次世代ミニ・クーパー・コンバーチブルにEV導入か
BMWは、現行ミニ・コンバーチブルのEV仕様をワンオフで製作した。次世代モデルに向けた開発テストと予想される。
【画像】ワンオフの電動ミニ・コンバーチブル登場【ミニ・エレクトリックやクーパーSコンバーチブルと写真で比較】 全96枚
同社によると、この車両は「ワンオフのプロトタイプで、エミッションフリーのオープントップ走行をテストするためのもの」だという。
現行のクーパーSコンバーチブルをベースとしているが、パワートレインはミニ・エレクトリックのものを使用している。そのため、最高出力184psと航続距離230km(WLTP)の性能を持っている。
燃焼エンジン搭載のクーパーSコンバーチブルより重量は140kg増加したが、トランク容量は160Lと変わらない。
ただし、BMWは現行のミニ・コンバーチブルが電動化されることはないとしている。次世代モデルが電動化するかどうかも、「ミニ・コンバーチブルの後継モデル導入は決定しているが、パワートレインについて語るのは時期尚早」として明言は避けた。
しかし、BMWの関係者はAUTOCARに対し、次世代モデルでコンバーチブルの電動化が完全に視野に入っていると語った。
現在のデザインもこれで見納め? 見た目も中身も一新
第4世代となる新型ミニは、早ければ1年半後に登場する見込み。3ドアモデルを標準とし、これをベースにコンバーチブル仕様が作られるようだ。また、プラットフォームを一新し、ホイールベースは現行よりも40mm長くなる。乗り心地が向上するだけでなく、後部のスペースも拡大するはずだ。
エンジンの搭載を想定していないEV専用プラットフォームは、フロントオーバーハングを大幅に短縮することもできるだろう。
また、バッテリーも今回のプロトタイプより大型のものが採用されるだろう。クーパーモデルには40kWhのバッテリーが搭載される見込みだ。クーパーSのコンバーチブルであれば、50kWhを搭載し、1回の充電による航続距離は400kmほどとなる可能性がある。
BMWが2001年にミニブランドを再出発させて以来、デザインの特徴の1つとしてクラムシェルボンネット(ボンネットがフロントフェンダーに回り込む形状)が採用されてきた。しかし、公式な発表はないものの、ボンネットを含む多くのデザイン要素が次世代モデルでは廃止されるという情報がある。
ある関係者がAUTOCARに語ったところによると、現在の大きなボンネットのプレス加工と、ヘッドライト周りにクロームのリングをつけることに製造コストがかかっているという。
ミニのデザインチーフであるオリバー・ハイルマーは、こうした複雑な内外装デザインを第4世代でシンプルにしようとしている。クラムシェルボンネットを廃止することでコストを削減し、生産にかかる時間を短縮するだけでなく、ヘッドライト周りのクロームリングを省くことが可能になる。
また、テールライトのクロームリングもなくなり、フロントドア前の特徴的なセパレートパネルも廃止される予定だ。
走りはどうなの?試乗してみた
ワンオフのプロトタイプとしては、この電動コンバーチブルは実に素晴らしい。見た目も乗り心地も、まるで本物の市販車のようだ。ドアの開閉音も良く、クルマ全体の動きが精緻で、本腰を入れて開発されたことがうかがえる。
ポルトガルのホテルから海まで往復する短い試乗だったが、電動パワートレインの利点と思われる2つのことが分かった。
まず、非常に剛性が高く、一体感があることだ。石畳の上を走っても、ステアリングコラムの振動などは微塵もない。
これは、大型のバッテリーをフロア構造に固定した結果なのだろうか。ミニの社員は多くを語らなかったが、小さなミニが大きく成長したように感じられたのが非常に印象的だった。また、全体の剛性が高いので、タイトなカーブを正確に曲がることができ、とても満足のいくものだった。
2つ目の大きな収穫は、シームレスなパワートレインがオープンカーにいかにマッチしているかということだ。バッテリー駆動の面白い使い道の1つに、スポーツカーがあるはずだ。このクルマでワインディングや坂道を走ってみて、変速がなく、限りなく無限に近い推進力を感じさせる走りは、特に背の低いオープントップ車には効果的と言わざるを得ない。
このプロトタイプは既存のアーキテクチャをベースにしているので、新型は少なくとも同等以上の性能になるはずだ。4代目ミニEVコンバーチブルのスピードスター仕様のようなものがあってもいいのでは、と思ったほどだ。短い出会いではあったが、思いがけない逸品である。
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みんなのコメント
座ったままトレッキングしているような不思議な感覚に包まれる。
その上、屋根という高い位置の重量物が無くなれば
重心は下がり安定感は増す ただソレだけの事