現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【定評を継げるのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTIへ英国試乗 レシピが違う8代目 前編

ここから本文です

【定評を継げるのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTIへ英国試乗 レシピが違う8代目 前編

掲載 更新
【定評を継げるのか】フォルクスワーゲン・ゴルフGTIへ英国試乗 レシピが違う8代目 前編

8代目は従来どおりのレシピではない

text: Matt Saunders(マット・ソーンダース)

【画像】8代目ゴルフ タイプR/メガーヌRS 全98枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


左ハンドルながら、最新の8代目フォルクスワーゲン・ゴルフGTIを英国で評価する機会が来た。最新のゴルフ・ファミリーとして、早々の登場となったGTI。その重要性を示している。ゴルフというモデル全体の収益にも、影響するグレードなのだ。

抑制の効いた知的なチューニングをゴルフに施し、40年以上の時間が過ぎた。ホットハッチの中でも、GTIは幅広い魅力を備えてきたと思う。フォルクスワーゲンにとっても、ビジネス上大切な存在になっている。

世界中の大手自動車メーカーが、長期的に商業的な成功を納められる、高性能バージョンを欲している。多くのメーカーが模倣し、いくつかのメーカーは失敗している。フォルクスワーゲンは、最新版をどう進化させたのだろうか。

ゴルフのGTIといえば、デザイン面では上品のアップデートがお決まり。縦に伸びたグリルが特長だった5代目や、見慣れたグリルを取り戻した6代目、濃い顔になった7代目まで、見た目の差別化は小さいものだった。

8代目のゴルフGTIには、一度ドイツで試乗している。最新版でも、日常的な運転の楽しさは保証されている。丁度いい動的性能は、GTIの核心部分でもある。

しかし、フォルクスワーゲンは少しの冒険もしている。先代以上に、強いエンターテインメント性を持たせよう、という意図が見える。 従来どおりのレシピではないようだ。

ハード面は全面的に改良

ドイツの試乗では、ゴルフ7.5と呼ぶ以上の技術的な進化を確認した。基本的なハード面での構成は見覚えある内容ながら、すべてに改良が加えられたといっていい。

EA888型2.0L 4気筒ターボエンジンは、燃焼系と排気系の制御が見直され、高圧の燃料インジェクション・システムを獲得。8代目ゴルフGTIの最高出力は、7代目GTIパフォーマンスと同等にまで高められている。

トランスミッションは、従来どおり6速MTと7速デュアルクラッチATが選べる。GTIとしては新しく、7速DCTにはバイワイヤーでの変速技術が投入された。

これまではオプションだった、XDS+と呼ばれる電子制御のLSDは、8代目GTIでは標準装備。ハンドリングを向上させるため、新たにチューニングも受けている。

ホイールは最大で19インチまで大きくできる。タイヤは幅235の、ブリヂストンが専用開発したもの。

DCCと呼ばれるアダプティブ・ダンパーはオプションのまま。しかしこれも再調整を受け、姿勢制御と乗り心地は向上。ソフトでしなやかな街乗りから、タイトで張り詰めたワインディングまで、足回りの設定をより明確に選べるようになっている。

多くの改良が加えられているわけだが、特に大きな変化といえるのが、サスペンションとステアリング。より「レーシー」な味付けになっている。

高性能なロードカーというGTIの強み

車高は、通常のゴルフより15mm低い。さらに7代目GTIよりフロントで5%、リアで15%、スプリングレートが高くなっている。

リア・サスペンションも設計変更を受け、マウントも一新。横方向でのホイールコントロール性と、シャシーの応答性を高めている。可変レシオのステアリングも、レートの上昇率が数%ほど高められている。

これらのアップデートにより、より機敏なハンドリングの応答性を、幅広い速度域で獲得させたという。コーナーでの回頭性を高めつつ、落ち着きさも増している。軽快に走り、より楽しめるように。

実際のドライビング体験は、とても印象的。8代目ゴルフGTIは、明らかに7代目より活気に溢れている。アスファルトを強く蹴り、鋭く方向を変えていく。

一方で、これまでのゴルフGTIらしさ、という点は薄いかもしれない。スラロームを高速で駆け抜けることは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI最大の強みではなかった。実用性に優れた、高性能なロードカーであることが、GTIを際立たせてきたといえる。

サーキットのラップタイムを削る以上に、舗装の良くない濡れた路面を高速で処理できる能力こそ、GTIの輝く部分。8代目ゴルフGTIからは、従来以上にタイトで、エッジの尖った、ダイレクトな印象を受ける。

やはり、これまでのGTIのレシピとは少し違う。読者は、どう受け止めるだろうか。

この続きは後編にて。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
くるまのニュース
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
VAGUE
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
ベストカーWeb
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
WEB CARTOP
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
くるまのニュース
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
レスポンス
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
ベストカーWeb
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
motorsport.com 日本版
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
くるまのニュース
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
バイクのニュース
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
レスポンス
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
ベストカーWeb
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
メルセデスが3セッション連続で最速! 終盤の赤旗中断で、アタック未完了のマシン多数……勢力図は不明瞭|F1ラスベガスGPフリー走行3回目
motorsport.com 日本版
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
ルノーがハイブリッド車に使ったF1直系の技術……って聞くとなんかたぎる! 「ドッグクラッチ」ってそもそも何?
WEB CARTOP
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
F1ラスベガスFP3速報|赤旗で消化不良に。ラッセルがトップタイム、RB角田裕毅は16番手
motorsport.com 日本版
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村