スズキはBEV分野でもメジャープレーヤーの一角になるかもしれない
スズキは2024年10月30日、「トヨタとの協業を発展させ、スズキが開発するSUVタイプのBEVを、トヨタに供給することが決定した」と発表した。供給する新BEVはインドの「スズキ・グジャラート社」で2025年春から生産を予定しているブランニューモデル。今回の発表では、具体的な車両説明はなかったが、2023年のJMS2023に参考出品された世界戦略モデルの「eVX」と想定される。
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スズキとトヨタは、2016年に当時会長だった鈴木修氏(現相談役)と、豊田章男社長(現会長)により業務提携の検討を開始して以来、さまざまな協業がスタート。現在の協業領域は、生産領域、OEM相互供給、電動車の普及など多岐にわたる。今回のBEV供給は初の取り組みとなり、スズキのインド工場という国際的なネットワークを駆使しての協業という意味でも注目する価値がある。
OEM供給されるBEVは、「世界各地で順次販売をスタートさせ、成長著しいSUV市場に置いて、新たな選択肢を提供、カーボンニュートラル社会実現に向けた新たな一歩となる」とスズキは説明する。
ちなみに供給モデルと目されるeVXは、2023年1月のAuto Expo(インド)で初公開。JMS2023では市販型に近いデザインとなり内装を初披露した。採用するBEVユニットとプラットフォームは、スズキ、トヨタ、そしてダイハツの3社が、それぞれの強みを活かして共同開発しており、ジムニーなどで経験の深い4WD技術をBEV用にリファインしているのが特徴。SUVルックにふさわしい、優れたオールラウンド性能が魅力だ。デザインは、スズキ4WDの象徴、「サイ」がモチーフになっている。公表されているサイズは4300×1800×1600mm。航続距離は550km。
スズキとトヨタは、ともに遠州(静岡県西部)を発祥の地とし、織り機から自動車へと時代の発展とともに新たな事業に挑戦してきたルーツを持つ。ともに元気な両社の協業強化は、クルマ好きにとっても大歓迎である。新たな価値を提供する新型BEVの正式デビューが楽しみだ。
「スズキ・鈴木俊宏 社長のコメント」
今回、スズキ初のBEVをトヨタでグローバルにOEM供給いたします。こうして両社の協業関係がさらに深化したことを大変うれしく思います。これからもトヨタとは互いに切磋琢磨する競争者であり続けながら、マルチパスウェイでのカーボンニュートラル社会の実現など、社会課題の解決に向けて協業を深めてまいります。
「トヨタ・佐藤恒治 社長のコメント」
今回、共同開発したBEVユニットとプラットフォームを活用して、電動車分野での協業の新たな一歩を踏み出し、カーボンニュートラル社会に貢献する多様な選択肢を世界各地のお客様にお届けしてまいります。今後ともマルチパスウェイの考え方を軸に、お互いの強みを学び合い、競い合いながら、共に汗を流してまいりたいと思います。
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