ルーフのソーラーパネルで駆動&12Vバッテリーに充電できる
トヨタ新型プリウスPHV(プラグイン・ハイブリッド)が、「スマートコミュニティJapan2016」にて日本で初公開された。プリウスPHVとしては2代目となる。
プリウスPHVなどのプラグイン・ハイブリッドは、外部から駆動用バッテリーに充電できることが通常のハイブリッドと異なる点だ。新型プリウスPHVは、家庭用の200Vで約2.5時間、100Vで15時間で満充電になる。また、急速充電では約20分で80%の充電が可能だ。
もちろん完全にモーターのみの走行をするEVモードをもち、満充電からの走行距離は60km以上(JC08モード)、最高速度は135km/hまで出すことができる。先代のプリウスPHVが、距離26.4km、最高速度100km/hだったことを考えればその進化の度合いがわかるだろう。
そして最大の注目はルーフに搭載されたソーラーバッテリーだろう。じつは先代のプリウス(30型)にもソーラーバッテリーをオプションで搭載できたが、これは外気導入による空調のみに使われるものだった。新型プリウスPHVは、このソーラー発電による電力で、駆動用バッテリー、そして12Vバッテリーへも充電される。これは世界初のシステムだ。普通のハイブリッド・プリウスは、12Vバッテリーが上がってしまうとシステムの起動ができないため、駆動用バッテリーに電力があっても走ることができなかった。ソーラーシステムがあればそういったバッテリー上がりもほとんどなくなるだろう。
もうひとつ、デュアルモータードライブ、と呼ばれる機構が加わった。トヨタのハイブリッド車はTHSIIと呼ばれるハイブリッドシステムを使用する。このなかでキモとなるのが、プラネタリーギヤを使用した動力分配機構だ。これは、エンジンの動力を充電もしくは直接駆動力に回したり、エンジンとモーターの動力を組み合わせたり、タイヤからの回生エネルギーとエンジンの動力を同時に充電に回す、といったことを行うシステムである。これにワンウェイクラッチを加えたことで、EV走行時に、動力用のモーター+発電用のジェネレーターをモーターとして駆動させて、合算した力を動力とすることが可能になった。
室内で目を引くのは11.6型の大径ディスプレイだ。これはT-Connect SDナビゲーションシステムで、通信機能付きのナビはもちろん、エアコンなどの操作も可能。見た目どおり、タブレットのような直感操作ができるものだ。
(文:WEBCARTOP編集部 石田貴臣)
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