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英国はカローラをどうみる? 新型トヨタ・カローラ1.8ハイブリッドに試乗

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英国はカローラをどうみる? 新型トヨタ・カローラ1.8ハイブリッドに試乗

もくじ

どんなクルマ?
ー 英国自動車産業にとって嬉しいニュース
どんな感じ?
ー シャシー性能を活かせないパワートレイン
ー フォルクスワーゲン・ゴルフに通じる性格
「買い」か?
ー Cセグメントのリーダー候補
スペック
ー トヨタ・カローラ1.8ハイブリッド・ハッチバックのスペック

英国の評価 トヨタ・カローラ2.0ハイブリッド ホットなエンジン欲す

どんなクルマ?

英国自動車産業にとって嬉しいニュース

英国のユーロ離脱、いわゆるブレグジットに注目が集まる中、ホンダの英国工場閉鎖計画が発表された。しかし英国の自動車産業は、決して悪いニュースだけではない。それが今回の新しいトヨタ・カローラ。英国生産となるファミリー層向けのハッチバックだが、先月のスペインでの初試乗では、極めて優れた、クラスをリードできるポテンシャルを秘めていることがわかった。クルマは明確に成長を遂げており、復帰するカローラを英国から生み出せることには、誇りを感じてしまう。

今回のカローラは、先代のオーリスに置き換わるかたちで登場する。同クラスでの存在感という点では、オーリスは特に目立ったところがなかったことは読者ならご存知だろう。決して優等生ではなかったし、15~20台ほどがいたCセグメントのクラスメイトの中でも、むしろ最下位に属しているようなクルマだった。

すでに新しいカローラの概要については前回の初試乗レポートで触れているから、今回は実際に英国の道を走らせてみたダイナミクス性能について記してみたい。今回のテスト車両は1.8ハイブリッドのトップグレードとなる「エクセル」だったが、車内デザインやスペックは、グレード間では共通となる。

前回のスペインでの楽しい休日ドライブと異なり、英国で試乗するのは同じハイブリッドモデルでも低出力な方のクルマ。パワートレインに加えて、まったく新しく生まれ変わったシャシーが、英国の道で前回同様に優れた振舞いを披露してくれるのかどうか、試す機会となる。早速詳しく見ていこう。

どんな感じ?

シャシー性能を活かせないパワートレイン

カローラが搭載するドライブトレインは、基本的に現行のプリウスと同じ。1.8ℓのアトキンソンサイクル・ガソリンエンジンに、トヨタ自慢のダイレクトシフトCVTとハイブリッドシステムという駆動系を備えている。システム総合での最高出力は121psとなり、新基準WLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)複合モードでの燃費は23.0km/ℓで、二酸化炭素の排出量は83g/kmとなっている。

つまり運転感覚としては、プリウスのものと大差はない。特に興奮を誘うような要素はないかわりに、気を使わずにゆったりと走らせることはできる。今回のテストで様々な条件の道を走らせたが、燃費は18km/ℓ以上を表示することも珍しくなく、ロードマナーは穏やかなもの。エンジンの始動時や、ハイブリッド状態と完全にEV状態との切り替えも非常に静かに、気づかないうちに行われる。

発進加速時のトルクは充分で、0-50km/hくらいまでのダッシュ力には少し驚かされるだろう。しかしエンジンが中高回転域以上になると、CVTの悪癖とでもいおうか、回転音とともにエンジンだけが単独で動いているような感覚は隠せない。発進時は活発さを感じられるものの、スピードが乗ってくると走行性能は制限されたように大人しくなり、ドライバーとの関わりの密度も希薄になってしまう。

もし新しいカローラで積極的に走れるパフォーマンスを求めるなら、今回はテストしていないが、ハイブリッドモデルではない1.2ℓターボガソリンを搭載したクルマを選んだ方が良いかもしれない。残念なことに、ハイブリッドのパワートレインは、大幅に向上したシャシー性能を活かしきれていない。スペインで受けた印象と同様だった。

フォルクスワーゲン・ゴルフに通じる性格

置き換えられるかたちとなった先代のオーリスだが、直進性は良いとはいえず、運転する楽しさという点でも、まるで別世界のひとが設計したかのように評価できないものだった。しかし、この新しいカローラは異なる。ステアリングホイールに伝わる感覚は実際的で、乗り心地も速度域を問わずスムーズ。ボディコントロール性にも優れ、グリップ力にも不足はない。

シャシーセッティングは快適性も充分に保たれており、ドライビングポジションも良好で、ステアリングホイールやペダル類の操作に要する重み付けも適正。高速道路での長距離移動も、近所のスーパーマーケットへ買い物に出かけるように、楽しみながら気軽にドライブできるに違いない。フォルクスワーゲン・ゴルフが備えている性格に似ているといえるだろう。

このお手本のようなシャシーに注文を付けるなら、ブレーキング時のフィーリングが良くないことと、低速走行時に路面の凹凸や剥がれた段差などの振動を常に伝えてしまうこと。恐らくブレーキのフィーリングは回生ブレーキなど複雑な仕組みによるもので、乗り心地はハイブリッドシステムの重量によるものだろう。しかし、どちらもこのクルマの訴求力を失わせてしまうものではないと思う。

「買い」か?

Cセグメントのリーダー候補

欧州仕向けは英国で生産されることになる新しいカローラは、まるで英国の道を走るために開発されたような、優れた印象を与えてくれた。今回試乗したハイブリッド版は恐らくカローラのベストとはいえなさそうだが、それでも充分に良いクルマだと思う。

ハイブリッド・パワートレインの魅力は、お財布に優しいということくらいながら、シャシーの仕上がりは秀逸。Cセグメントのリーダー候補として、見事な完成度を得ている。カローラを見事に復活させたトヨタには、賛辞を送りたいと思う。

トヨタ・カローラ1.8ハイブリッド・ハッチバックのスペック

■価格 2万7345ポンド(388万円)
■全長×全幅×全高 4370×1790×1435mm
■最高速度 199km/h
■0-100km/h加速 9.3秒
■燃費 19.6~23.0km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 83g/km
■乾燥重量 1295kg
■パワートレイン 直列4気筒1798cc+電気モーター
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 120ps/5200rpm(システム総合)
■最大トルク 14.4kg-m/3600rpm(エンジン)
■ギアボックス CVT

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