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愛され続ける理由は「初代」にあった! 何代も続く「名家カー」のルーツを探る

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愛され続ける理由は「初代」にあった! 何代も続く「名家カー」のルーツを探る

 この記事をまとめると

■初代の存在が偉大すぎて、その勢いは今でも衰えない

前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5

■コンセプトは当時のまま進化していることが多い

■ネームバリューは圧倒的なので、それを生かした商品展開が今後も増えるだろう

 今でも売れ続ける人気モデル! 成功のカギは初代モデルにあり

 このところ、クルマの進化は著しい。脱炭素、自動運転社会に向けて、軽自動車から高級車に至るまで、全方位に近未来型のクルマが続々と登場している。それは、今から20~30年前、いや、それ以前のクルマ、ユーザーからは想像もできないことと言っていい。ここでは、人気モデルの初代にスポットを当て、その現代版の進化ぶりを振り返ってみたい。

 まずは、今、日本でもっとも売れているクルマ、コンパクトカーのトヨタ・ヤリスである。その起源は1999年まで遡る。その年にデビューした、スターレットの後継車となる初代ヴィッツは、国内だけでなく、欧米などの世界市場を意識した、日本のコンパクトカーの概念を変えた1台だった。

 その丸っこい内外装デザインはまるで欧州車、いやフランス車のようで、しかし、センターデジタルメーターや車内の収納の豊富さなど、じつに凝った、今でも通用する仕立てとなっていたのである。プラットフォーム、1リッター直4エンジン、足まわりなど、すべてが新開発であり、欧州仕様のユーロサス仕様まで加わり、当時としては、まるで欧州車に乗っているかのような雰囲気、走りが味わえたのだ。

 ボディサイズは全長3610~3660×全幅1660×全高1500mm、ホイールベース2370mmであった。また、プラットフォームを共用する車種として、ユーティリティモデルのファンカーゴ、セダンのプラッツが存在した。

 2代目はほぼ変わらないデザインを踏襲し、初代に続いて人気を博したが、2010年に登場した、現在のトヨタ車を思わせるフロントマスクを採用した3代目では、リーマンショックの影響もあって、全体的な質感がやや後退した印象を受けることになった。

 そんなトヨタ・ヴィッツは2020年3月に販売が終了。ちなみに、ご存じのとおり、ヴィッツの海外仕様は初代からヤリスのネーミングであり、2020年2月に登場した、今をときめくトヨタ・ヤリスは、まぎれもなくヴィッツの後継車であり、ネーミングをやっと世界で統一したことになる。

 とはいえ、かつてのヴィッツのような丸っこいデザインとは決別し、コンパクトながら、ダイナミックなデザインが特徴となる。ボディサイズは全長3940×全幅1695×全高1515mm、ホイールベース2550mmとなり、初代に対して、5ナンバーサイズを守りながらも拡大。しかも、ガソリン車とともに用意されるHVモデルは、WLTCモード燃費最高36.0km/Lという、HV専用車の最新のアクアを凌ぐほどの世界トップレベルの驚異的数値まで手に入れているのである。トヨタ最新の先進運転支援機能のトヨタセーフティセンスの装備など、初代のオーナーからすれば、隔世のコンパクトカーに仕上がっている。もっとも、依然、ライバルにある電子パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能は採用されていないのだが……。

 唯一無二の悪路最強ミニバンは初代も最強だった!

 世界最強の多人数乗車、ミニバンと呼べるのが、三菱のデリカD:5だろう。2007年に登場し、何と最初のビッグマイナーチェンジはおよそ12年ぶりの2019年2月。しかし、中身はフルモデルチェンジに近いもので、ダイナミックシールド採用の顔つきは、これまた最強の迫力ある強面となり、パワーユニットはクリーンディーゼルに集約。内外装の質感、装備、先進運転支援機能、さらには、それまでの重々しいテイストから一転、素晴らしく軽快でスムーズかつ静かに、山道でもスイスイ走れるデリカD:5に生まれ変わったのである。もちろん、アウトランダー譲りの走破性は今でも第一級。世界最強の多人数乗車、ミニバンと呼べるゆえんである。

