この記事をまとめると
■日々さまざまな場所を走るトラックドライバー
「ちょんまげ」「月光仮面」「墜落」「ガッチャマン」! 携帯電話もSNSもない時代のトラック乗りが使っていた「無線用語」が謎すぎる!!
■大きな車両の操縦は高度なテクニックが要求される
■スキルが求められる場面を紹介
大型トラック泣かせの道路も存在
世の中には、あらゆるプロが存在する。
プロとはその道のエキスパートであることを意味するのだが、トラックドライバーもそのなかのひとつだ。とくに大型トラックやトレーラーには専用の運転免許証が必要であるため、名実ともにプロドライバーである、といえるだろう。
大型トラックの箱車になれば、そのサイズが全長12m、全高3.8mに達する。普通乗用車しか乗ったことがない人にはピンとこないかもしれないが、大型乗用車の全長が5mほどで軽自動車が3.4m以下であるため、その差は歴然。荷物を扱うだけではなく、運転中にも気を使う職業なのである。
そんな彼らの主な職場は道路となる。しかし、荷物や仕事内容によっては行き先がまちまちで初めて走る道路が多いため、トラブルはつきものだ。
一般国道であれば問題ないと考えてしまいがちだが、なかには“酷道”とも呼ばれる大型トラック泣かせの道路も存在する。とくに、300番台の国道は要注意だ。車幅ギリギリの峠道が存在すれば、いわゆる水道橋などの地図に載っていないまさかの高さ制限に見舞われてしまうこともある。その場合は当然バックするしか術がないため、想像以上にスリリングな稼業なのである。
そして、積荷によっては危険なものも存在する。残土などを運ぶダンプカーは、整地されていないぬかるんだ悪路を走ることもある。そのため特段の運転スキルが要求されるが、問題は運転だけではない。残土の降ろし場所は基本的に高台となっており、リヤタイヤをギリギリの位置にまでバックさせ、荷台をゆっくり上げながら残土を降ろしてゆく。荷台を勢いよく上げてしまうと荷重バランスを崩してしまい、かつ足もとが悪いため横転や転落してしまうこともあるのだ。最悪の場合、車両はもちろんドライバーの生命にも直結するのである。
研ぎ澄まされたテクニックが必要!
北海道などでは、除雪した雪を海に落とすという仕事も存在する。その場合も同様に、岸壁ギリギリまでダンプをバックさせなければならない。その作業を失敗してしまうとどうなるかは想像にお任せするが、彼らはつねに命の危険と背中合わせで生きているのである。
他方、アサリを運ぶ現場では、冷凍車が海に入るという光景を見ることができる。トラックで積まれてきた荷物は配送センターに降ろされるのが一般的だが、アサリの場合は冷凍車から直に船へと移し変えられるのだ。一度海に撒くことで、鮮度を回復させるのだという。そのため、冷凍車で海に入らなければならないのである。その場所にはスロープが装備されているため、厳密にいえば海に入ることはない。しかし満潮時になると車体が海に浸かってしまうこともあるのだ。もちろん、これも失敗は大きな事故につながりかねない。それに海水によって冷凍車のシャシーが錆びてしまうため、メンテナンスも重要な任務となってしまうのである。
日本でもっとも大きな自動車は、運転席部分と荷台が別個体となっているトレーラー。いわずと知れた巨体であるが、運ぶ荷物によっては狭い場所へと入らなければならない。とくにバックで入庫するときは逆方向にハンドルを回さなければならないため、研ぎ澄まされたテクニックが必要となる。
また、海上コンテナを運ぶトレーラーなどは、基本的に毎回異なるシャシーを牽引することになる。そのため、バックカメラを取り付けることができなければ、車体が折れ曲がった状態では目視でも車体の後部が確認できない。そんな海上コンテナや重機を積んだトレーラーの回送車などがバックで入る現場に遭遇したときは、ぜひともその光景を堪能していただきたいと思う。
プロドライバーならではのハンドルさばき、その名人芸にきっと惚れ惚れしてしまうことだろう。
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