どうしたレッドブルF1？ 開幕戦でマクラーレンに太刀打ちできず……タイヤ性能劣化が課題に。苦戦ローソンは「彼らしくない」

　昨年グランプリ勝利を争ったレッドブルとマクラーレンだが、F1オーストラリアGPでは明暗が別れ、レッドブルは強力なライバルを前に十分なペースを発揮できなかったと認めた。

　2025年シーズンのF1開幕戦では、マクラーレンが圧倒的な強さを見せつけ、ランド・ノリスが優勝を飾り、チームメイトのオスカー・ピアストリもスピンを喫したものの入賞圏内でフィニッシュ。一方でライバルのレッドブルは、4度の世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンがマクラーレン勢と唯一渡り合い2位表彰台を獲得したが、リアム・ローソンはクラッシュによりリタイアとなった。

　レッドブルでチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、マクラーレンの健闘を称えつつも、チームがマクラーレンのペースに太刀打ちすることはできなかったと考えている。これはレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも認めたことだ。

「（マクラーレンは）特にセクター3でバランスの良いマシンを持っている。彼らは強力そうに見える」とホーナー代表は言う。

「マックスはスタートが上手くいって、少し身動きが取れない状況に置かれたが、その後オスカーのアウト側を回る素晴らしい動きを見せた。それで最初はランドに少し挑むことができたが、最終セクターでは我々が少し後れを取っていたと思う」

「それで差が開き始めた。オスカーはマックスを抜き返すことができた。インターミディエイトでのスティント後半に力を取り戻し、また競争力があったのは興味深い」

「ピットストップではミディアムに履き替えたが、ちょい濡れの路面で他チームがハードを選んだのには驚いた。我々は（ミディアムの方が）ウォームアップが良いと思ったんだ。その後、また雨が降ってきた。最後のセクターだけね」

「最初のふたつのセクターは速かったし、もう少しで首位を奪えるかというところだった。しかし結局、彼はセクター2でも取り戻し、8周の全開バトルになった。最後は非常に僅差だった」

「ランドはレース終盤、少し厳しそうに見えた。ターン6でミスをしてコースから半分外れ、オーバーテイクが難しいコースでマックスの接近を許し、次の周にまた近づいた。とてもエキサイティングなレースフィニッシュだった」

　またマルコはViaplayに対して、レッドブルが抱えている課題はタイヤのデグラデーション（性能劣化）だと明かした。

「6～8周は彼らと互角に戦えるが、それ以降はタイヤのデグラデーションの症状が早い段階で出てくる。それは我々が取り組む必要のある主な問題だ」とマルコは言う。

「しかしコンディションが変わったりセーフティカーが入ったりする中で、マックスはレースに踏みとどまり、最後の6周は彼の方が（ノリスより）速かったと思う。もちろん、ドライの走行ラインは1本しかなく、オーバーテイクは不可能だった。だから彼はランドをミスに追い込もうとしていた。結果的にそうはならなかったが、我々にとっては良い結果だ。厳しいシーズンになるだろうね」

　フェルスタッペンが強力なライバルを前に最良の結果を得た一方、ローソンはほろ苦いレッドブルデビュー戦を過ごした。

　ローソンが予選で18番手とQ1敗退を喫した後、チームはピットレーンスタートを選択。決勝レース中もフェルスタッペンと同等のペースは出せず、雨が再び降り始める中でスリックタイヤを履いてステイアウトを続けるギャンブル戦略を採ったが、最終的にクラッシュと散々な結果となった。

「彼にとっては難しい週末になった」とホーナー代表は言う。

「ダウンフォースを増やすためにマシンに変更を施したが、ここはオーバーテイクが非常に難しいサーキットだ。既にポイント圏外にいたから、リスクを冒してステイアウトを選んだ。サイコロを振って、違う目が出ていたかもしれない」

「しかし雨が降り始めたのは、まさにその時だったから、彼を責めるのは難しい。最後のスピンに関しては、スリックタイヤで2番目に速いラップタイムを記録したことがひとつの輝きになったと思う」

「ひとつポジティブなことがあるとすれば、彼のペースは悪くないということだ」

　そしてホーナー代表はこう続けた。

「次の週末（中国GP）はスプリントが実施され、しかも彼がまだ走ったことのないサーキットだから厳しいだろう。しかし彼はかなりしぶとい。今回の週末は彼の実力らしからぬ結果だった」

Comments

[K]

自分の体裁を保つのに必死ですね。レッドブルのSNS、大荒れですね。知らんけど。

[dwj********]

マルコもホーナーも潔く身を引け。