 そんなデリカD:5のルーツ、というか、デリカの車名を冠した乗用車の歴史は、1969年のデリカコーチ、そして1979年のデリカスターワゴンから始まるのだが、ミニバンとしてのデリカ、馴染みあるデリカと言えば、1994年に登場した、2代目パジェロをベースに、ビルトインラダーフレーム構造まで譲り受けた、オフロード上等!! のデリカ・スペースギア以降ではないだろうか。

 当時からパワーユニットはガソリンと、メインのディーゼルエンジンが基本で、ボディサイズは全長4685~5085×全幅1695×全高1960~2070mm、ホイールベース2800~3000mmというものだった。車体は長く、高いものの、幅が5ナンバーサイズを基本としているところに時代を感じさせる。そして2007年に、デリカD:5に受け継がれることになるのだが、三菱自慢のSUV、オールラウンダーモデル(パジェロやアウトランダー)をベースとした、タフでめっぽう悪路に強い多人数乗車である点は、昔も今も不変である。

 なお、現在のデリカD:5のボディサイズは全長4800×全幅1795×全高1875mm、ホイールベース2850mmで、過剰に大きくなることなく進化を続けている。世界的に見ても、唯一無比の孤高の存在である。

 軽自動車界のレジェンドは初代にヒミツあり!

 つい最近、デビューしたスズキの軽自動車がワゴンRスマイル。もちろん、スズキの看板モデルでもあるワゴンRの背をちょっぴり高くし、両側スライドドアを設けた、ダイハツ・ムーヴキャンバスのライバル車であることは言うまでもないのだが、振り返れば、1993年に発売された初代ワゴンRは、日本の軽自動車界にとってまさに革命的モデルでもあったのだ。

 今ではワゴンRが属するハイトワゴン系や、スペーシア、N-BOX、ルークス、タントがしのぎを削るスーパーハイト系軽自動車が勢ぞろいし、もっとも人気で売れているモデルになっているが、初代ワゴンRがデビューした1990年代初頭以前の軽自動車は、セダンタイプか商用車派生のワンボックスしかなかった時代である。そこで軽自動車メーカーのスズキが、いわゆるハイトワゴンというジャンルの、つまり背が高く、フラットフロアの、室内空間の余裕と乗降性の良さを持つ初代ワゴンRを”発明”したのである。プラットフォームは4代目セルボのものを使っているが、フロアの二重構造(カサ上げ)によって前後席のフラットフロアをいち早く実現。運転席側リヤドアのないモデルもあったのが、ユニークだった。

 1998年にはキープコンセプトの2代目に移行。2003年に登場した3代目は、初代を思わせるスクエアなデザインで登場し、軽自動車の市販車として初の直噴ターボも設定。2008年に4代目、2012年に5代目、そして2017年には現行型が登場。全方位で洗練度を極め、ISG(モーター機能付き発電機)を用いる、モーターアシストの作動域を拡大したマイルドハイブリッドモデルがメインとなっている。

 ちなみに初代ワゴンRのボディサイズは全長3295×全幅1395×全高1640~1695mm、ホイールベース2335mm。最新モデルは全長3395×全幅1475×全高1650mm。ホイールベース2460mm。全長と全幅の拡大は、もちろん、軽自動車の規格の進化となる。走りの爽快感、気持ち良さ、前方視界の良さは、ハイトワゴン軽のパイオニアならではの意地を見せ、クラストップレベルと思えるほどだ。

 そんなワゴンRに、今ではスーパーハイト系のスペーシアとワゴンRの中間的全高と両側スライドドアを備えたスマイルが加わったのだから、スズキの軽自動車ラインアップの選択肢が大きく広がったことになる。言い方を変えれば、両側スライドドアモデルの追加で、それまでハイト系ワゴンとしてリヤヒンジドアを貫いてきたワゴンRの歴史が、大きく変わったとも言えるのだ。

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