日本グッドイヤーが2024年1月29日に発表したウルトラハイパフォーマンス スポーツタイヤ、「イーグルF1 アシンメトリック6(EAGLE F1 ASYMMETRIC 6(アシンメトリック シックス)」を初テスト。欧州を代表するステーションワゴンやホットハッチに加え、スポーティな国産FF&FRに装着して、フィット感を試すことができました。
多彩な試乗車、試乗コースで「ウルトラハイパフォーマンス」をチェック
世界の主要自動車メーカーから高い信頼を得ているのが、グッドイヤー「イーグルF1 アシンメトリック」の系譜。「イーグルF1」の名を冠するシリーズの中ではベースの「SPORT」とトップの「SUPERSPORT」の中間(というよりやや上級より)に位置付けられます。
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つまり、リリースで謳われている「ウルトラハイパフォーマンス」は、ハイグリップ性能といった絶対性能の高さではなく、日常的な快適性の面にも十二分に配慮する「非常にバランスが良いパフォーマンスを備えた」スポーツタイヤを意味していると考えていいでしょう。
今回の試乗テストは富士スピードウェイを拠点とする一般道に加え、クローズドされたエリアにパイロンなどでドライハンドリングを試すコースと、タイト気味なウェットハンドリング路とやはりウエットのフルブレーキング体験が用意されていました。
チェックすべきポイントのひとつは、低炭素社会を見据えて磨かれた、電気自動車にも対応できる性能。瞬時に盛り上がる大トルクによる急激な荷重移動にも反応できるグリップ力、しっかり感とともに、車重の重さにもへこたれないブレーキ性能が求められるはずです。
そんな純粋なダイナミック性能に関しては、100km/h程度のコーナリングゾーンと一般道レベルでの車線変更、タイトなスラロームを組み合わせたコースで、FFのホンダ シビック、FRのGR86を試しました。
合わせて電気自動車特有の電欠のリスクを減らすために、電力消費量低減につながる転がり抵抗の低減も必須でした。優れた静粛性を損なわないように「クワイエットトレッドテクノロジー」を採用。共鳴音や接地面の叩き音を、効果的に抑制しているそうです
ただし試乗時には電気自動車に乗ることができなかったので、トルクフルなディーゼルターボエンジンを搭載した上級サルーン、メルセデス・ベンツC220dで試すことにしました。
第5世代と第6世代をウエット路面でじっくり比べてみた
さらに試乗前から気になっていたのが、テストのメインメニュー4つのうちふたつがウエット路面ということ。これはおそらく、濡れた路面での性能向上にそうとう自信があるようです。
投入された新技術としては、新樹脂配合コンパウンドによって、トレッドゴムの柔軟性を高めている、と言います。路面の凹凸にリニアに接することで実現された優れた路面追従性が、ウエット路面でどのような安心感を生んでいるのでしょうか。
そこでまずは、気になるウエット性能の向上ぶりからレポートしましょう。ハンドリングコース、ブレーキングテストのどちらも、先代に当たる「アシンメトリック5」と比較することができたので、比較的わかりやすくその進化ぶりを実感することができました。
テスト車両は、ハンドリングコースがスカイライン400R。滑りやすい路面で強力なトルクを御するのは、VSCをもってしてもかなり神経を使うところです。
印象的だったのはコーナリング、加速時ともに、グリップの抜けが明らかに抑制されていたこと。もちろん過信は禁物ですが、よりイージーなドライビング感覚はストレス緩和につながりそうです。
フルブレーキングを試すエリアでは、レヴォーグが用意されていました。SUVほどではないとはいえ、それなりに重量のあるモデルですが、70km/hほどからの急制動でも新旧ともに安定した姿勢でしっかり停まってくれます。
もっとも制動距離には大きな差が出ました。それぞれに数回ずつ試しましたが、アシンメトリック6なら常に制動距離はおおよそ1割以上も短縮される結果に。これならフルブレーキングではなくても、コントロール性の高いウエットブレーキングの安心を実感することができそうです。
エッジ際立つ個性派たちの走りも、しっかり「洗練」
非常にわかりやすいウエット性能の進化と同様に、ドライ路面でまっさきに感じられたのは優れた快適性と静粛性でした。
一般道(と言っても、富士スピードウェイ内の外周路ですが)で試乗したCクラスは乗り心地の良さにまずは感心。やや荒れ気味の路面でも「雑味」は控えめな印象です。
静粛性に関しても期待以上。室内に侵入してくるノイズは、タイヤ/ロードともに巧みに抑えられている印象があります。総じてNVHに関するストレスの低減効果は非常に大きく、上級サルーンとしての走りのグレードアップにはおあつらえ向きでしょう。
ただしコンフォート面での上級移行と相まって、スポーティ感は、ややマイルドに躾けられているように思えました。アシンメトリック6では、タイヤに加わる負荷の変化に応じて、接地形状を変化させる「ドライコンタクトプラステクノロジー」が採用されています。その効果でしょうか。
もっともけっして動きや反応が「ダルになった」わけではなく、「エッジ感」がややソフトに丸められている感覚で、多くのドライバーには受け入れられやすい進化と言えそうです。
ある意味、より大人好みの味付けはシビックやGR86との相性も良いもの。剛性感が高くしなやかな走りが特徴のシビックでは、全体的なしっかり感が増し、身のこなしもより洗練された印象があります。
GR86も同様に、やや上品な方向にシフトされたフィーリングが味わえました。生来のソリッドさに任せて振り回す走りではなく、ほどよくシャープな前輪のキレとスムーズな後輪の追従性をじっくり味わってみたい、と思わせてくれるものでした。
実は個人的には、もう少しだけ接地感を伝えて欲しいと思える時もありましたが、実にバランスの良いセッティングと言えそうです。あとは、とくに強調されていなかった「ライフ」性能が確保されていれば、文句なし。ナローグルーブがもたらす高い静粛性が摩耗によってどのように変化していくのか、はやはり気になるところです。
ちなみに実はもう1台、ドライのハンドリングコースでアバルト595をちょっとだけ試すことができたのですが・・・想像以上にマッチしていることに驚きました。GR86同様に最適化されたソリッド感に加え、静粛性、快適性の向上が、スモールギャングの乗り味までしっかり洗練させていたのでした。(文:神原 久 Webモーターマガジン編集部/写真:伊藤嘉啓)
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