8代目は従来どおりのレシピではない
text: Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
左ハンドルながら、最新の8代目フォルクスワーゲン・ゴルフGTIを英国で評価する機会が来た。最新のゴルフ・ファミリーとして、早々の登場となったGTI。その重要性を示している。ゴルフというモデル全体の収益にも、影響するグレードなのだ。
抑制の効いた知的なチューニングをゴルフに施し、40年以上の時間が過ぎた。ホットハッチの中でも、GTIは幅広い魅力を備えてきたと思う。フォルクスワーゲンにとっても、ビジネス上大切な存在になっている。
世界中の大手自動車メーカーが、長期的に商業的な成功を納められる、高性能バージョンを欲している。多くのメーカーが模倣し、いくつかのメーカーは失敗している。フォルクスワーゲンは、最新版をどう進化させたのだろうか。
ゴルフのGTIといえば、デザイン面では上品のアップデートがお決まり。縦に伸びたグリルが特長だった5代目や、見慣れたグリルを取り戻した6代目、濃い顔になった7代目まで、見た目の差別化は小さいものだった。
8代目のゴルフGTIには、一度ドイツで試乗している。最新版でも、日常的な運転の楽しさは保証されている。丁度いい動的性能は、GTIの核心部分でもある。
しかし、フォルクスワーゲンは少しの冒険もしている。先代以上に、強いエンターテインメント性を持たせよう、という意図が見える。 従来どおりのレシピではないようだ。
ハード面は全面的に改良
ドイツの試乗では、ゴルフ7.5と呼ぶ以上の技術的な進化を確認した。基本的なハード面での構成は見覚えある内容ながら、すべてに改良が加えられたといっていい。
EA888型2.0L 4気筒ターボエンジンは、燃焼系と排気系の制御が見直され、高圧の燃料インジェクション・システムを獲得。8代目ゴルフGTIの最高出力は、7代目GTIパフォーマンスと同等にまで高められている。
トランスミッションは、従来どおり6速MTと7速デュアルクラッチATが選べる。GTIとしては新しく、7速DCTにはバイワイヤーでの変速技術が投入された。
これまではオプションだった、XDS+と呼ばれる電子制御のLSDは、8代目GTIでは標準装備。ハンドリングを向上させるため、新たにチューニングも受けている。
ホイールは最大で19インチまで大きくできる。タイヤは幅235の、ブリヂストンが専用開発したもの。
DCCと呼ばれるアダプティブ・ダンパーはオプションのまま。しかしこれも再調整を受け、姿勢制御と乗り心地は向上。ソフトでしなやかな街乗りから、タイトで張り詰めたワインディングまで、足回りの設定をより明確に選べるようになっている。
多くの改良が加えられているわけだが、特に大きな変化といえるのが、サスペンションとステアリング。より「レーシー」な味付けになっている。
高性能なロードカーというGTIの強み
車高は、通常のゴルフより15mm低い。さらに7代目GTIよりフロントで5%、リアで15%、スプリングレートが高くなっている。
リア・サスペンションも設計変更を受け、マウントも一新。横方向でのホイールコントロール性と、シャシーの応答性を高めている。可変レシオのステアリングも、レートの上昇率が数%ほど高められている。
これらのアップデートにより、より機敏なハンドリングの応答性を、幅広い速度域で獲得させたという。コーナーでの回頭性を高めつつ、落ち着きさも増している。軽快に走り、より楽しめるように。
実際のドライビング体験は、とても印象的。8代目ゴルフGTIは、明らかに7代目より活気に溢れている。アスファルトを強く蹴り、鋭く方向を変えていく。
一方で、これまでのゴルフGTIらしさ、という点は薄いかもしれない。スラロームを高速で駆け抜けることは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI最大の強みではなかった。実用性に優れた、高性能なロードカーであることが、GTIを際立たせてきたといえる。
サーキットのラップタイムを削る以上に、舗装の良くない濡れた路面を高速で処理できる能力こそ、GTIの輝く部分。8代目ゴルフGTIからは、従来以上にタイトで、エッジの尖った、ダイレクトな印象を受ける。
やはり、これまでのGTIのレシピとは少し違う。読者は、どう受け止めるだろうか。
この続きは後編にて。
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