シトロエンのフルEV、日本発売
2022年1月に3代目シトロエンC4とともに日本で発売されたE-C4は、正規輸入されたこのブランドで初の電気自動車(EV)である。
【画像】シトロエンの電動車 4モデル【細部まで見る】 全70枚
シトロエンがなんでEV? と思う人がいるかもしれない。でもそれは、日本の事情しか知らない意見だろう。
カーボンニュートラルが話題になる前から、フランスではベルランゴなどに設定があったし、最近は2人乗りの超小型車アミが注目を集めている。C5エアクロスSUVのプラグインハイブリッド車(PHEV)は上陸済みだ。
シトロエンは独創と革新のブランドであることを考えれば、納得のアクションではないだろうか。
しかも新型C4/E-C4は、プジョー2008やDS3クロスバックと同じプラットフォームを使う。この2車種にもEV版のe2008とDS3クロスバックEテンスがあることを考えれば、E-C4の設定は自然な成り行きと言える。
「パワー・オブ・チョイス」を掲げるグループPSAだからして、E-C4とC4のボディは基本的に共通だ。
2014年発表のC4カクタスの流れをくむクロスオーバースタイルに、1970年デビューのGSを思わせる6ライトのファストバックスタイルを融合させたようなフォルムを持つ。
現在GSを所有し、その前はC4カクタスに乗っていたという経歴を持つ僕でなくても、シトロエンらしい形だと思うはずだ。
サイズ/内装について
ボディサイズは全長4375mm、全幅1800mm、全高1530mmで、高さ以外は同じCセグメントのトヨタ・カローラスポーツに近い。
しかしホイールベースはそれより長い2665mm。これもシトロエンらしいアピアランスに効いている。
キャビンはまずモダンなインパネに目が行く。
小ぶりなデジタルメーターと大きなセンターディスプレイを据えた眺めは前衛的。
助手席側にタブレット端末を固定できる格納式サポートを用意したのは、すべての乗員に移動の歓びをもたらすこのブランドらしいアプローチだ。
それでいてエアコンスイッチをダイヤルのまま残すなど、人間が扱う道具であることも忘れていないし、エグザンティアの車高調整レバーを思わせる前後進のセレクターレバーが象徴しているように、ヘリテージ性もしっかり押さえてある。
発進/加速 どんな感じ?
他のシトロエンにも採用が進むアドバンストコンフォートシートは、日本仕様のE-C4は革張りがスタンダードなので、腰を下ろした瞬間は張りを感じだが、走り出すと優しさが主体になっていく。
駆動用バッテリーを前後席下とセンタートンネルに収めたおかげで、後席と荷室がエンジン車とほとんど同じというのも嬉しい。
前輪を駆動するモーターの最高出力は136ps、最大トルクは26.5kg-mでe2008やDS3クロスバックEテンスと同じ。
車両重量は1630kgだが、最大トルクを300~3674rpmで発生するので、加速は発進直後から力強い。
別の機会に乗ったディーゼルターボのC4が、慣れ親しんだシトロエンの加速感だったのに対し、音もなく滑らかに速度を上げていくフィーリングは、むしろ常に未来を見据えるブランドイメージにふさわしいと思った。WLTCモードで405kmという満充電での航続距離は、多くの人がこれで十分と思うだろう。
ハイドロ的な乗り心地を味わう
シャシーにはC5エアクロスで定評のプログレッシブ・ハイドローリック・クッションを採用している。
構造は昔のハイドロニューマチック(ハイドロ)とは別物で、ショックアブソーバー内のダンパーシリンダーを2つに増やし、第2シリンダーは大入力時のみ働く。本来のシリンダーは減衰力を抑えられるので、ソフトな乗り心地を提供できるというわけだ。
現役GSユーザーである自分に言わせれば、ハイドロとの違いはある。ひとことで言えば、金属バネとハイドロを併用した感触だ。
でも長年シトロエンに接していない人は、蘇ったハイドロだと思うはず。
特にうねりを通過した後の、ゆったりした揺れがそれっぽい。
ただしその揺れは、エンジン車のC4のほうがわかりやすい。E-C4は重さに合わせてスプリングを固めているようで、重厚なのである。
それでも高速道路なら、時間をかけてショックを収束するしぐさがわかる。GSやBXより、エグザンティアやC5に近いフィーリングと言える。
E-C4の「新しさ」とは?
ここで特筆すべきは、エンジンの響きがないこと。ハイドロの乗り味は、海上や空中の乗り物に例えられることが多いけれど、それになぞらえればE-C4は、大きな鳥の背中に乗って滑空しているような雰囲気。
この点ではエンジン車以上に個性的なのである。
ハンドリングは、クイックなターンインはエンジン車に似るものの、その後は他のシトロエンの前輪主導でリアが追従する挙動とは明らかに違い、車体中心を軸にくるっと旋回するようなフィーリングを届けてくる。
多くのEVに共通するこの独特の挙動を薄め、エンジン車のフィーリングに近づけようとしているクルマもある。でもE-C4はそうではない。
シトロエンはいつの時代も、独創と革新で僕たちを驚かせてきた。E-C4はその伝統を受け継ぎ、電動ならではの新鮮な移動体験を表現してきたと感じられたのだ。
エンジンがモーターに変わっても、このブランドの思想は揺るぎないことがわかった。
シトロエンE-C4 スペック
シトロエンE-C4シャイン 主要諸元
価格:465万円
全長:4375mm
全幅:1800mm
全高:1530mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
航続可能距離:405km(WLTCモード)
車両重量:1630kg
パワートレイン:モーター+バッテリー
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:26.5kg-m/300-3674rpm
ギアボックス:1速固定式
駆動方式:前輪駆動
最低地上高:170mm
乗車定員:5名
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みんなのコメント
って言われそうなデザインww