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暮らしに馴染める電動ハッチ ヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリックへ試乗 航続415km

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暮らしに馴染める電動ハッチ ヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリックへ試乗 航続415km

バッテリーEVのアストラは少々お高め

ヴォグゾール(オペル)・アストラのバッテリーEV版、アストラ・エレクトリックがグレートブリテン島へやって来た。2023年5月に英国での価格は発表されていたが、ちょっとお高いな、というのが当初の正直な感想だった。

【画像】暮らしに馴染める電動ハッチ オペル・アストラ・エレクトリック 競合の電動モデルも 全110枚

エントリーグレードは4万ポンド(約724万円)を切るものの、今回試乗した上級グレードのアルティメットは、4万3110ポンド(約780万円)。テスラ・モデル3も狙えるお値段となる。

ヴォグゾールもそれは理解していたようで、3年間金利0%の残価設定プランが用意されている。これを使えば、毎月263ポンド(約4万8000円)で乗れる。

ただし、頭金として1万2000ポンド(約217万円)が必要。3年後の残価は、1万8200ポンド(約329万円)と見積もられている。英国では一般的な、会社からの貸与車両として選ぶ場合、バッテリーEVは税制的に有利なため一定の支持は集めるはず。

このアストラ・エレクトリックは、内燃エンジンを搭載したアストラと、基本的に見た目は同じ。フォルクスワーゲン・ゴルフと同等サイズのファミリーハッチバックで、全長が4374mm、全幅は1860mm、全高は1470mmある。

駆動用バッテリーの容量は51kWhで、フロア部分に敷かれる。シャシーのねじり剛性は、内燃エンジン版より向上しているという。補機類が載る都合で、荷室の容量は若干小さくなるものの、350Lは残されている。

スタイリッシュなボディやインテリア

駆動用モーターはフロントに搭載され、前輪駆動。最高出力は155ps、最大トルクは27.4kg-mがうたわれ、0-100km/h加速には9.2秒を要する。バッテリーEVとしては、加速力は控えめといえるだろう。

近年のヴォグゾールは、プレミアムブランド以外の自動車メーカーのなかで、上位に属したいと考えている。ヒョンデやマツダなども、最近は同様の意向を抱いているようだが、動力性能的にアストラ・エレクトリックは少々物足りないかもしれない。

それでも、スタイリングは内燃エンジン版と同じく洗練されている。中央部がつままれたように尖ったボンネットは、多少クセがあるかもしれない。1950年代のアメリカ車のように感じた。

インテリアのデザインも明快で、ライバルとは一線を画す。ダッシュボードは、スタイリングへ呼応するようにダイナミックに横方向へラインが引かれ、その上部に10.0インチモニターが2面並んだパネルが据えられる。

アストラがベースとするのは、プジョー308などと同じ、ステランティス・グループのプラットフォーム。基本的な人間工学も共通している。しかしインテリアでは、エアコンの操作パネルなどが独自デザインになっている。

内装の上面はソフトタッチ加工が施され、視覚的な印象も質感も高い。足もとは、硬質なプラスティックがそのままだけれど。

乗員空間にはゆとりがあり、シートサイズもゆったりしており、快適性ではクラス最高水準だろう。ドライビングポジションも自然で好ましい。ちなみに当面は、左ハンドルのみが販売される。

リラックスして運転できるハッチバック

公道へ出てみると、目立った特徴は感じられないものの、市街地も郊外もリラックスしたまま運転できる。アクセルペダルを踏み込んでも、背中が強く押されるような勢いはないが、滑らかに心地良く速度が増していく。

幹線道路へ合流する場面などでは、もっと鋭くダッシュして欲しいと思うことがあるかもしれない。スポーティなドライブモードを選んでも、解決はしないようだった。

回生ブレーキの強さは2段階から選べるが、そのボタンは小さすぎる。ステアリングホイール裏にパドルを設ければ、手際よく調整できるようになるのだが。

ステアリングの反応は、滑らかで好印象。乗り心地もしなやかで、コーナーでの姿勢制御と巧みに両立できている。このクラスで突出した印象までは受けないものの、不満を抱くことはないだろう。

エネルギー効率は、かなり優秀なようだ。駆動用バッテリーの容量はさほど大きくないが、WLTP値での航続距離は415kmが主張される。

試乗時は、苦労せずに6.9km/kWhの電費効率を得られていた。気温20度と条件が良かったとはいえ、現実的に350km以上は走れる計算になり、競争力は高い。急速充電能力は、DCで最大100kW。ACでは11kWまで対応する。

競合メーカーも、順次このクラスのバッテリーEVを提供し始めている。ドライビング体験で、アストラ・エレクトリックが強い印象を残すことはないかもしれない。それでも、普段使いしやすい電動ハッチバックとして、多くの人の暮らしに馴染めるはずだ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・エレクトリック・アルティメット(英国仕様)のスペック

英国価格:4万3110ポンド(約780万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1470mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:9.2秒
航続距離:415km
電費:8.2km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1679kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:51kWh(実容量)
急速充電能力:100kW(DC)
最高出力:155ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード(前輪駆動)

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