アグレッシブなフォードの新EV戦略
相手がそう出るのなら、ニスモの本気バージョン投入が本筋か?
【画像】随所にマスタングの面影 マスタング・マッハEはどんなクルマ?【内外装ディテール】 全78枚
フォードは5月8日、今年(2020年)後半に発売予定のマスタング「マッハE」のウインターテストの模様をネット上で公開した。
場所は、米ミシガン州北部にある冬季試験場だ。
総面積が東京ドーム約70個分の広大な森林地域で、マッハEの開発マネージャーであるロベルト・イオリオが豪快なドリフト走行を見せた。
映像から判断すると、直線速度はアメリカのフリーウエイでの実勢速度である時速70マイル(約112km/h)から時速80マイル(約128km/h)に見える。
直線路が氷路から圧雪路に変化しても、車両の動きにブレは生じていない。
コーナーリングスピードは時速50マイル(約80km/h)前後に見え、リアスライドしてもフルカウンターステア状態にはならず、絶妙なスリップアングルで、まるで上級なWRCラリーカーのような華麗な走りだ。
動画が公開された時期、アメリカでは多くの州で経済活動が段階的に緩和されたとはいえ、ニューヨーク市をはじめ未だに外出規制が続いている状況だ。
GMなど、他のメーカーが主に医療現場への支援に関するニュースを配信するなか、フォードのEV広報活動に違和感を持つ業界関係者がいるかもしれない。
新型EV「アリア」投入まぢかの日産は、どう感じているか?
着実に進むフォードの高性能EV戦略
フォードEV関連の盛り上げ企画といえば、AUTOCARでも報じたドラッグレーサー「コブラ・ジェット」がある。
フォードのアフター業務等を取り仕切るフォード・パフォーマンスがドラッグレース関係企業各社と連携して開発した。
最高出力1400ps以上でクオーターマイル(約400m)加速8秒前半を想定している。
コブラ・ジェットの使命は、EVのトラクションの良さ、それに伴う加速の良さである。
一方、今回公開されたウインターテストでの派手なドリフト走行は、滑りやすい路面でのトラクションの良さと、前後モーターによる車両バランスの良さを強調したものだ。
マッハEには、後輪駆動車とeAWDと呼ぶ四輪駆動車がある。バッテリーパックは75.7kwhと98.8kwhの2種類で、ライバルであるテスラ・モデルX等を意識した。
ウインターテストでの被写体は、75.7kwhバッテリー搭載のeAWDだと推測される。最高出力は332ps想定で最終調整しているという。
さらに、フォードは2021年を目途に、ポルシェ911 GTSと同等の加速性能を実現する、マッハE GTの投入を明らかにしている。
こうした状況を踏まえると、欧米市場ではマッハEと同じセグメントとなる日産アリアでも、リーフ・ニスモとは商品方向性が異なる、超ハイパフォーマンス系としてのニスモバージョン投入が必須ではないだろうか。
日産アリア「eニスモ」、誕生するか
リーフ・ニスモは、エクステリアとインテリアがスポーティ性が増し、モーターなど動力系はノーマルリーフを継承し出力特性などをアレンジ。イメージとしてはライトチューニングだ。
大手メーカー量産EVとして先行したリーフには、エコロジー(環境対応)とエコノミー(維持費の安さ)が商品としての主体であり、パフォーマンス性を主張するには限度があるのは致し方ない。
一方で、マスタングというブランドから派生したEV戦略が、マッハEにおける超ハイパフォーマンス系SUV(クロスオーバー)だ。
それを可能としたのがeAWDの存在だ。
アリアでも、日産版eAWDである「e-4ORCE(イー・フォース)」搭載が確実な情勢。
だが、これまでのところ、e-4ORCEを活用した超ハイパフォーマンスニスモ計画に関する情報は社外に漏れてこない。
仮に実現すれば、それはまさに、eニスモという立ち位置になろう。
日産はこれまで、ハイパフォーマンス系EVの初代リーフRCと2代目リーフRC2という、2ドアレーシングカーを制作した。
仮想「アリアeニスモ」では、e-4ORCEのよってこれら2モデルを超える動力性能を持つハイパフォーマンス量産車として世に出る可能性は十分にあるはずだ。
なぜならば、プレミアムSUV・EV市場が今後、世界各地でさらに拡大する可能性があるからだ。
コロナ後どのようにEVに集中するか
新型コロナウイルス感染拡大の影響は、自動車業界が当初想定していた以上に大きい。
トヨタは5月12日に行った決算発表で、2021年3月期の予測を発表。連結販売台数が約2割減の700万台、営業利益は実に8割減を想定した。
こうした中、トヨタは今後の事業において「やめること、変えること、これからも続けていくこと」を明確にするという。
日産も直近の2020年度第3四半期の決算発表の時点で、今後の事業に対する「選択と集中」を目指すとした。
が、その後の新型コロナウイルス感染拡大の影響はトヨタ同様に大きいことが十分に予測できる。
そうなれば、事業の「選択と集中」をさらに厳しく行うのは当然だ。
2010年の初代リーフ発売以来、大手メーカーとしてEV業界をリードしてきた日産。厳しい経営環境にあるからこそ、EVではさらなる深堀り、すなわちeニスモという本格的ハイパフォーマンス戦略に打って出るできではないだろうか。
2008年のリーマンショックからの経済回復期、欧米で最初に売上が戻った自動車セグメントがプレミアム系だった。
コロナ後には、プレミアム&ハイパフォーマンス系EVが躍進するのかもしれない。
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みんなのコメント
日本メーカーでも同じ事やるけど、歴史のある車名は台無し。