現在位置: carview! > ニュース > カー用品 > アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話

ここから本文です

アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話

掲載 6
アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話

試したくてもなかなか試せない、リアルな防御性能

これまで、さまざまなバイクパーツやウェアなどを試してきましたが、セーフティグッズに関するレポートは歯がゆい思いが少なくありませんでした。例えば、ヘルメットの安全性について、自らコケて試すことはできません。不可能ではないものの、メーカーが想定するような条件を再現するのはなかなか難しい。また、ウェアに内蔵されるプロテクターというのも、お伝えできるのは「ライディングウェアの一部かのようで、動きづらいとは感じません」などと、肝心な〈防護性能についてリアルな感想〉からは程遠い表現になってしまうものです。

【画像8点】ヒットエアーのエアバッグシステム、MLV-Cの仕組みをチェック!

だいたい、クルマの衝突実験を見ればわかる通り、シートに座っているのは実験用のダミーであり、人柱になって命知らずなテストに挑もうなどということは滅多にない。あったとしてもそれは危険行為に等しく、とてもモーサイ読者にお届けできるものではありません。

しかし、テスターが不慮の事故を起こした際、「ヘルメットが役立った」「プロテクターのおかげでケガを免れた」といった証言はどうでしょう。防護製品のスペック、効果・効能を知ったテスターのリアルなインプレッションほど役立つものはありません。今回、お届けするのは筆者自身が心ならずも開いてしまった「着るエアバッグ:Hit-Air(ヒットエアー)」に関するインプレです。結論を先に述べておくと、「バイクの転倒時にこれほど有用なものはない」「普段からの着用を強くオススメしたい」この二点です。

装着アイテムは無限電光のエアバッグ「ヒットエアーMLV-C」(4万4000円)

無限電光の着るエアバッグ・ヒットエアーは、その名の通りライディングジャケットやレーシングスーツの上から着用ができるもの。ロード用やサーキット用といったスタイルに加え、上半身を広くサポートするタイプから、頸椎の損傷を防ぐ目的に特化したタイプなど、様々なニーズに応えてくれる製品がラインアップされています。

仕組みはとてもシンプルで、車体とエアバッグをつないだワイヤーロックが転倒・追突などによって外れると、エアバッグ内部にある炭酸ガスボンベのバルブが開き、瞬時(0.1-0.2秒)に膨らんで衝撃を緩和してくれるというもの。ちなみに、ワイヤーやロックの構造に工夫があり、マニュアル通りに装着すれば立ちゴケくらいで開くことは滅多にありません。ロックが外れるには約30kgの張力が必要なため、ロックを外し忘れて降車してしまったとしても引っ張り感があるためわりと気づきやすく、簡単に膨らんでしまうことはないと思います。

さて、筆者が着用していたのはMLV-Cというスタンダードタイプで、首から上半身、腰回りまでバッグが膨張してくれるモデル。普段から一般道はもちろん、サーキットでの練習走行などでも使い、なかば着用は習慣化していたといってもいいでしょう。ちなみに、酷暑の時期は薄手のインナーウェア一枚に、ヒットエアーだけでバイクに乗ったこともありました。あまりオススメできる服装ではありませんが、プロテクター入りメッシュジャケットの数倍は涼しくてとても重宝した記憶があります。

心ならずもコロコロ転がるも、ヘルメットの帽体には傷ひとつなし

で、10月のある日、筑波サーキット(TC2000)で練習走行をしていた時のこと。前回を上回るタイムを刻んでいたのですが、これが「もっとイケる!」という欲とか焦りのようなものを生んだのでしょう。最終ラップにほど近いタイミングで、第一コーナーへの突っ込みもいくらかオーバースピードだったかもしれません。あるいは、スピードこそ同じでも、アクセルを開けるのが早すぎたのかもしれません。いずれにしろ、ヤバいと思う間もなくあっという間に転倒し、グラベルゾーンへと滑っていったのでした。

この際、覚えているのは自分が丸太棒のようにコロコロと回転していたこと。どこかに衝撃を受けたかどうかというのはまったく覚えていません。そして、どういうわけかグラベルではうつぶせに倒れることなく、手と膝をついて四つん這いになっていたのです。

