F1第11戦ハンガリーGPをポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)は最終的に3番手でレースを終えたが、彼にとってはこれ以上ないほどタフなレースとなった。
レースはスタート直後の多重事故が原因で赤旗中断となった後、フォーメーションラップを挟んでスタンディングスタートで再開されることとなった。コースインした時点では全車がインターミディエイトタイヤを装着していたが、乾きつつある路面を見た各車はフォーメーションラップの終わりに一斉にピットになだれ込みドライタイヤに交換。ハミルトンだけがステイアウトし、ひとりだけグリッド上でスタートを迎えるという異様な光景が見られた。
■2番手フィニッシュのベッテル、まさかの失格! 規定量の燃料サンプルを採取できず
明らかにコンディションに合っていないインターミディエイトでスタートを迎えたハミルトンは翌周にピットインしたが、これで最後尾に転落。怒涛の追い上げを見せたものの、エステバン・オコン(アルピーヌ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)に次ぐ3番手でフィニッシュするのが精一杯だった(ベッテルに失格裁定が出た影響で結果は暫定のものとなっている)。
パルクフェルメでのインタビューでも疲れた様子を見せていたハミルトンだったが、彼はその後のインタビューや記者会見を欠席し、医師の診断を受けていた。メルセデスの広報担当者はハミルトンの状態について「疲労と軽いめまい」に苦しんでいると明らかにした。
ただ、メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ハミルトンの健康状態においてそれほど大きな懸念はないと述べた。
「まだ話ができていないが、彼にはドクターが付き添っている」とウルフは語った。
「この暑さに加え、彼はレース中に何度もオーバーテイクをした訳だから無理もない。疲れ果てているだろう。彼は大丈夫だと思うが、一応大事をとった方がいい」
またハミルトンはパルクフェルメでのインタビューでは、順位を上げるために必死だったため、もう力は残されていないと語っていた。
「今日は本当にキツいレースだった」とハミルトンは言う。
「僕たちは毎回自分たちで困難な状況を作り出してしまっているね。グリッド上に僕たちしかいなかったなんてクレイジーだった」
「でもこういうこともあるし、そこから学んでいかないとね。僕は全力を捧げたし、最後の方は力が残っていなかった」
非常にタフなレースとなったハミルトンだが、ライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が10位に終わったことにより、ポイントランキングでは彼を抜いて首位に返り咲いた。
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