにシグマの名称は「あらゆる面での良さを集大成した」という意味合いで採用された。

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搭載されるエンジンは、4G52型という2Lの直4 SOHCで「アストロン80」という愛称が与えられた。もっともパワフルなグレードのGSRでは、圧縮比アップとツインキャブによって最高出力は115ps/6000rpm、最大トルクは16.5kgm/4000rpmを発生していた。このエンジンを特徴付けていたのがサイレントシャフトを採用したことだ。

4気筒エンジンは二次振動が問題となる。この点では余計な振動がない6気筒が有利になる。しかし、アストロン80では、クランクシャフトの2倍のスピードでサイレントシャフトを回転させることで、二次振動を打ち消していた。それによって得られた静粛性は6気筒並みと言われた。厳しい排出ガス規制に対しては、サーマルリアクターとEGRを装着したMCAシステムで対応しクリアしている。

サスペンションは、フロントがストラット式を採用した。この形式ではロアアームはLアームやAアームが使われることが多いが、ギャラン シグマではIアームを使用したのがポイント。これはラリーで活躍したギャランのものを引き継いだかたちだ。リアは4リンク式リジッドを採用している。前後方向の位置決めをホーシングにつながるトレーリングアームで行い、左右方向の位置決めを2本のアッパーリンクによって行っている。それに加えて、ホーシングからトレーリングアームに斜めのリンクが2本つながり横剛性を高めている。これもギャランから引き継いでいる。

ブレーキはフロント:ディスク/リア:リーディングトレーリング式ドラムで、これはGSRだけでなく全グレードに採用されているのは先進的といえた。

クルマに対する安全意識もこの頃から高まってきており、ギャラン シグマでもウリとしてきている。事故のときには前後が潰れてキャビンを保護する3ボックスタイプボディを採用したことや、ただの3点式シートベルトではなく、通常はゆったりしていても、緊急時に自動ロックするGセンスタイプELR付ユニベルトを採用した。シートベルトウォーニングランプも付いているのは現代的だ。

その後、シグマの名前は三代続き1990年にディアマンテに引き継がれるかたちで23年間の長寿を保つ。それは、もともとの基本性能の高さを示すものといえるだろう。



三菱 ギャラン シグマ 2000GSR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4330×1655×1360mm
●ホイールベース:2515mm
●重量:1070kg
●エンジン型式・種類:4G52型・直4 SOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:115ps/6000rpm
●最大トルク:16.5kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR13
●価格:130万5000円

[ アルバム : ギャラン シグマ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

35件
  • 6つ並んだメーターが格好良かった。
  • ウチの最初の車がこれだった。免許を取る前に買い替えたので、運転したことはなかったが・・・
    バックギアに入れる時、シフトレバーをちょっと下へ押さないと入らないようになってたのを覚えてる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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