現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 中間地点で「荷物を交換」して「Uターン」! 「物流中継地点」がもたらす「絶大な効果」とそれでも残るクルマによる「物流の問題」

ここから本文です

中間地点で「荷物を交換」して「Uターン」! 「物流中継地点」がもたらす「絶大な効果」とそれでも残るクルマによる「物流の問題」

掲載 48
中間地点で「荷物を交換」して「Uターン」! 「物流中継地点」がもたらす「絶大な効果」とそれでも残るクルマによる「物流の問題」

 中継輸送拠点は「画期的」な試み!

 高速道路を運営するNEXCO中日本は、2018年に新東名高速道路の浜松のサービスエリア近くに、中継輸送拠点「コネクト浜松」を開設した。目的は、トレーラーでの輸送に際し、東京~大阪の中間地点となる浜松で、東西双方から来たトレーラーのコンテナを交換することにより、運転者の疲労軽減などに役立てようというのである。

「載るんだからいい」「バレなきゃOK」は通用しない! トラックの「過積載」がもつ重大リスクと悲惨な事故とは

 具体的には、従来は東京~大阪を往復すると、約1200kmの走行距離となり、途中の休憩を入れると往復に数日かかった。しかし、中間地点の浜松でコンテナを交換し、再び東京または大阪へ戻ることができれば、片道約600km×2で走行距離自体は約1200kmで変わらなくても、それぞれの地元へ戻るので、往復に費やす日程は半分で済む。その分、帰宅しやすくなり、自宅で休養をとりやすくなる。

 宿や仮眠所での休憩を減らし、自宅でくつろげる時間を増やすことは、精神的な緊張をより和らげることになるだろうし、十分な休養は交通事故の抑止にもつながる。ことにトレーラー輸送においては、コンテナの交換という簡単な作業で実施できるので、この浜松での事例を参考に、国土交通省は、中継拠点をガソリンスタンドなどと同じようにサービスエリアやパーキングエリアの付帯設備と位置づけ、高速道路を降りなくても実行が可能になるよう検討を進めるという。

 ただし、トレーラーでの輸送はトラックとトレーラーを使う輸送の20%にも満たない状況であり、圧倒的にトラックでの輸送が多く、この方式は長距離トラックでの効果は未知数だ。

 トラックやトレーラーへの物流の依存は、永年にわたり重量(トン)ベースで9割に及び、偏った依存体質は変わっていない。トン・キロと呼ばれる1kmあたり何トンの荷物を運んでいるかという指数では、海運が48.7%で、長距離移動になるほど船での輸送が増えてくる。それでも、物流の総量で見ればトラック依存体質が変わっていないのが現状だ。

 物流の根本解決にはモーダルシフトが大切!

 そうしたなか、トラック運転者不足が近年の課題だ。そこで改めて、モーダルシフトを検討する必要があるのではないか。

 モーダルシフトとは、物流手段を転換することをいう。たとえば、いまはトンベース、トン・キロベースともに利用の低い鉄道を再検討してもいいのではないか。

 赤字続きといわれてきたJR貨物が、10年ほど前から黒字に転じてきている。まさにモーダルシフトの効果であり、鉄道輸送はトラックに比べ二酸化炭素排出量が1/13といわれる。

 さらにコロナ禍にあって、乗客の減った新幹線は、貨客兼用の試験的な取り組みとして、荷物を客室に持ち込み運搬することを行った。ことに高付加価値の生鮮食料品などは、トラック輸送に比べ早く目的地へ持ち込め、当日収穫した食材をその日の夕方には消費地の店へ届けられることが実証されている。たとえば、JR東海の場合、「のぞみ」でなくても、「こだま」でもトラック輸送よりは早く、各駅に停車するので、利用しやすいのではないか。

 ネット通販が日常となった今日、トラックの運転者不足という課題と、環境対策を含め、モーダルシフトを活かした抜本的な改革こそ、時代にあった21世紀の物流を創出するのだと思う。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

