■タイで実際に新型「ハイラックスチャンプ」に乗ってみた!
トヨタは2022年12月にタイで開催された「タイトヨタ60周年式典」で「IMV0」を世界初公開しました。
その後、2023年11月27日に首都バンコクで開催された発表会でIMV0をベースとした新型「ハイラックスチャンプ」がお披露目されました。
今回はその新型ハイラックスチャンプを実際に体感してみます。
【画像】「えっ…!」めちゃカッコイイ! トヨタ新型「ハイラックス チャンプ」を画像で見る!(50枚以上)
2022年12月14日にタイ・バンコクで開催された「タイトヨタ60周年式典」にて「IMV0コンセプト」がお披露目されました。
この「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)」とは、グローバルのユーザーに魅力的な商品かつ求めやすい価格で提供する「需要のある地域で生産」による供給体制を構築されたプロジェクトです。
IMVは2004年にスタートしており、そのラインナップはピックアップトラックとして「ハイラックス(シングル/エクストラ/ダブル)」の3仕様。
さらにはミニバンの「イノーバ」、SUVの「フォーチュナー」が含まれています。
タイではかつて「ハイラックス・ヴィーゴ」というモデルが販売されており、その人気ゆえに「タイの国民車」と呼ばれるようになっていました。
このハイラックス・ヴィーゴの現地導入を指揮したのがトヨタの豊田章男会長でした。
当時の様子について、豊田章男会長は前述の式典で次のように語っていました。
「ハイラックス・ヴィーゴのローンチは私のキャリアのなかでとりわけ思い出深い経験です。
どのプロジェクトよりも、リーダーシップのあり方を学ぶ機会にもなりました。
この経験で多くを学ぶことができ、今の私があるのも、タイの皆さまのおかげです。
そこで、『お求めやすく、真にイノベーティブな新しいIMVピックアップトラックを、もう一度タイでつくろう』とお願いしました。
社内では、これを『IMV 0コンセプト』と呼んでいます」
なおこのIMV0については、「(式典から)今後1年くらいの間に登場する」と示唆していました。
そして2023年8月には「インドネシア国際オートショー(GIIAS)2023」で同市場向けに「ランガ コンセプト」をお披露目。
同月にフィリピンの「設立35周年式典」では「タマラオ コンセプト」をお披露目してきました。
これらはIMV0をベースに地域に寄り添った名前が与えられています。
また日本での開催された「ジャパンモビリティショー2023」でもトヨタブースに展示されて話題となりました。
そして2023年11月27日には、タイにて「ハイラックス チャンプ」という名前で正式発表されます。
インドネシア、フィリピンに先駆けて先行受注の開始され、2024年1月に発売される予定です。
今回、タイで販売される新型ハイラックスチャンプは、多様化するビジネス形態や使用用途にあわせ8タイプをラインナップ。
タイプ(ホイールベース)はショート仕様(2750mm)とロング仕様(3085mm)を設定。サイズは、タイ量販仕様となるロング仕様(デッキあり)の場合で、全長5300mm×全幅1785mm×全高1735mmで、ホイールベースは3085mmとなり、乗車定員は2名です。
パワートレインは2リッターと2.7リッターのガソリン車、2.4リッターのディーゼル車という3種類を設定。
トランスミッションは6速AT/5速MTとなり、駆動方式は2WDです。
今回のハイラックスチャンプのベースとなったIMV0について、チーフエンジニアは次のように話しています。
「タイには既販のハイラックスレボ(Bキャブ)が既に存在しており、IMV0と『何が違うのか』という声を頂きます。
簡単に言うとBキャブはワークホースとして過酷な荷物の積載などの役割を持っています。
一方のIMV0は多様化するビジネスにフィットするモデルとして、実際の働く現場の声や、架装ビルダーなどの声を聞きつつ開発を進めてきました。
例えば、タイでは氷を運ぶ業者が多いため実際の配送業者からの要望として『既存のハイラックスでは荷台に積みづらい』という声を聞いてIMV0ではフラットな荷台を実現しています。
またタイの低所得者でも購入出来る仕組みなども考えている他、架装文化が根付いているタイではトヨタが契約を結んだ9つの架装ビルダーの商品をパッケージ化した購入プランも用意しています」
※ ※ ※
なお新型ハイラックスチャンプの生産は、タイトヨタのサムロン工場で行われます。
現地価格は45万9000バーツ(約189万円)から57万7000バーツ(約237万円)です。
■「日本にも欲しい」の声も…! 実際にはどんなクルマ?
今回、試乗出来たのは新型ハイラックスチャンプの2.7リッターガソリン車と2.4リッターディーゼル車(共に6速AT)。
そして展示車として架装された仕様も展示されていました。
見た目上では、ガソリン車・ディーゼル車というパワートレインでの違いはありません。
見た目に関しては、ヘッドライトがLEDが標準仕様となりますが、交換コストを意識したハロゲン球も用意されているようです。
また外装パーツの架装は種類も多く、基本的なバンパー、フェンダー、荷台といった以外にロープで荷物を固定するための留め具といった働くクルマらしいものも用意されています。
内装では、ダッシュボードに「TOYOTA」ロゴを入れられる他、いくつかの部分をオレンジに出来るなどアウトドアテイストも兼ね備えた加飾が用意されているようです。
では実際にガソリン車とディーゼル車でどのような違いがあるのでしょうか。
試乗はテストコースで行われ、30キロ/50キロ/80キロの区間や段差区間などを走ります。
まず驚くのは、見た目よりも小回りが効くことです。
最小回転半径が4.9mとなり、スタート直後のUターンで「思ったよりもハンドル切れるのね」と驚きます。
またフレームボディながら嫌な振動はなく、従来のハイラックスよりも乗りやすい印象です。
走り出すとディーゼル車は力のあるトルク感を味わえる他、ガソリン車ではピックアップトラックというのを忘れるくらい気持ち良い加速を体感出来ます。
また今回は荷台に重りを載せていたこともあり、ある程度の速度でもコーナーを安心して曲がっていけました。
車内では、見た目は簡素なシートですが、乗ってみると悪い印象はありません。
唯一気になるのは、ハイラックスチャンプ専用メーターとなる丸形2眼です。
向かって右側は速度を示すアナログな針が備わりますが、左側は回転系などはなく「ハイラックス」のロゴが書かれているだけでした。
このあたりは何かしらの表示があってもよかったのかもしれません。
※ ※ ※
そんな新型ハイラックスチャンプですが、同市場での評判は上々だと言います。
一方で日本人が気になるのは「日本で販売されるのか」ということ。
以前に中嶋副社長は「日本に入れたい」と話しており、アジア(タイ・インドネシア・フィリピン)での導入後に何らかの動きがあるかもしれません。
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みんなのコメント
500万円、600万円の普通貨物は高すぎる。
倒産するわ。