■レーサータイプからオフロードまで、多彩なバイクが発売されていた
1995年10月に初放送された「新世紀エヴァンゲリオン」は、人類の敵である使徒と戦う少年少女たちを描いたアニメとして、大ヒットを記録しました。近年はリメイク作品として「新劇場版」が製作・公開されるなど、国内外に根強いファンが存在しています。
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今回は、「新世紀エヴァンゲリオン」が放送された1990年代に登場したホンダとヤマハのバイクをピックアップして紹介します。
●ホンダ NSR250R
NSR250Rは、エヴァンゲリオン放送の2年前にあたる1993年に、4代目にあたる最終型のモデルが発売されました。
NSRは、「New Sprinter Racing」の頭文字を取っており、当時絶大な人気を誇った「レーサーレプリカ」と呼ばれるモデルです。現在では市販車にほとんど搭載されなくなった、軽量コンパクトな2ストロークエンジンを搭載していることが特徴で、4ストロークモデルに比べ鋭い加速やパワーを発揮できるというメリットもありました。
NSR250Rは、1986年に初代「NSR250R」が発売されました。それ以降、レース車両のような外観は第第引き継がれ、1987年に発売された2代目、1990年に発売された3代目も、レースファンを中心に人気を集めました。
●ホンダ XR250
XR250は、エヴァンゲリオン放送開始と同じ年の、1995年に発売されました。悪路など不整地を走行するモトクロスバイクとしてつくられているため、普通のバイクに比べて背が高く細身の外観をしています。
当時、ホンダではモトクロスバイクとして「XRシリーズ」をラインナップしていました。最初は海外で行われるレース用バイクとして、排気量の小さな「XR50」が1970年代に販売されましたが、日本では競技用としてXR250Rを公道モデルとして、XLR250RやXLX250などを販売し、1995年XR250/BAJAと名前が統一されました。
その理由については諸説ありますが、もともとレースに使われていたモデルだったため、バッテリーやセルモーターを追加したり、それに伴う設計変更が必要だったとされる説があります。
●ヤマハ TZM50R
TZM50Rは、NSR250Rと同じ1993年に発売されたバイクです。
TZM50Rは、二輪のレースで活躍していたヤマハ「YZR」シリーズの流れを汲むモデルで、YSR50の後継車種として販売されました。YSR50はミニバイクレースで人気でしたが、TZM50Rもミニバイクレースで性能を発揮しました。
1993年世界グランプリ250ccクラスにおいて、17年ぶりに日本人のチャンピオンとなった原田哲也選手のマシンと同様の特別仕様車「テレコールカラー」が追加され、TZM50Rには限定モデルとして人気を集めました。排気量50ccの原動機付自転車という手軽さも、TZM50Rがユーザーに受け容れられる理由になったと考えられています。
また、当時は絶大なる人気を誇ったホンダの50ccモデル「NSR50」がラインナップされており、TZM50RはNSR50に対抗するために発売されたバイクと言われることもありました。
●ヤマハ TRX850
TRX850は、エヴァンゲリオン放送開始と同じ年に、ヤマハから発売されました。
現在大型ロードバイクでは4気筒エンジンが主流となっていましたが、TRX850は並列2気筒エンジンを搭載しています。海外の大型バイクで2気筒エンジンを主に採用しているのは、イタリアのバイクメーカー「DUCATI」やアメリカの「ハーレー・ダビッドソン」、ドイツの「BMW Motorrad」などが挙げられます。
また、多くのバイクはエンジンを支えるために、フレームがエンジンを包みこむ構造をしていますが、TRX850はエンジンの下側にフレームがありません。こうしたダイアモンドトラスフレームや2気筒エンジンなどの特徴は、ドゥカティを彷彿とさせることがあり、一部のファンからは「ヤマハ製のドゥカティ」と揶揄されることもあったようです。
TRX850は鈴鹿8時間耐久ロードレースなどの競技に参加したこともあり、他のバイクには無い個性から、根強い人気を集めるモデルとなっています。
※ ※ ※
1980年代から現在に至るまで、ホンダとヤマハは二輪車レースの最高峰「世界ロードレース選手権(500ccクラスからMotoGP)」でトップを争っています。
レースで培われた技術が市販車にフィードバックされることもあり、同時代には、多くのハイパフォーマンスモデルが発売されていました。現在でも、ホンダからは競技用車両の「CRF」シリーズや、ヤマハからはレース車両に匹敵する「YZF」シリーズが販売されています。
両社は良きライバル関係とされることもあり、今後もユーザーにとって刺激的なモデルを発表してくれるでしょう。
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