走りは爽快!! 中古で人気の4代目ルノー ルーテシアは新型フィットより魅力的!?【10年前の再録記事プレイバック】
走りは爽快!! 中古で人気の4代目ルノー ルーテシアは新型フィットより魅力的!?【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
自転車の「ながら運転」厳罰化! ドイツにはもっと厳しく複雑な自転車ルールがありました…逆走には要注意です【みどり独乙通信】
自転車の「ながら運転」厳罰化! ドイツにはもっと厳しく複雑な自転車ルールがありました…逆走には要注意です【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
ジュリエッタ・ユーザーを呼び戻す? アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカへ試乗 HVも登場!
ジュリエッタ・ユーザーを呼び戻す? アルファ・ロメオ・ジュニア・エレットリカへ試乗 HVも登場!
AUTOCAR JAPAN
160万円でガルウイングドアが買えた! トヨタ「セラ」はバブルが生んだマイクロスーパーカーでした…今見ても新鮮なデザインに再注目です
160万円でガルウイングドアが買えた! トヨタ「セラ」はバブルが生んだマイクロスーパーカーでした…今見ても新鮮なデザインに再注目です
Auto Messe Web
オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
オコン&ガスリーの幼なじみペアがダブル表彰台に感無量「最終ラップ、カート時代に思いを馳せた」アルピーヌは6位に
AUTOSPORT web
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
F1がまだ「めちゃくちゃ」だった頃の話 ひどいチームで溢れかえった80~90年代 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
ジャガー、英国で新車販売終了 ラインナップ総入れ替え 2026年まで中古車のみ
AUTOCAR JAPAN
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
特別な青を纏ったベントレー「ベンテイガS」完成! 英国ファッションデザイナーとコラボした限定車は、電動化延期が影響していた…!?
Auto Messe Web
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
ホンダ新型「スーパーカブ×ハローキティ」初公開! サイドカバーの「飛び出すキティ」が凄すぎ! 超人気の「2大巨頭」奇跡のコラボで発売へ!
くるまのニュース
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
スペックはディーゼルに見劣りするトヨタ「ランドクルーザー250」のガソリン車 “気になる街中での印象”は? 充実した装備類で“コスパは最強”
VAGUE
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
真夏も真冬も車内で寝る必要があるトラックドライバー! アイドリングが御法度なイマドキの「冷暖房」事情
WEB CARTOP
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
F1の新規ファンが増えない根本理由 75周年を機に開かれる未来への道筋とは?
Merkmal
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
「僕よりも大変な人たちがいる」アロンソ、激痛襲われるもサンパウロ完走でマシン修復のチームや豪雨被害バレンシアに勇姿見せる
motorsport.com 日本版
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
【BMW 1シリーズ 新型】色々なボディカラーで楽しんで
レスポンス
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
PPのノリス、赤旗で後退しタイトル争いにも打撃「ライバルはラッキーだったが、僕は不運だった。戦略に誤りはない」
AUTOSPORT web
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
「“暗い色”増えたなぁ…」 自動車カラーのトレンドが一気に“地味化”へ!? “とにかく明るい色”から一転のワケ
乗りものニュース
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
「ヘッドライトが眩しいクルマ」なぜ増えた? 信号待ちで「ライト消さない人」が多数派になった理由とは? ヘッドライトの“新常識”ってどんなもの?
くるまのニュース
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
小さいジープはいかが? ブランド最小のSUV「アベンジャー」がEVで登場! 【新車ニュース】
くるくら

みんなのコメント

48件
  • その前にトラックがちゃんと休憩出来るスペースが先。特にトレーラーは止まるスペースないし、無理に停めれば出れなくなる。
  • 海コン、雑貨や路線のみだろうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

133.7213.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.9269.0万円

中古車を検索
コロナの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

133.7213.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.9269.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村