小排気量&ローパワーでも楽しさは格別
スポーツカー市場の減少や、排出ガスの問題もあり、高回転をブン回して出力を得るようなNAエンジンは減少し、残ったスポーツモデルもホンダ・シビックタイプRにせよ、スズキ・スイフトスポーツにせよ、ターボ化という道を選んでいる。
そんななか、昔のように極端な高回転、高出力ではないものの、NAのまま頑張っている秀逸なエンジンも現存しているということで、今回はその中から3機をご紹介したい。
1)マツダ P5-VP(RS)型 【マツダ・ロードスターに搭載】
4世代目となる現行ロードスターに搭載されるのがP5-VP(RS)型エンジンだ。デミオやアクセラにも同じボア&ストロークを持つP5-VPS型エンジンが搭載されているが、“RS”とエンジン型式に付くようにこちらはほぼ専用設計となっている。
最高出力は132馬力(現行型)と決してハイパワーではないものの、1.5リッターという小排気量のエンジンを7500rpmのレブリミットまで回して走らせるという行為は、絶対的なスピードやパワーだけでは表せない楽しさがあるはずだ。
もちろんロードスターが1トン前後という軽量ボディを持っているということも大きく影響していることは間違いないが。
2)スバル FA20型 【トヨタ86/スバルBRZに搭載】
トヨタとスバルが共同開発したFRスポーツカーであるトヨタ86/スバルBRZに搭載されるのが水平対向レイアウトの2リッターエンジンであるFA20型だ。
NAエンジンながらリッター100馬力を超える207馬力(MT車)のカタログ値を誇り、水平対向エンジンならではの低重心なレイアウトは良好ハンドリングにも寄与している。
過去のハイパフォーマンスNAエンジンと比較するとフルノーマル状態ではややシャープさに欠ける部分はあるものの、手を入れれば入れただけフィーリングが良くなるという点も往年の名NAエンジンを彷彿とさせてくれるところだ。
アメリカで評価の高いNAエンジン
3)日産 VQ37VHR型 【日産フェアレディZに搭載】
アメリカの自動車産業雑誌が毎年行っているエンジンのランキングでは14年連続でトップ10にランクインする快挙を達成した日産のV6エンジンのVQ型エンジンだが、12代目スカイラインに搭載されたVQエンジンは新開発となるVQHRエンジンとなっている。
そんなVQHRエンジンの最高傑作とも言えるのが、現行フェアレディZに搭載されているVQ37HR型エンジンだろう。
標準車でも336馬力、NISMOに至っては355馬力を発生させる3.7リッター大排気量エンジンながら、レブリミットは7000rpmオーバーというのも驚かされる。
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