パッケージはキープコンセプトだがアイサイトが大きく進化
国内のステーションワゴンは車種が激減しています。そうしたなかでレヴォーグはステーションワゴンのパッケージングを守りました。先代に比べるとボディサイズは若干大きくなりましたが、全幅は1800mmを切る1795mmとして国内での使い勝手をギリギリ確保しました。
そして注目は大進化したアイサイトXです。従来のアイサイトはステレオカメラをセンサーにしてプリクラッシュブレーキ(自動ブレーキ)、先行車追従走行(ACC)、レーンキープといったところでしたが、新型レヴォーグに搭載されたアイサイトXはステレオカメラの性能を向上したうえで、レーダーやソナーといったセンサーを追加するとともに、高精度なGPSや3D地図データを併用することでアイサイトをはるかに凌駕する性能が与えられました。
アイサイトXはプリクラッシュブレーキの作動領域を拡大、従来のカメラだけでは捉えきれなかった、前側方から接近するクルマとの出会い頭衝突でもブレーキが作動するようになっています。またブレーキだけでは止まりきれない際のステアリング回避機能なども追加されています。そうした安全性の向上に加えて、渋滞時(50km/h以下)でのハンズオフ走行や、カーブ前速度制御、料金所前速度制御、レーンチェンジアシストといった先進機能も追加されています。
日本ではまだまだワゴンを求めるユーザーが多いことに加えて、アイサイトXという業界トップクラスのADAS(先進運転支援システム)を搭載したことが、新型レヴォーグが注目の的となっている最大の要因と言えるでしょう。
「ぶつからないクルマ」というわかりやすいキーワード
スバルはレガシィ時代からADAというステレオカメラ装置を使って、現在でいう自動ブレーキの採用を進めて来ました。ADAは2008年にアイサイトと名前を改め、採用車種を広めていきます。そうした流れのなかで2014年にレヴォーグが登場します。レヴォーグはアイサイトをボトムグレード以外に標準装備。ボトムグレードとアイサイト装着車の価格差は10万円(つまり10万円でアイサイトが装着可能)としたことと、草の根的に各地で試乗体験を行ったこと、そして「ぶつからないクルマ」というわかりやすいキーワードも手伝って、レヴォーグ人気を後押ししました。
かつての初代レヴォーグも人気の高いモデルだった
スバルは1989年にレガシィを発表しました。レガシィはセダンとステーションワゴン(スバルではツーリングワゴンと呼んだ)を用意するモデルで、当初はセダンを主力にしていましたが、市場はワゴンの性能を認め、あっという間にワゴンの販売台数がセダンを上まわりました。そしてこのレガシィ・ツーリングワゴンが起爆剤となり、ワゴンブームがわき起こります。しかし、ワゴン市場は徐々に縮小、ライバル車は徐々に消滅していきます。そうしたなか、レガシィもセダンのみとなりツーリングワゴンは廃止が決まったのです。
そしてレガシィ・ツーリングワゴンの代わりにスバルが導入したのがレヴォーグです。ステーションワゴンの市場は世界的にも縮小傾向であったため、レヴォーグは日本専用モデルとして導入(その後、欧州などにも拡大)されます。もともと人気のあったレガシィ・ツーリングワゴンの後継であること、日本ではステーションワゴンの車種が少なくなったことなどもあり、日本では大きく支持されました。
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