グラベルで我に返ると猛烈な息苦しさを覚え、バイザーをあげて息を吸い込もうとしたものの苦しくて我慢がなりません。この時「これでお陀仏か」と観念したこともお伝えしておきましょう。とどのつまり、息苦しさはエアバッグの膨張による身体側への圧迫が強烈だったということで、筆者が丸太のように転がったのも、身体の周囲に膨らんだエアバッグによる衝撃緩和の効果だったということ。あたかも、柔道黒帯の巧みな受け身をエアバッグが再現してくれた、といったらご理解いただけるでしょうか。

また、救護室でヘルメットをチェックして気づいたのですが、バイザーに擦り傷があったのみで、帽体はかすり傷すらありませんでした。これは首の後ろでバッグが膨張した効果と思われますが、後から首が痛くなったなどということも一切ありませんでした。

残念ながら、転倒時にどこかにぶつけたのか、左手の親指だけは脱臼してしまいましたが、その他の部位は病院でレントゲンを撮るまでもなくまったくの無傷・無損傷! これには、同行していたチームのメンバーはもちろん、救護室のナースさんまで驚いていました。バイク自体はスライダーが削れ、ハンドルバーが曲がった程度なので、さほど大きなクラッシュでもなかったかと。それでも、もしエアバッグを付けていなかったらと思うとぞっとします。それなりのスピードで、不意にコケたのですから、あばら骨の一本や二本は折れていても不思議ではなかったはず。地味に痛いですからね、あばらの骨折は(笑)。

一度開いても再度使えて、ボンベも自分で交換可能という納得のコスパ

さて、エアバッグの膨張後、炭酸ガスはしばらくすると自然に抜けてきます。その後は、展開したバッグを折りたたみ、再びスナップボタンで留めるだけ。実に簡単です。また、ボンベの交換も付属するレンチを使って5分とかからずできるかと。この手軽さも海外製品などに対する大きなアドバンテージだと思います。なお、滅多にないとされていますが、エアバッグが傷ついたり穴が開いたとなったら、無限電光は手厚いケアサービスを用意しています。遠慮なく問い合わせるなり、点検を依頼すべきでしょう。

安全に対するコストの負担感は人それぞれですが、ヒットエアーは価格面でも大いにアドバンテージがあります。およそ4~6万円で手に入り、MLV-C用の60cc容量の交換用ボンベなら1320円であり、付属する工具を使って自身で交換が可能となっています。対する海外の類似製品は、購入費用からしてヒットエアーの数倍というのがほとんどで、さらにひとコケ数万円、商品によっては定期的に点検費用がこれまた数万円かかるというセレブっぷり。ならば、ヒットエアーは価格だけでも一考に値すると言っても差し支えないでしょう。

さて、心ならずも体を張ってレポートできたのも、エアバッグが開いて無事に帰ってこれたからこそ。これからは「着るエアバッグ、いいよ! だって、筑波でコケた時にさぁ……」と、胸を張ってオススメしようと思います。

hit-air一体型エアバッグ・ハーネス「MLV-C」製品データ

●カラー:レッド、ブルー、ホワイト、ブラウン、ブラック
●サイズ:L(Medium/M~2XL対応)/2XL(Large/2XL~4XL対応)
●使用CO2ボンベ:60cc
●重量:1.15kg(Lサイズ)
●材質:600D(ポリエステル)、LUMIDEX、メッシュ(ポリエステル)、リップストップ(ナイロン)、エアバッグチューブ(ポリウレタン)
●装備品:伸縮ワイヤー、CO2ボンベ(60cc)、取扱説明書、工具セット(セッティングボルト、六角レンチ)
●関連オプション:胸部パッド、脊髄パッド、サイドパッド
●価格:4万4000円

