ティエリー・ヌービルは、ヒョンデと新たに1年契約を締結。来シーズンのWRC(世界ラリー選手権)も引き続き同メーカーから参戦することとなった。
ギリシャのアクロポリスラリーを前にしてWRCのポイントリーダーにつけているヌービルは長らくヒョンデで活躍してきたが、今年が現行契約の最終年となっていた。今回の契約更新で、ヒョンデでの12シーズン目を迎えることが決まった。
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ヌービルがチームに加入したのは2014年。同年はヒョンデがWRC復帰を果たしたタイミングだった。この年ヌービルはドイツで優勝を飾り、自身とメーカーにとっての記念すべき初勝利となった。以降はエース格としてチームを引っ張り、タイトル獲得経験こそないものの数多くの優勝を記録している。
ヒョンデはヌービルに加え、2019年のWRCドライバーズチャンピオンであるオット・タナクとのオプション行使を発表済み。タナクは2020年にトヨタからヒョンデに加入し、昨年はM-スポーツ・フォードに移籍したが、1年で出戻りして今に至る。ラリー・フィンランドでのリタイアが響いてヌービルとのポイント差が空いてしまったが、ヌービル、セバスチャン・オジェ(トヨタ)に次ぐ現在ランキング3番手につけている。
ヌービルとタナクという有力ドライバーふたりが共に残留することとなったヒョンデだが、チームの将来は気になるところ。ヌービルは昨年、Autosportに対して2026年までの2年契約を結びたいと話していたが、ヒョンデは2026年のWEC(世界耐久選手権)参入を計画していると言われているため、それに伴いWRCからは徹底するのではないかとの憶測もある。実際、ヌービルとタナクとの契約も来季まで。2025年から先のことは不透明だ。
今回の契約更新に際し、ヌービルは次のようにコメントした。
「2025年のFIA世界ラリー選手権に向けて、ヒョンデ・モータースポーツとの契約を延長することができて大変嬉しく思う」
「モータースポーツ界で僕たちほど長いパートナーシップはあまりないと言えるけど、2014年以来、共に大きな成功を収めてきた」
「以前も言ったように、このチームは僕にとって第二の家族であり、その野心とモチベーションは年々高まっている。今シーズンの終わりに彼らとともに初のドライバーズタイトルを獲得し、それを12年目のシーズンにつなげることができれば、とても光栄なことだ。僕たちの未来がどうなるのか、待ちきれない」
また、ヒョンデのチーム代表であるシリル・アビテブールは、以下のようにコメントを寄せた。
「2025年のFIA世界ラリー選手権で、オット・タナクと共にティエリー・ヌービルを起用できることを嬉しく思う」
「ヒョンデ・モータースポーツでこの競争力あるペアを維持するとを決定したことは、2025年に再び3部門での選手権タイトルを狙うという我々の意気込みを強調するものだ」
「ティエリーは参戦当初からヒョンデ・モータースポーツに在籍し、この11年間、ステージでもファクトリーでもチームにとってかけがえのない存在であることを証明してきた」
「彼と彼のコ・ドライバーであるマルティン・ウィダグが来季の契約を結んだことで、我々はこのスポーツの頂点で戦い続けるために必要な要素をすべて手に入れることができたと言える」
なお、ヒョンデの3台目のi20 N Rally1をドライブするクルーについてはまだ発表されていない。アビテブール代表は以前、この3台目のエントリーについてエサペッカ・ラッピ、アンドレアス・ミケルセン、ダニ・ソルドの3人でシェアするというシナリオを模索していると話していた。
しかし現状では、M-スポーツ所属のアドリアン・フルモーになるのではないかとも言われているが、一方でM-スポーツとしても、チームのエース格のドライバーを引き留めたいと考えているようだ。
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