フェラーリのGTスポーティング・アクティビティーズ部門責任者は、イタリアのブランドがV6エンジンを搭載した新型スポーツカーの“ショーケース”として来年、GT3レースのプロクラスで『フェラーリ296 GT3』の存在感を示すことを目指していると語った。
先月末に発表されたフェラーリの新型GT3カー『296 GT3』は、2023年1月末にアメリカ・フロリダ州で開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦、デイトナ24時間レースでデビュー飾る予定であり、少なくとも1台はプロフェッショナルカテゴリーであるGTDプロクラスに投入されることが予想されている。
フェラーリ、新世代GT3カー『296 GT3』を公開。すべてを刷新し幅広いドライバー、レースに対応
フェラーリGTレース部門のボス、アントネッロ・コレッタは「断言することは難しいが、デイトナでは5、6台が出場することを期待している」と語り、「それ以上ならばとてもハッピーだ」と続けた。
「リシ(・コンペティツィオーネ)のマシンがGTDプロで見られると信じている。AFコルセがプロクラスに参加するかどうかは分からないが、GTDクラスには確実に入っているだろう。いまはまだ早い。もう数カ月が経ってから確認する必要があると思う」
リシ・コンペティツィオーネがフェラーリ296 GT3を発注したことを確認したコレッタは、ヒューストンに拠点を置くチームがIMSAでフルシーズンのプログラムを実行することを望んでいる。
長年にわたってフェラーリで活動してきたリシは今年、デイトナとセブリング、ワトキンス・グレン、プチ・ル・マン(ロード・アタランタ10時間)で構成される“ミシュラン・エンデュランスカップ”の4戦にのみ参戦している状況だ。
「IMSAのGTDプロにフル参戦することは、とても重要なことだ」とコレッタは語った。
「私の目標は、世界でもっとも重要な各選手権ごとにプロカーを投入することだ。しかし、それは簡単なことではない。なぜなら我々は来年、多くのプロジェクトに関わっているためだ」
「最大の焦点は(WEC世界耐久選手権の)LMHル・マン・ハイパーカーと(IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ)の296 GT3だろうが、IMSAでGTDプロカーを持つことも我々の目標のひとつとなる。アメリカはフェラーリにとってもっとも重要なマーケットだからだ」
「来年はIMSAのフルシーズンを戦うクルマが4~5台ほしい。おそらくリシが1台、GTDで3台だろう。リシのプログラムがフルシーズンであることを望んでいるが、彼に頼む必要がある」
■バサースト12時間への投入は困難
ガルフ12時間を加え年間5戦となる2023年のIGTCなど、他のGT3シリーズへのプロエントリーについて尋ねると、コレッタはオールプロのドライバーラインアップでマシンを披露することの重要性を強調した。
「我々のクルマで、すべての大陸をカバーできることを願っている。それが難しいレースはバサースト12時間になるだろう」とコレッタ。
「2023年はフェラーリ296 GT3にとって最初のシーズンであるため、このレースに向けて新車が用意できるかどうか分からない。正直なところ、それは難しいと思っている」
「一方、その後の重要なチャンピオンシップでは、すべてカバーすることになると考えている」
「このクルマについては多くの関心を寄せてもらっている。今後、(各レースで)少なくとも1台の296 GT3を見ることは難しくないと思う」
「その中でフェラーリは、プロカテゴリーにマシンを持つ必要がある。このクルマがレースに勝てることを証明する必要があるためだ。来年は非常に重要な1年になるだろう」
■ハイパーカードライバーも引き続きGT3レースに投入へ
コレッタによれば、2023年のWECハイパーカークラスに参戦するフェラーリは、LMHドライバーをさまざまなGT選手権に参加させることも想定しているという。
つまり、フェラーリがワークスドライバーを大幅に増やすことはないことが予想される。
「我々には重要な数のドライバーがいる」とコレッタは述べた。
「ドライバーはファミリーの一員であり、私にとっては(ラインナップを)維持することが非常に重要なんだ」
「彼らの一部はLMHプロジェクトに参加するだろうが、LMHだけではない。私は彼らの一部にLMHとGT3の両方に参加することを望んでいる。いつ、どこで、何をするのか理解する必要があるが、これが私たちのアイデアだ」
「いまのGTEと同じようなかたちだ。同じラインアップが世界中で行われている他のGT3チャンピオンシップでも見ることができる」
「たしかにLMHはGT3よりも重要なプログラムだが、正直に言ってたった7レースだ。年間20レースあるわけではない」
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