レポート&フォト●石橋 寛

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「Z900RS」に新色の緑が追加!【カワサキ】ファンにはたまらない“ライムグリーン”がキタッ!  
「Z900RS」に新色の緑が追加!【カワサキ】ファンにはたまらない“ライムグリーン”がキタッ!  
モーサイ
普通二輪免許で乗れる本格クラシック!「メグロS1」&「カワサキW230」をダブワン乗りが試乗&解説
普通二輪免許で乗れる本格クラシック!「メグロS1」&「カワサキW230」をダブワン乗りが試乗&解説
レスポンス
「ALAUDAY東大阪店」なら個別洗車ブースで、純水、温水、高圧洗浄機などを自由に使えて1650円/30分  
「ALAUDAY東大阪店」なら個別洗車ブースで、純水、温水、高圧洗浄機などを自由に使えて1650円/30分  
モーサイ
ホンダ CR-V 次世代の発電システムeFCEVを搭載 エンジンが変わると高級車になる
ホンダ CR-V 次世代の発電システムeFCEVを搭載 エンジンが変わると高級車になる
Auto Prove
ホンダ軽初! 新型軽バン「エヌバンイー」に“斬新シフト”新採用! なぜシフトレバー廃止? 最新のスイッチ式は本当に使いやすいのか?
ホンダ軽初! 新型軽バン「エヌバンイー」に“斬新シフト”新採用! なぜシフトレバー廃止? 最新のスイッチ式は本当に使いやすいのか?
くるまのニュース
1500回充電可能なバッテリー搭載でコスパ抜群! マクアケで大人気の特例特定小型原動機付自転車「WEZONE電動バイク」の一般販売を開始
1500回充電可能なバッテリー搭載でコスパ抜群! マクアケで大人気の特例特定小型原動機付自転車「WEZONE電動バイク」の一般販売を開始
バイクのニュース
小さな子供のバランス感覚を養う!! GIANTのプッシュバイク「PRE PUSH BIKE」新色登場
小さな子供のバランス感覚を養う!! GIANTのプッシュバイク「PRE PUSH BIKE」新色登場
バイクのニュース
ホンダ「XL250S」は「23インチのワークブーツ」と呼ばれた林道ブームの主人公
ホンダ「XL250S」は「23インチのワークブーツ」と呼ばれた林道ブームの主人公
バイクのニュース
「KTM390シリーズがラインアップ超拡大!?」オフ車、モタード、新アドベンチャーが25年モデルとして発表
「KTM390シリーズがラインアップ超拡大!?」オフ車、モタード、新アドベンチャーが25年モデルとして発表
モーサイ
ダブワン乗りがW230を最速試乗! 新型なのに懐かしさがあり納得がいくワケとは!?
ダブワン乗りがW230を最速試乗! 新型なのに懐かしさがあり納得がいくワケとは!?
バイクのニュース
今はもうほとんど見られなくなったキャブ車、なぜなくなったのか
今はもうほとんど見られなくなったキャブ車、なぜなくなったのか
バイクのニュース
ACコブラ Mk2 347シリーズへ試乗 60年前とほぼ同じ! 「要求の高さ」がむしろ楽しい
ACコブラ Mk2 347シリーズへ試乗 60年前とほぼ同じ! 「要求の高さ」がむしろ楽しい
AUTOCAR JAPAN
工具不要で簡単セッティング!「ZETA フロントフォークトップキャップ<MX>」がダートフリークから発売
工具不要で簡単セッティング!「ZETA フロントフォークトップキャップ<MX>」がダートフリークから発売
バイクブロス
愛犬と乗れる電動バイク「Doggie/ドギー」先着100台限定の一般受注を開始!
愛犬と乗れる電動バイク「Doggie/ドギー」先着100台限定の一般受注を開始!
バイクブロス
MAXWIN のバイク用ドライブレコーダーなどが最大半額! 楽天スーパーSALE が12/4より開催
MAXWIN のバイク用ドライブレコーダーなどが最大半額! 楽天スーパーSALE が12/4より開催
バイクブロス
カワサキ メグロS1「230ccで72万円は高い論」に物申す! 実はエンジンまで専用仕上げ、そのこだわりに驚愕する
カワサキ メグロS1「230ccで72万円は高い論」に物申す! 実はエンジンまで専用仕上げ、そのこだわりに驚愕する
モーサイ
ドゥカティ、新型『ストリートファイターV4/V4 S』を発表。日本向けは標準で2シーター仕様か
ドゥカティ、新型『ストリートファイターV4/V4 S』を発表。日本向けは標準で2シーター仕様か
AUTOSPORT web
[冷たすぎ]ても[熱すぎ]ても[ダメ]!? クルマの冷却系の隠された技術
[冷たすぎ]ても[熱すぎ]ても[ダメ]!? クルマの冷却系の隠された技術
ベストカーWeb

みんなのコメント

6件
  • mik********
    私もヒットエア無しには恐ろしくてバイクに乗れない体になってしまっています。
  • もんちゃん
    車のシートベルトと一緒で安心感は違う
    免許を取った年齢はノーヘルOKな頃だった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村