“SUV風”スタイルの旧型やベースとなるAクラスを感じさせない本格SUVへと進化したメルセデス・ベンツ2代目GLA。最新装備も充実の、街乗りに便利なコンパクトサイズのプレミアムSUVの実力を検証した。
yoshitoyanagida“SUV風”から本格的SUVへと進化
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メルセデス・ベンツがSUVのラインアップを拡充し続けている。それはもちろん世界的な人気を受けてのものだ。セダンが重用される少々コンサバティブな日本市場でもメルセデスにおいてSUVの占める割合は、25%にも迫るという。
ラインアップ中もっともコンパクトなモデルがGLAだ。2014年に初代が登場し、そしてこのたび2代目へとフルモデルチェンジした。先代はいかにもAクラスをベースに車高をあげてSUV風に仕立てたクロスオーバーモデルのようなスタイリングだったが、新型でもプラットフォーム(MFAII)はAクラスと共通とはいうものの、まったく別物の本格的なSUVになった。
コンパクトといっても、全長4415mm、全幅1835mm、全高1620mmと都市で使うにはほどよいサイズ。今、売れているトヨタハリアー(全長4740mm、全幅1855mm、全高1660mm)よりひとまわり小さいといったところだ。
また前後のオーバーハングを切り詰め、ホイールベースを先代比で30mm延伸。これは、先のハリアーと比べても120mmも長く、そうすることで後席スペースの拡大と、リアにむかってなだらかに下降していくルーフラインによる、最近流行のSUVクーペのようなスタイリングが両立している。
サイドシルまでをカバーしたドアは乗降性を高めるとともに、乗り降りする際にパンツの裾などが汚れるのを防ぎ、また側面衝突性能を高める役割も担っている。2列目シートは140mmの前後スライドが可能で、バックレストの角度は7段階で調整できる。2段床になったラゲッジスペースや足をバンパー下部に差し込むことでテールゲートを開閉できるEASY-PACK自動開閉式テールゲートを標準採用するなど使い勝手もよい。
インテリアはメーターナセルを省き、2つの10.2インチモニターを一体のものとした大型液晶パネルを中心に構成する最新のメルセデスデザインに則ったものだ。「ハイ、メルセデス」と話しかければ起動する自然対話式音声認識機能を搭載したインフォテインメントシステム「MBUX」も標準装備する。いろいろ試してみると導入当初よりも学習が進んでいることがわかる。ADAS(先進運転支援システム)は、自動再発進機能付きのACCや自動で車線変更するアクティブレーンチェンジアシストなど、Sクラス並の十数種類の機能を搭載する。これらが標準装備化されたのも朗報だ。
yoshitoyanagidaAクラスにまさる乗り心地と静粛性
日本仕様に設定されたパワートレインはいまのところ、2リッター4気筒ターボディーゼルに8速DCT、それにフルタイム4WDを組み合わせた「GLA 200d 4MATIC」の1種類のみ。最高出力150ps、最大トルク320Nmと数字だけをみればそれほどでもないが、ディーゼルらしく1400回転から最大トルクを発揮するだけあって、1730kgある車体をストレスなく発進、加速させる。トランスミッションもDCTにありがちな低速でのギクシャク感もなく、スムースにシフトアップしていく。
走り出してすぐに気づくのがハッチバックのAクラスと比べての乗り心地のよさ、そして静粛性の高さだ。オフロード走行に対応するためのボディ補強と、リアサスペンションがマルチリンク化されていることが功を奏している。ステアリングフィールは、いかにもメルセデスらしく正確で軽快なもの。着座位置は先代比で97mm高くなっており、視界も広く目線の高さもちょうどいい。重心バランスも高すぎず低すぎずで程よいロールを伴いながらコーナーを曲がっていく。
yoshitoyanagida電子制御式多板クラッチを備えた4MATICの前後トルク配分比は、ドライブモード「ECO/コンフォート」で80:20、「スポーツ」では70:30となる。またオフロードモードを標準装備しており、今回は試せなかったが、存外な悪路走破性を誇る。
車両価格は502万円。スタイリングをAMGラインにすれば予算はかさむことになるが、とりあえずナビゲーションパッケージ(18万9000円)をつければ、ほぼ過不足ない装備レベルになる。輸入車としては親切な設定だと思う。新型GLAはもはやAクラスベースとは思えないほど、1クラスの上のプレミアムSUVになった。
文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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みんなのコメント
時間潰しにちょっと読むのは良いが、記事の中身を信じて買うものなら後悔必至。
底辺モデルは仕方ないのか?