この記事をまとめると
■クラウンエステートが2024年に17年目ぶりに復活する
究極のオヤジキラー「クラウン」はマジメ一辺倒の優等生じゃなかった! なんとトラックまで存在した派生車が面白すぎる
■クラウンのワゴンモデルの歴史は長く、2代目クラウンからワゴンモデルが存在していた
■新しいモデルはPHEVモデルなどを用意し、クロスオーバーテイストとなる
クラウンのワゴンモデルを振り返る
2024年中にも正式発売されるという16代目トヨタ・クラウンのワゴンモデル=エステート。クラウンのエステートはクラウンの11代目、S170W型が2007年5月に生産を終了して以来、17年ぶりの復活となる。
国産ハイエンドステーションワゴンを望むユーザーにとって朗報であり、またS170W型がそうであったように、スポーティなワゴンモデルとして誕生することへの期待も大きい。
さて、トヨタ・クラウンのステーションワゴン=エステートモデルの歴史を紐解いてみると、いわゆるワゴンボディはなんと1962年に登場した2代目クラウンの時代からラインアップされていたのである。
2代目クラウンはフォード・ファルコンを見本として開発されたという話もあり、その当時のアメリカ車にステーションワゴンが人気車種としてあったことも、トヨタが早期にステーションワゴンを用意していた理由といえるだろう。
ただし、当時はエステートとは呼ばず、クラウンのワゴンモデルという呼び方だったようだ。
1967年登場の3代目クラウンには、バン、ステーションワゴンのほかに、ピックアップトラックまで用意されていたのも、アメリカ車の影響だといえそうだ。
馴染みのあるクラウンのステーションワゴンといえば、1979年に登場した7代目、1983年デビューの8代目クラウンのステーションワゴンだろう。
ボディサイドにウッドパネル(デコレーションシートだが)が貼られたカントリーテイストなモデルも人気だった。
車名がエステートになってから走りがスポーティになった
そんなクラウンのステーションワゴンが大きく変わったのが、1999年に登場したクラウンの11代目である(アスリートグレードが8代目以来、復活)。クラウンのステーションワゴン版をS170W型「エステート」と改名し、ある意味、クラウンエステートの初代モデルとなったときだ。その後、2001年のマイナーチェンジではスポーティな”アスリート”グレードのみとなったのである。
そして、冒頭でも触れたように、2007年5月にクラウンのエステートは生産終了。以来、クラウン本体と比べ大幅なロングライフ自慢(10年は作られていた)だったクラウンのエステートモデルは不在となったのだ。
2007年当時のメモを振り返れば、初代エステート(クラウンとしては11代目)は先代のロイヤルシリーズがベースで、ボディサイズは全長4835×全幅1765×全高1510~1525mm、ホイールベース2780mm。
パワーユニットは2.5リッター(FRと4WD)と3.5リッター(FR)の直6エンジン+6速AT(2.5リッターの4WDは5速AT)という仕様であり、歴代クラウンステーションワゴンのなかでもっともスポーティな味付けがなされていた。といっても、乗り心地重視のロイヤルシリーズがベースなだけに、乗り心地はふんわりとしたものではあった。
国産高級ステーションワゴンをファミリーユースとして望むユーザーのほか、カメラマンの機材車としても人気だったと記憶する。
これまでのクラウンワゴン、クラウンエステートはもちろん内燃機関車だったわけだが、トヨタが2024年年央以降発売予定としている”2代目”クラウンエステートは、全長4930×全幅1880×全高1620mm、ホイールベース2850mmの立派なボディサイズを備え、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)のふたつのパワーユニットを搭載するとされ、タイヤサイズは21インチ、駆動方式も4WDのみとなる予定だ。
つまり、エステートといっても、2022年に登場した16代目クラウンがクロスオーバーグレードから発売したように、トヨタが説明する「フラットデッキを持つワゴンとSUVの融合」が示す、ピアノブラックのフェンダーアーチを持つ真正クロスオーバーモデルであり、それにスポーツ色を加味した電動エステートになる。
もちろん、ラゲッジルームは分厚いカーペットに覆われ、欧州ステーションワゴンに負けないラグジュアリーテイストをふんだんに盛り込んだ、汚れものの積載など憚られる、今や絶滅危惧種ともなった国産ステーションワゴンの頂点に立つ、かつてない高級ステーションワゴンの誕生になることは必至だ。
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みんなのコメント
2代目で初設定されたワゴンには「カスタム」というサブネームがあり、少なくとも4代目あたりまではそう呼ばれていましたが、「当時はエステートとは呼ばず、クラウンのワゴンモデルという呼び方だったようだ」とはどういうことでしょう。