2020年7月10日金曜日、F1第2戦シュタイアマルクGP(オーストリアGP2)がレッドブルリンクで開幕する。2週連続して、同じサーキットで再びグランプリが開催されるのは異例のことだが、それも新型コロナウイルスの影響による変則的なスケジュールによるもの。第1戦の結果をふまえて各チームはどう戦うのか、ライバルの動きを見据えて各チームがどんな戦略をとるのか、前例のないバトルとなる。
気温が上がるという予想もあり、優勝争いは後半勝負か
約4カ月遅れで2020年F1シーズンが幕を開けた。10週で8グランプリを戦う超過密、短期決戦が始まった。
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その開幕戦は波乱に満ちたものとなった。異例づくめの開幕ということもありトラブルはある程度予想されたが、思わぬアクシデントが数多く発生、同じサーキットで連続して行われる第2戦は、さらに予想が難しいものとなりそうだ。
開幕戦でそれぞれが手の内を一度見せたこともあり、また現状の力関係が見えたことで展開は少し落ち着きそうだが、第1戦と同じ結果になることはないだろう。
まずシュタイアマルクGP(オーストリアGP2)が開催されるレッドブルリンクのコースをもう一度見ておこう。レッドブルリンクはオーストリアの緑あふれるのどかな丘の中にあるサーキットで、標高が高く酸素濃度が低いためエアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。また、全長約4.3kmと短いが高低差が大きく、エンジンパワーが重要となるコースでもある。高い気温と不安定な天候が、しばしば波乱を巻き起こすことでも知られる。
メルセデスAMGとレッドブル・ホンダの激突と予想された第1戦は、フリー走行からメルセデスAMGの速さが目立った。レッドブル・ホンダはメルセデスAMGとの差を確認して、その上でどう戦うか判断、マックス・フェルスタッペンは決勝をミディアムタイヤでスタートする戦略をとった。
課題の序盤を順調にこなしたことでこの戦略はズバリ当たったかと思われたが、電気系トラブルにより、勝負に出る前にリタイアとなってしまった。かわってアレキサンダー・アルボンが終盤に2ストップ作戦に変更してメルセデスAMGを追いつめたが、不運な接触とトラブルでそのチャレンジも失敗に終わっている。結局はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが逃げ切っているが、実はレッドブル・ホンダにも大きな勝機はあったのだ。
では第2戦はどうなるか。メルセデスAMGとレッドブル・ホンダの予選タイム差コンマ5秒は全長約4.3mコースでは小さくなく、メルセデスAMGが序盤グランプリをリードしていくのは間違いないところ。レッドブル・ホンダは、決勝ミディアムタイヤスタート、レース後半勝負など、手の内をすでに見せているので、もうひとつ別の戦略をとるか。一方のメルセデスAMGはあえてチャレンジする必要はなくオーソドックスな作戦をとるだろうが、セーフティカーが導入されたり、気温が高くなった時に、どういう戦略をとるかがポイントとなるだろう。いずれにせよ、レースがトラブルなく進む可能性は低く、レッドブル・ホンダ優勝のチャンスは十分にありそうだ。
フェラーリは開幕戦でシャルル・ルクレールが2位入賞を果たしたが、優勝争いに加わる速さはなく、それよりもマクラーレン・ルノー、レーシングポイント・メルセデスのほうが可能性があるだろう。
タイヤを供給するピレリは「最速のタイヤ戦略は、ソフトでスタートして24~28周でハードに履き替えるワンストップ、あるいはミディアムタイヤでスタートして27~32周でハードに履き替えるワンストップとなるでしょう。セーフティカーのタイミングなどでどちらが正解かわかわませんが、ミディアムスタートのほうが柔軟性はあります。そのほかでは、ソフトで30~34周まで引っぱり、ミディアムでフィニッシュする戦術も考えられますが、計算上はこちらのほうが遅くなります。2ストップはお奨めしませんが、ソフト-ソフト-ミディアムという方法もあるでしょう」と分析している。
第1戦はソフト-ハードのワンストッパーが勝利を上げたが、終盤にセーフティカーが導入されたこともあって、アルボンがとったソフト-ハード-ソフト戦略は強力だった。
果たして第2戦はどのような展開になるのか。第2戦シュタイアマルクGP(オーストリアGP2)は、7月10日11時(日本時間18時)からのフリー走行1回目で開幕、予選は7月11日15時(日本時間22時)、決勝は7月12日15時10分(日本時間22時10分)に開始される。
2020年F1第1戦オステルライヒGP(オーストリアGP1)結果
優勝 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 71周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +2.700s
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+5.491s
4位44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+5.689s
5位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+8.903s
6位 11 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)+15.092s
7位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+16.682s
8位 31 E.オコン(ルノー)+17.456s
9位 99 A.ジョビナッツィ(アルファロメオ・フェラーリ)+21.146s
10位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+24.545s
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26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)リタイア
23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)リタイア
33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)リタイア
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みんなのコメント
全長4.3mのコースって…
ミニ四駆の話かな?